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夜会の準備とイディオスの暴走
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「夜会?」
「父上が主催の夜会で、国内外の貴族が来るんだ。そこでリアをお披露目したいと思って。皆にリアは自分のだって見せびらかしたい」
「ん~」
「嫌だって言うなら出席しなくてもいいけど」
「ん、出席する」
「いいの?」
「うん」
キングシルクスパイダーの糸をふんだんに使ったドレスにしよう。リアは派手なのが苦手だから細部の装飾にこだわる。
結婚式のドレスはキングシルクスパイダーの糸だけにしたいからな。シルクスパイダーの糸との合わせで作る。
裾には刺繍は裾に銀糸で。肩や胸元をレースで覆い、できるだけ露出を少なく。
夜会ではセルバンテス伯爵の娘が騒ぎを起こすことが予測される。番の夜会デビューの汚点となるが、邪魔者を早々に片付けることができるし、今後の牽制にもなる。
「リア、今日はもう予定は無いし、何かする?」
採寸はパパッと終わった。型は既にあり、それを元にしてドレスを作る。色・素材は決まっていてデザインだけを決めるだけ。番のドレスは決して妥協しない。とことん話し合った。
イディオスがセシリアに声をかけた時には3時間くらい経っており、その間放置されていたセシリアは不貞腐れていた。
「……………」
「り、リア?」
「…………」
「ねえ。」
イディオスは肩を掴んで揺すったが、
「ふーんだ」
ピシャアアンッ
背後に雷が落ちたかのような悲壮感をみせる。
番は唯一無二の存在。番が死んだら後を追うように
死んでしまう。嫌われたら………
「ねえセシリア?」
普段はセーブしている魔力が溢れ出す。魔力に影響され、物がカタカタと揺れる。夜にされたら怖くて仕方がないような現象。
「無視しないで」
バタバタバタバタッ
バタンッ
大人数の足音が聞こえたかと思ったらバタンッと扉が開き、王族御一家の方々が入ってきた。
「何事だ!?」
「イディオスがこうなるのは番関連しか考えられないわ。カールとエド」
「何だ?愛しのマーガレット」
「何ですか、母上」
「イディオスを全力で拘束しなさい。これは女同士で話すべきことよ。隣の部屋に入らないでね?」
番と離れることは苦痛ではあるがどこにいるか分かるし、魔法で守ることは可能だ。
「イディオス、大人しくしてろよ」
国王であるカールゼントと王太子のエドマリスによる魔法込みの全力での拘束。それほどイディオスは強いのだ。
男は番に酷く執着するが女は男ほど執着しない。というより男より本能が薄いのだ。そのため魔力が少なめで男からしたら虚弱に見えることから、より庇護欲が増し、過保護になる。
「離せ!!」
「落ち着け。お前がこうなった理由は番にあるんだろう?」
「………」
「その理由や今後の対応についての要望を聞くんだ。
隣の部屋だし、女だけだ」
「………父上と兄上は番が心配じゃないのですか?」
「ははは、魔法で守護してるからな。それに部屋に押し掛けたら後で暫く無視される」
「番の言うことは絶対だ」
2人の楽観視さに段々と落ち着いてきたイディオスは
ソファーに腰掛け、番らの話が終わるのを待つことにした。
「父上が主催の夜会で、国内外の貴族が来るんだ。そこでリアをお披露目したいと思って。皆にリアは自分のだって見せびらかしたい」
「ん~」
「嫌だって言うなら出席しなくてもいいけど」
「ん、出席する」
「いいの?」
「うん」
キングシルクスパイダーの糸をふんだんに使ったドレスにしよう。リアは派手なのが苦手だから細部の装飾にこだわる。
結婚式のドレスはキングシルクスパイダーの糸だけにしたいからな。シルクスパイダーの糸との合わせで作る。
裾には刺繍は裾に銀糸で。肩や胸元をレースで覆い、できるだけ露出を少なく。
夜会ではセルバンテス伯爵の娘が騒ぎを起こすことが予測される。番の夜会デビューの汚点となるが、邪魔者を早々に片付けることができるし、今後の牽制にもなる。
「リア、今日はもう予定は無いし、何かする?」
採寸はパパッと終わった。型は既にあり、それを元にしてドレスを作る。色・素材は決まっていてデザインだけを決めるだけ。番のドレスは決して妥協しない。とことん話し合った。
イディオスがセシリアに声をかけた時には3時間くらい経っており、その間放置されていたセシリアは不貞腐れていた。
「……………」
「り、リア?」
「…………」
「ねえ。」
イディオスは肩を掴んで揺すったが、
「ふーんだ」
ピシャアアンッ
背後に雷が落ちたかのような悲壮感をみせる。
番は唯一無二の存在。番が死んだら後を追うように
死んでしまう。嫌われたら………
「ねえセシリア?」
普段はセーブしている魔力が溢れ出す。魔力に影響され、物がカタカタと揺れる。夜にされたら怖くて仕方がないような現象。
「無視しないで」
バタバタバタバタッ
バタンッ
大人数の足音が聞こえたかと思ったらバタンッと扉が開き、王族御一家の方々が入ってきた。
「何事だ!?」
「イディオスがこうなるのは番関連しか考えられないわ。カールとエド」
「何だ?愛しのマーガレット」
「何ですか、母上」
「イディオスを全力で拘束しなさい。これは女同士で話すべきことよ。隣の部屋に入らないでね?」
番と離れることは苦痛ではあるがどこにいるか分かるし、魔法で守ることは可能だ。
「イディオス、大人しくしてろよ」
国王であるカールゼントと王太子のエドマリスによる魔法込みの全力での拘束。それほどイディオスは強いのだ。
男は番に酷く執着するが女は男ほど執着しない。というより男より本能が薄いのだ。そのため魔力が少なめで男からしたら虚弱に見えることから、より庇護欲が増し、過保護になる。
「離せ!!」
「落ち着け。お前がこうなった理由は番にあるんだろう?」
「………」
「その理由や今後の対応についての要望を聞くんだ。
隣の部屋だし、女だけだ」
「………父上と兄上は番が心配じゃないのですか?」
「ははは、魔法で守護してるからな。それに部屋に押し掛けたら後で暫く無視される」
「番の言うことは絶対だ」
2人の楽観視さに段々と落ち着いてきたイディオスは
ソファーに腰掛け、番らの話が終わるのを待つことにした。
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