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三木風雅ルート

修学旅行1

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 新幹線ではなくバスでの移動。
少し時間はかかったけど1つ1つの座席の間がそれなりにあったお陰でのびのびと過ごすことができた。
運転手の腕がいいから揺れも殆ど無し。
スッゴク快適な時間だった。




「麗龍学院御一行様、ようこそおいでくださいました。

先生様方、こちらが各部屋の鍵となります。」




 3人1部屋だ。宿泊場所の見た目は和風。
グローバル化の現代だし外国人観光客も多いからベッド、だと信じたい。
枕が変わると寝れないってタイプではないけど、
いつもいい寝具で寝ているせいか固い床の上に敷かれた
布団ではなく、ふかふかのベッドで寝たい。


案内された部屋は…………広かった。
3人部屋だけど5人でもいいくらいの広さ。
ベッド(よしっ)は外が見える窓の近くに設置されており
夜は寝ながら綺麗な夜空を眺められるだろう。




「ねーねー、風呂は美肌温泉だってさ!」




 女性は何歳になっても女性。
女子高校生の美への追求は止まらない。




「初日は温泉に入ろ?」


「そうねえ。」




 昼食はバスの中で弁当を。今は12時過ぎ。
観光や食事をするよりはゆっくりしたしね。




「男子に連絡しとくね!」




 栞が温泉に入ることが決まるや否や男子に
《女子は温泉に入ります!男子もバス移動で疲れているだろうし、宿でゆったり休もう?》と連絡した。
直ぐに連絡が来た。《了解した》とのこと。


班長は八重崎君。班長会議は夕食後だし、
気兼ねなく温泉に入ろう!




「皆、考えていることは同じね。」




 かなりの人数が浴場にいた。
皆考えることは一緒らしい。
だけど浴場は広いし、露天風呂もあるから。




「ジーッ」


「…………。」


「ん?え、どうしたの?」




 複数の人がジーッとこっちを見ていた。




「いや、ねえ、理不尽だと思って。」


「ボンキュッじゃないの。」


「そこはボンキュッボンじゃなくて?」


「だってそこまでお尻は大きくないじゃない。
あれは普通の大きさだよ。」




 ……体型のことを言われているのは分かった。




「こう言っちゃなんだけどフィギュアスケーターって
貧乳ばっかでしょ?
運動しているからだろうけど。」


「そうだね。」


「衣装着てた時と体型違うけど何で?」




 周りはいつの間にか静かになっていた。
さりげなく聞き耳をたてている。




「邪魔だから潰してた。」


「くっ、これだから持つ者は!
持たざる者の気持ちも考えんかい!」


「椎名さん、貴女沢山の敵をつくったわよ。」


「え?え?」




 妬ましげな視線向ける人が複数。




「風の抵抗を受けるから仕方なくしてただけなんだけどなあ。」


「………ちなみに大きくなる秘訣ってある?」




ピクッ




 目で見なくとも周囲の人が自分達の会話を全力で
聞こうとしているのが伝わってくる。




「そうだなあ。夜はなるべく早く寝て、食事は
ダイエットだからといって抜かない。
胸の肉は結局は脂肪なんだから。

後は………ブラジャーかな。
普通のワイヤーブラとかだと肉が広がっちゃうから
スポブラみたいなのを着る。」




 そんなこんな話をしているとのぼせてきた。
かなり入っていたみたい。




「じゃ、あがろ?聞くよりも実物を見た方が分かり
やすいでしょ。」




 女子の行動力は凄まじく早速ネットで注文している人もいた。
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