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18,あらしのよる*
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虎牙の部屋はキッチンと広めの一部屋の1DK。アクション映画が好きらしく、リビングの棚にはディスクのパッケージが縦になったり横になったりしながらずらりと並んでいた。
窓の外で稲妻が光り、パッケージの背が斜めに光を反射する。
類は尻を高く上げたうつぶせの状態で、ベッドからその光景を見ていた。
「ああ、虎牙さんっ……」
胸の下には彼の匂いのする枕が、ぎゅっと抱きしめられている。
後ろには虎型獣人の局部がすでに埋め込まれていた。
「類、こっち向け」
繋がりをほどくのももどかしく、体を裏返してすぐに抱きしめ合う。
今度は違う角度で突きながら、唇を吸われた。
「ぅあ、そこっ、奥、きもちい」
「ここか」
「うん、そこ!」
「りょーかい」
二度目のセックスは、初めての時よりもっと気持ちいい。
「おまえさ、こんな感じやすい体で、今までどうしてたんだ? 恋人は?」
あんまり感じすぎたのか、戸惑いを含んだ声で聞かれた。
「妬けるんだけど」
答えを急かすように下唇を甘噛みされる。
「恋人なんて……いるはずない。ぼくなんかが、人に好かれるはず……」
類の胸はちくりと痛んだ。
「マジかよ。人間ってのはずいぶん理性のある生き物だな。おまえみたいな可愛いのがいて、自分のものにしないとか」
彼がまた気持ちいいところを突いてくる。
「はぁんっ! でもぼく、なんの役にも立たないし! 人と仲良くするの、苦手だから……」
「は!? なに? 他人の役になんか立ってやる必要ないだろ!」
「でも……」
虎牙は考えるように眉をゆがめてから、再び口を開いた。
「人の役に立つとか立たないとか、そんなことはどうでもいい! けど、おまえが役に立ちたいなら教えとく」
「え……?」
類は何を言われるのかと身構える。
「おまえのキモチイイここが、今、めちゃくちゃ俺の役に立ってる」
「ひあんっ!」
いいところを突き上げられた。
「それから、おまえが会社にいると思ったら、俺は出社するのが楽しみだし。話せたら嬉しいし。つまりおまえは、俺が機嫌良く仕事するのの役に立ってる」
「……それ、本気で言ってる?」
顔を見ようとすると、今度はすかさず耳たぶを甘噛みされる。
「痛たたたたっ! とらさん、歯、とがってるんだからっ、痛い!」
「これは照れ隠しだ、わかれ」
またうつぶせにされ、後ろを犯しながらたくさん甘噛みされた。
そのうち噛まれるのもゾクゾクして気持ちよくなる。
「ぁあん! とらさん、はげしい」
「そういう類こそ、さっきからすげー腰動いてる」
振り向くと、汗に濡れた色っぽい部長に微笑まれて……。
(ようやく顔、見られた……)
多幸感から、類は思わず失神しそうになってしまった。
こんなに幸せでいいんだっけ? ぼくはまだ、何もできていないのに……。
窓の外で稲妻が光り、パッケージの背が斜めに光を反射する。
類は尻を高く上げたうつぶせの状態で、ベッドからその光景を見ていた。
「ああ、虎牙さんっ……」
胸の下には彼の匂いのする枕が、ぎゅっと抱きしめられている。
後ろには虎型獣人の局部がすでに埋め込まれていた。
「類、こっち向け」
繋がりをほどくのももどかしく、体を裏返してすぐに抱きしめ合う。
今度は違う角度で突きながら、唇を吸われた。
「ぅあ、そこっ、奥、きもちい」
「ここか」
「うん、そこ!」
「りょーかい」
二度目のセックスは、初めての時よりもっと気持ちいい。
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あんまり感じすぎたのか、戸惑いを含んだ声で聞かれた。
「妬けるんだけど」
答えを急かすように下唇を甘噛みされる。
「恋人なんて……いるはずない。ぼくなんかが、人に好かれるはず……」
類の胸はちくりと痛んだ。
「マジかよ。人間ってのはずいぶん理性のある生き物だな。おまえみたいな可愛いのがいて、自分のものにしないとか」
彼がまた気持ちいいところを突いてくる。
「はぁんっ! でもぼく、なんの役にも立たないし! 人と仲良くするの、苦手だから……」
「は!? なに? 他人の役になんか立ってやる必要ないだろ!」
「でも……」
虎牙は考えるように眉をゆがめてから、再び口を開いた。
「人の役に立つとか立たないとか、そんなことはどうでもいい! けど、おまえが役に立ちたいなら教えとく」
「え……?」
類は何を言われるのかと身構える。
「おまえのキモチイイここが、今、めちゃくちゃ俺の役に立ってる」
「ひあんっ!」
いいところを突き上げられた。
「それから、おまえが会社にいると思ったら、俺は出社するのが楽しみだし。話せたら嬉しいし。つまりおまえは、俺が機嫌良く仕事するのの役に立ってる」
「……それ、本気で言ってる?」
顔を見ようとすると、今度はすかさず耳たぶを甘噛みされる。
「痛たたたたっ! とらさん、歯、とがってるんだからっ、痛い!」
「これは照れ隠しだ、わかれ」
またうつぶせにされ、後ろを犯しながらたくさん甘噛みされた。
そのうち噛まれるのもゾクゾクして気持ちよくなる。
「ぁあん! とらさん、はげしい」
「そういう類こそ、さっきからすげー腰動いてる」
振り向くと、汗に濡れた色っぽい部長に微笑まれて……。
(ようやく顔、見られた……)
多幸感から、類は思わず失神しそうになってしまった。
こんなに幸せでいいんだっけ? ぼくはまだ、何もできていないのに……。
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