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最終章 罪と愛
第17話
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「キミはバルトロメオを捨てて僕のものになる。僕は恩師を捨ててこの件から手を引くよ」
「でも……それであなたに、どんなメリットがあるんですか?」
「メリット? さあ? あいつの傷付いた顔が見られるだけ」
彼は肩を震わせて笑う。
「でも最高だと思わない? 僕は会うたびあいつの耳元で、ユァンとの夜は最高だってささやいてやるんだ。あいつ、どんな顔をするんだろうな? 悔しがるのか怒るのか。平気な顔をしてみせたって、絶対に心穏やかじゃいられないよ。キミとの夜を思い出し、独り寝をするあいつもいいな。キミのことを想う時は、嫌でも僕のことまで思い出すんだよ。複雑だろうね、ククッ、ホントたまんない!」
ヒエロニムスの肩は震え続ける。
大切な人を笑われている、そんな状況に、ユァンは腹の底にふつふつと怒りが湧いてくるのを感じた。
「あなたに僕を抱く勇気なんかないくせに……」
言い返すとヒエロニムスは、いきなりユァンののどをつかんでくる。
「僕に何もできないと思ってるのか! お前を毎晩裸にして、鞭で打ってもっとってせがむ体にしてやってもいいんだよ?」
二人のそばにいた雌の子山羊が、震えた声で鳴きながら逃げていった。
のどをつかんでいた手が、つうっと下へ滑っていく。
「もちろん大人しく従うなら、わざわざそんなことはしないよ。僕もキミには興味があるし、仲良くやっていきたいと思ってる」
酷いことを言うわりに、この人の瞳はいつも寂しそうだ。
ユァンは胸の痛みを感じながら、次の言葉を口にした。
「それでも僕はあなたを愛せないし、あの人を愛さずにはいられない……」
「だったら動画はどうする?」
「えっ……?」
ヒエロニムスの眉間に皺が寄った。
「分かってないみたいだからはっきり言う! キミの選択肢はふたつしかない。あいつと心中するか、あいつを捨てて僕のものになるかだ」
冷ややかな瞳に見つめられ、ユァンの呼吸は浅くなる。
「さあ、どっちにする?」
「……っ……」
「キミはあいつを見殺しにできないだろう。あいつのために罰を受けようって、さっきそう言ったばかりだもんね。だったら考える余地はないと思うけど」
また彼の手がのどを撫で、ユァンの修道服のボタンにかかった。
「脱いでごらん?」
「……!?」
「僕のものになるなら裸になってみせて」
ユァンの視線もゆっくりと下がっていく。
思わずボタンを押さえたけれど、その手は小刻みに震えていた。
「あいつの前では自分から脱ぐの?それとも裸にされてる? ……どっちもありそうだな。キミってばとっても大胆だから」
ヒエロニムスの口角が持ち上がった。
「あいつに抱かれているキミを見た時、僕はすごく興奮したよ。今も同じくらい興奮してる。キミはとても美味しそう。でも今は震えているね」
ボタンを押さえている手の甲をなで、彼はユァンの頬にキスをする。
「覚悟ができたら僕の部屋へおいで。どうせ結論は決まってるんだ、楽しみに待つことにする」
もう片方の頬にも丁寧にキスを落とし、ヒエロニムスは静かに去っていった。
「でも……それであなたに、どんなメリットがあるんですか?」
「メリット? さあ? あいつの傷付いた顔が見られるだけ」
彼は肩を震わせて笑う。
「でも最高だと思わない? 僕は会うたびあいつの耳元で、ユァンとの夜は最高だってささやいてやるんだ。あいつ、どんな顔をするんだろうな? 悔しがるのか怒るのか。平気な顔をしてみせたって、絶対に心穏やかじゃいられないよ。キミとの夜を思い出し、独り寝をするあいつもいいな。キミのことを想う時は、嫌でも僕のことまで思い出すんだよ。複雑だろうね、ククッ、ホントたまんない!」
ヒエロニムスの肩は震え続ける。
大切な人を笑われている、そんな状況に、ユァンは腹の底にふつふつと怒りが湧いてくるのを感じた。
「あなたに僕を抱く勇気なんかないくせに……」
言い返すとヒエロニムスは、いきなりユァンののどをつかんでくる。
「僕に何もできないと思ってるのか! お前を毎晩裸にして、鞭で打ってもっとってせがむ体にしてやってもいいんだよ?」
二人のそばにいた雌の子山羊が、震えた声で鳴きながら逃げていった。
のどをつかんでいた手が、つうっと下へ滑っていく。
「もちろん大人しく従うなら、わざわざそんなことはしないよ。僕もキミには興味があるし、仲良くやっていきたいと思ってる」
酷いことを言うわりに、この人の瞳はいつも寂しそうだ。
ユァンは胸の痛みを感じながら、次の言葉を口にした。
「それでも僕はあなたを愛せないし、あの人を愛さずにはいられない……」
「だったら動画はどうする?」
「えっ……?」
ヒエロニムスの眉間に皺が寄った。
「分かってないみたいだからはっきり言う! キミの選択肢はふたつしかない。あいつと心中するか、あいつを捨てて僕のものになるかだ」
冷ややかな瞳に見つめられ、ユァンの呼吸は浅くなる。
「さあ、どっちにする?」
「……っ……」
「キミはあいつを見殺しにできないだろう。あいつのために罰を受けようって、さっきそう言ったばかりだもんね。だったら考える余地はないと思うけど」
また彼の手がのどを撫で、ユァンの修道服のボタンにかかった。
「脱いでごらん?」
「……!?」
「僕のものになるなら裸になってみせて」
ユァンの視線もゆっくりと下がっていく。
思わずボタンを押さえたけれど、その手は小刻みに震えていた。
「あいつの前では自分から脱ぐの?それとも裸にされてる? ……どっちもありそうだな。キミってばとっても大胆だから」
ヒエロニムスの口角が持ち上がった。
「あいつに抱かれているキミを見た時、僕はすごく興奮したよ。今も同じくらい興奮してる。キミはとても美味しそう。でも今は震えているね」
ボタンを押さえている手の甲をなで、彼はユァンの頬にキスをする。
「覚悟ができたら僕の部屋へおいで。どうせ結論は決まってるんだ、楽しみに待つことにする」
もう片方の頬にも丁寧にキスを落とし、ヒエロニムスは静かに去っていった。
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