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オーレント王国 決断の街イエリ―
夜の報告会
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時を同じくして、休憩室前で分かれたリリナは隊長室でヴォルクへ今日の報告をしていた。隊長室には、ギルドマスターであるエリガンもおり、明日に備え会議を行っていた。
「それであの3人はどうだった?」
「1日共に過ごしましたが、特に怪しい点は見つかりませんでした。少なくとも、この街に対しての悪意は無いと思います」
「そうか・・・・」
リリナが3人と共に1日過ごしたのは、3人が不自由なく生活できるようにサポートする役目もあるが3人がどういう人間なのか見極めるため、監視するためという役目があった。衛兵隊に対してどういう反応をするのか、拘束された状態で逃げようとするのかなどを見極め、3人が本当に信用できるかどうかを判断していたがリリナの所見では害意や悪意はないとの判断であった。ヴァルクは、リリナを信頼してその任務を任せたが報告を聞き安心した。エリガンはその報告を聞き考える素振りを見せ、
「冒険者としての能力はどうだ?」
「冒険者登録をしているシオンさんはその等級に相応しい知識量と観察力ですね。自分達が置かれている状況をしっかりと把握していますし、魔物や魔法、薬に関しての知識も十分です。魔女と名乗っていましたが、それに偽りは無いと判断します」
「ふむ・・・・同行者の2人は?」
「ラドさんですが、計算や文字の読み書きは出来ますが戦う力は街人と同じぐらいですね。魔法が使えないと言ってましたが隠している可能性が有るため判断できません。ですが、体付き歩き方から見て戦闘経験を積んではいないと思います。シオン山を信頼している様子で、ラド君を大切にしているのが伺えます」
ヴァルクはその報告を聞き、昨夜シオンから聞かされた事情を思い出しながら
「シオン君に助けられたというのは間違ってはなさそうだな。グレス君はどうだ?」
「少し難しいですね・・・・」
「というのは?」
1日グレスと共に過ごしたシオンだがグレスの心情や行動を掴みきれていなかった。素直で物怖じをしないのは分かったが、それが性格なのかと聞かれると怪しい。無機物のように表情が変わらず喜怒哀楽が無い。何か行動したとしても、それは人を真似ていることが多い。自分から行動という部分を見れていないので人柄を判断するのは難しいのだ。
「なんて言うんでしょうか・・・・掴みどころが無いんです。喜怒哀楽が無いというか、表情が変わらないので何を考えているのか分からないのです。話した感じ素直でいい子だとは思うのですが、話通り記憶を失ってるのは確かだと思います」
「戦えるのかい?」
エリガンはグレスが戦えるかどうかという疑問を尋ねると、シオンは難しい顔をして
「鍛えてある体と話から聞いていた通り体力は有りますが、それで戦えるかどうかと聞かれると難しいですね。自我が薄いというか、自ら行動するというのが少ないのであの子が戦う姿を想像が出来ませんね」
「魔法は?」
「村で育ったため魔力の判定をしていないので分かりません。まだ10歳前後の子どもにしては体力があるという事なので魔力を多く持っているかもしれないです」
「ふむ・・・・戦力に加えることは出来ないか」
「子供を戦いに加えるのは好かない」
エリガンは戦えるのであれば戦力として加えたいと思っていたため、少し落胆した様子。その様子を見てヴァルクは顔をしかめ威圧感を出すが慣れたようにエリガンは
「俺も好かないが危機的状況になったら仕方がない」
「・・・・」
「そう睨まないでくれ、どうなるかは明日になってみないと分からないんだから」
「・・・・そうだな。冒険者組合の方はどうなっている」
「準備は万端、冒険者たちには緊急の依頼が発生する可能性が有るため準備をしてれと通達してある。ギルドにある備蓄も籠城戦になったとしても1週間は耐えられる。高位等級の者達には事実を伝え何時でも動けるようにしてあるから、明日冒険者が帰ってこなければもう一度調査隊を送る」
冒険者組合も魔物の蹂躙対しての準備を進めていき、対策を練っているが明日の報告が来ない限り具体的な対策が難しい為柔軟に対応できるよう準備をしている。
「それであの3人はどうだった?」
「1日共に過ごしましたが、特に怪しい点は見つかりませんでした。少なくとも、この街に対しての悪意は無いと思います」
「そうか・・・・」
リリナが3人と共に1日過ごしたのは、3人が不自由なく生活できるようにサポートする役目もあるが3人がどういう人間なのか見極めるため、監視するためという役目があった。衛兵隊に対してどういう反応をするのか、拘束された状態で逃げようとするのかなどを見極め、3人が本当に信用できるかどうかを判断していたがリリナの所見では害意や悪意はないとの判断であった。ヴァルクは、リリナを信頼してその任務を任せたが報告を聞き安心した。エリガンはその報告を聞き考える素振りを見せ、
「冒険者としての能力はどうだ?」
「冒険者登録をしているシオンさんはその等級に相応しい知識量と観察力ですね。自分達が置かれている状況をしっかりと把握していますし、魔物や魔法、薬に関しての知識も十分です。魔女と名乗っていましたが、それに偽りは無いと判断します」
「ふむ・・・・同行者の2人は?」
「ラドさんですが、計算や文字の読み書きは出来ますが戦う力は街人と同じぐらいですね。魔法が使えないと言ってましたが隠している可能性が有るため判断できません。ですが、体付き歩き方から見て戦闘経験を積んではいないと思います。シオン山を信頼している様子で、ラド君を大切にしているのが伺えます」
ヴァルクはその報告を聞き、昨夜シオンから聞かされた事情を思い出しながら
「シオン君に助けられたというのは間違ってはなさそうだな。グレス君はどうだ?」
「少し難しいですね・・・・」
「というのは?」
1日グレスと共に過ごしたシオンだがグレスの心情や行動を掴みきれていなかった。素直で物怖じをしないのは分かったが、それが性格なのかと聞かれると怪しい。無機物のように表情が変わらず喜怒哀楽が無い。何か行動したとしても、それは人を真似ていることが多い。自分から行動という部分を見れていないので人柄を判断するのは難しいのだ。
「なんて言うんでしょうか・・・・掴みどころが無いんです。喜怒哀楽が無いというか、表情が変わらないので何を考えているのか分からないのです。話した感じ素直でいい子だとは思うのですが、話通り記憶を失ってるのは確かだと思います」
「戦えるのかい?」
エリガンはグレスが戦えるかどうかという疑問を尋ねると、シオンは難しい顔をして
「鍛えてある体と話から聞いていた通り体力は有りますが、それで戦えるかどうかと聞かれると難しいですね。自我が薄いというか、自ら行動するというのが少ないのであの子が戦う姿を想像が出来ませんね」
「魔法は?」
「村で育ったため魔力の判定をしていないので分かりません。まだ10歳前後の子どもにしては体力があるという事なので魔力を多く持っているかもしれないです」
「ふむ・・・・戦力に加えることは出来ないか」
「子供を戦いに加えるのは好かない」
エリガンは戦えるのであれば戦力として加えたいと思っていたため、少し落胆した様子。その様子を見てヴァルクは顔をしかめ威圧感を出すが慣れたようにエリガンは
「俺も好かないが危機的状況になったら仕方がない」
「・・・・」
「そう睨まないでくれ、どうなるかは明日になってみないと分からないんだから」
「・・・・そうだな。冒険者組合の方はどうなっている」
「準備は万端、冒険者たちには緊急の依頼が発生する可能性が有るため準備をしてれと通達してある。ギルドにある備蓄も籠城戦になったとしても1週間は耐えられる。高位等級の者達には事実を伝え何時でも動けるようにしてあるから、明日冒険者が帰ってこなければもう一度調査隊を送る」
冒険者組合も魔物の蹂躙対しての準備を進めていき、対策を練っているが明日の報告が来ない限り具体的な対策が難しい為柔軟に対応できるよう準備をしている。
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