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オーレント王国 決断の街イエリ―
湯屋2
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詰所を出て7分程度歩いたところに、立派な建物の湯屋が在った。夕方だからか、湯屋に入っていく人の姿をちらほらと見かけ、子供連れや、仕事終わりだと思われる服装、衛兵の姿もあった。シオンは立派な湯屋を眺めながら、
「立派な湯屋ね~小さな湯屋かと思ってたけれどこんなに大きいなんて」
「この街に一つしかないですからね~本当は湯を当てた時は、小規模な湯屋になる予定だったんですけど1つしかないなら、需要は高い!大きくしようって領主様が推したのでこの大きさになりました」
「まあ、湯屋は有った方が有難いけど、それで決める経営者も凄いな」
「領主様は商人だったこともあるので、その言葉を新た結果ですね。実際人気な湯屋ですし」
湯屋からは賑やかな声が聞こえ、白い煙が立ち上っている。外観は石で作られているが、明るい色の石を使っているため威圧感は無く、柔らかい印象を人々に与えている。4人は湯屋の中に入ると、大広間となっており風呂から出終えた人などがテーブルに座って談笑していたり、水を飲んでいたりしていた。部屋の中央奥には、カウンターが有り、あそこで金を払うようだ。
「中も広いのね」
「中は暑いのかと思ったがそうでもないな」
「風通しが良いのでここは、まだ暖かくはな無いですね。脱衣所に行けば、暖かくなりますよ」
リリナは3人をカウンターまで案内すると、
「子供1人と大人3人で」
「銀貨3枚と銅貨5枚です」
シオンとラドがお金を出そうとしたが、リリナはそれを手で止めると全員分の請求を1人で払ってしまい店員から4人分のカギを受け取りカウンターから離れた。離れていくリリナに、シオンとラドは急いで近づくと
「え?待って!自分とグレスの分は払うわ」
「俺も金はある程度持っているから自分で払えるから大丈夫だぞ」
「いえいえ、これは衛兵隊からお客様に対してのおもてなしなので大丈夫ですよ」
「だけど、こんな事まで払ってもうなんて」
「大丈夫です。私のお金じゃなくて、経費で落としていますので」
「けど・・・・」
自分の分は自分で払うとリリナに抗議したシオンとラドだが、衛兵隊からのおもてなしだと言われそこまで拒否するのも失礼だと思ったが大人としてのプライドが邪魔をする。そんな様子を見てリリナは、
「明日には冒険者たちも帰ってくると思われますし、今日だけ楽しく行きましょう」
冒険者たちが帰ってくればこの様に、悠長に湯屋に入る時間もなくなってしまうだろう。恐らくだが、シオンの話を聞く限り良い報告を聞くことは無いだろうと、判断したリリナは明日から頑張るためだという事でhなしを通そうとするとそれを理解しているシオンは
「そうね・・・・有難く入らせてもらうわ」
「シオンが言うなら」
2人が頷いたのを見るとリリナは笑顔で頷き、3人にカギを渡していった。
「はい、これがロッカーの鍵です。この鍵と同じマークのロッカーを利用してくださいね。変な行動すると、ロッカーに居る警備員に捕まっちゃいますから注意してくださいね。グレス君の鍵はラドさんに渡しておきますね。それと、グレス君の服です」
「分かった。ありがとう」
「男性は青女性は赤の布が掛かっているので間違わないように、それじゃあ入りましょう。半刻程したら私は出ますが、長い時間入ってても大丈夫ですからね」
「了解だ」
グレスはラドと一緒に、シオンはリリナと一緒に脱衣室へ向かっていった。
「立派な湯屋ね~小さな湯屋かと思ってたけれどこんなに大きいなんて」
「この街に一つしかないですからね~本当は湯を当てた時は、小規模な湯屋になる予定だったんですけど1つしかないなら、需要は高い!大きくしようって領主様が推したのでこの大きさになりました」
「まあ、湯屋は有った方が有難いけど、それで決める経営者も凄いな」
「領主様は商人だったこともあるので、その言葉を新た結果ですね。実際人気な湯屋ですし」
湯屋からは賑やかな声が聞こえ、白い煙が立ち上っている。外観は石で作られているが、明るい色の石を使っているため威圧感は無く、柔らかい印象を人々に与えている。4人は湯屋の中に入ると、大広間となっており風呂から出終えた人などがテーブルに座って談笑していたり、水を飲んでいたりしていた。部屋の中央奥には、カウンターが有り、あそこで金を払うようだ。
「中も広いのね」
「中は暑いのかと思ったがそうでもないな」
「風通しが良いのでここは、まだ暖かくはな無いですね。脱衣所に行けば、暖かくなりますよ」
リリナは3人をカウンターまで案内すると、
「子供1人と大人3人で」
「銀貨3枚と銅貨5枚です」
シオンとラドがお金を出そうとしたが、リリナはそれを手で止めると全員分の請求を1人で払ってしまい店員から4人分のカギを受け取りカウンターから離れた。離れていくリリナに、シオンとラドは急いで近づくと
「え?待って!自分とグレスの分は払うわ」
「俺も金はある程度持っているから自分で払えるから大丈夫だぞ」
「いえいえ、これは衛兵隊からお客様に対してのおもてなしなので大丈夫ですよ」
「だけど、こんな事まで払ってもうなんて」
「大丈夫です。私のお金じゃなくて、経費で落としていますので」
「けど・・・・」
自分の分は自分で払うとリリナに抗議したシオンとラドだが、衛兵隊からのおもてなしだと言われそこまで拒否するのも失礼だと思ったが大人としてのプライドが邪魔をする。そんな様子を見てリリナは、
「明日には冒険者たちも帰ってくると思われますし、今日だけ楽しく行きましょう」
冒険者たちが帰ってくればこの様に、悠長に湯屋に入る時間もなくなってしまうだろう。恐らくだが、シオンの話を聞く限り良い報告を聞くことは無いだろうと、判断したリリナは明日から頑張るためだという事でhなしを通そうとするとそれを理解しているシオンは
「そうね・・・・有難く入らせてもらうわ」
「シオンが言うなら」
2人が頷いたのを見るとリリナは笑顔で頷き、3人にカギを渡していった。
「はい、これがロッカーの鍵です。この鍵と同じマークのロッカーを利用してくださいね。変な行動すると、ロッカーに居る警備員に捕まっちゃいますから注意してくださいね。グレス君の鍵はラドさんに渡しておきますね。それと、グレス君の服です」
「分かった。ありがとう」
「男性は青女性は赤の布が掛かっているので間違わないように、それじゃあ入りましょう。半刻程したら私は出ますが、長い時間入ってても大丈夫ですからね」
「了解だ」
グレスはラドと一緒に、シオンはリリナと一緒に脱衣室へ向かっていった。
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