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ガーディアンツリー
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ペシェさんの案内で町の中央に向かって歩いて行くと、俺くらいの子供達が沢山の土が入った箱を運んでいて子供達もしっかりと働いているんだな~いや、子供が持つにはそれは重すぎないか?身体強化を使えば俺でも持ち上げられるだろうけど、そういえばペシェさんも重い荷物を軽々運んでたし、種族的に力が強いのかな。
「ペシェさん達って力が強いんですか?」
「え、あぁあれですね」
突然の質問に首を傾げていたが俺の視線の先を見て理解したのか笑った。
「全員が力強い訳じゃ無いんですよ。華やかな花や小さな花から生まれた植人は、見た目通り力が弱いのですが、私のように木から生まれた植人総じて力が強いんです」
「同じ植人でも違うんですね」
「はい、獣人のようなものだと考えて頂くと分かりやすいと思いますよ」
「確かに、獣人も種族によってかなり特徴が違いますもんね」
なるほど、植人は色々な植物から生まれているから植物によって特徴が違うのか。人間は大体みんな同じようなものだけど、話に出た獣人は虎だったり熊だったりリスだったりと幅が広く種族によって力の強さはかなり変わる。それと同じよう感じなんだろうな。
「ちなみにですが、あの人達は私より年上ですよ」
「え」
「あの方達はダンシングツリーのドライアドなので背が低く子供の様に見えてしまいますけどね」
「ダンシングツリーなのか・・・・」
ダンシングツリーと言うのは、最大でもブレストくらいの大きさにしか育たない丸い葉っぱと色とりどりの丸い花を咲かせる木で、花を咲かせたときに花粉を飛ばすために幹をくねくねと動かし、頭を振るように動くのでその見た目からダンシングツリーと呼ばれている。花は夜になると仄かな光を発するので、遠くから見た人には妖精たちが遊んでいるように見えたり、ゴーストが集まっているとか色々な面白い話が有ったりする木でもある。
「本当に種類豊富なんだな」
「えぇ、沢山の植物からなってますから、是非当ててみてください。知識が試されますし結構楽しいですよ」
む、そう言われたら挑戦してみようかな。あそこで水を汲んでいるウッドマンは銀色に輝く肌と灰色の木目それに青い葉を生やしていると言う事はシルバーツリーだな。二人で話し込んでいる女性は頭に大きなサンフラワーが付いているから分かりやすいな。木のベンチに座っているダルそうにしている女性は・・・・花も付いていないし、肌が木目じゃないけど服が蔦で出来ているな。あのギザギザとした形は・・・・パラライズイビィか!
確かにこれは結構楽しいな。自分の知識と目に見える姿が結び付いて正体が分かると隠されたものを見つけた気分になるな。植人の中には完全に人型を取っていて、人間のような肌をしているドライアドに木目の肌をしているウッドマン、木に顔が付いているワイズトレントなど種類豊富で見た目も違うから推測のしがいもあるな。町の新たな楽しみ方をしながら進み、俺達は町の中央にあるガーディアンツリーの元まで辿り着くことが出来た。
ガーディアンツリーは遠目から見ても大きいの感じていたが、近くで見ると巨大さを実感するな。幹は小さな村なら入ってしまうほど大きくぐるりと一周をするなら、時間が掛かってしまう程だ。枝が巨木のように力強く町を覆うかのように伸び、葉は日陰を作っているが町を隠すほどでは無い。表面は凸凹としており年月を感じ所々に苔が生えていて命を生み出す場にもなっている。根元には沢山の花々が咲き誇り、隆起した根は俺やブレストより太く生命力を感じるな。
すげぇ・・・・近くに居るだけで圧倒される。自然そのものが木になったみたいだな。
ガーディアンツリーは植人の国フォレシアの町に必ず生えている魔法植物で、大量に魔力を持ち根を張った場所に結界を張るという特殊な力を持っている。その能力を活かして植人達は町を作り上げ、魔物から襲われない安全な町を作り上げたのだ。言わば町を守る砦であり防壁なのだ。それがこんなに綺麗だとはな・・・・
初めて見る雄大で強い生命力を感じるガーディアンツリーに暫くの間二人して口を開いて見惚れてしまった。こんな大きな木一体どうやったら育つんだ?あり得ないだろこの大きさは。
「凄いな・・・・・」
「でけぇ・・・・・」
「ふふ、喜んで頂けたようで何よりです」
あまりの凄さに言葉を失う俺達にペシェさんは笑うと俺達と一緒に空を見上げ、日が昇り葉の隙間から降り注ぐ陽の光を気持ちよさそうに浴びるとぐーんと背伸びをした。
「良い天気ですね」
「あぁ」
「陽射しに照らされた葉がキラキラ光って綺麗だな~」
陽の光を受けて輝く若葉色の葉は宝石のよう艶やかに輝いていて、年代を感じさせる幹は全く違う若々しさを放っている。このままこの景色を眺めながら昼寝をしたいぐらいには素敵な場所だな。
「褒めてくれてありがとう」
「!?」
「あ、ガーディアン様」
幻想的だが自然に満ち溢れて力と安らぎを貰える光景に見惚れていると、後ろから鈴のような可愛らしい声が聞こえて後ろを振り返ると、草冠を被り枝と若葉色の葉っぱによって編まれたワンピースを着ている女の子が居た。
「いつの間に・・・・」
「こりゃ・・・・なるほどな~」
いくら見惚れてたとして周囲の警戒は怠って無いぞ。そりゃ戦闘中ほど気を使っては無いけど、こんな膨大な魔力を宿して強大な存在を見逃す訳が無い。女の子の姿をしているけど、魔力の多さで言えばフォルネーラさんより多いぞ。気配はまるで森を見ているかのように生命力に溢れており、ライフさんのような深さでは無く包み込んでくるような雄大さだ。一目見て勝つことが不可能だと悟る程の存在に気付かない訳が無いのに・・・・いつの間に背後に居たんだ。しかも、ガーディアン様?
「ガーディアン様ってどういうことですかペシェさん」
「そのままの意味ですよ。この方はこの町を守るガーディアンツリー様です」
「??」
「クロガネ、この国は何の国だ?」
「植人の・・・・まさか」
「貴方達の事はこの町に入っていからずっと見ていたから初めましてと言う気分じゃ無いけど、初めまして私はガーディアンツリーのドライアドであるスターリアです」
ブレストがヒントを出してくれたおかげで察することが出来たが、目の前の女の子は聖母のような笑みを浮かべながら自己紹介をしてくれた。まさかガーディアンツリーのドライアドが居るとは・・・・いや、ちょっと待ってくれ。ドライアドは植物の姿と人型の姿のどちらかになれる事は知ってるが、目の前にはガーディアンツリーが変わらず立っているんだが?それにスターリアってこの町の名前じゃないか?
「んふふ、どうして人型があるのに木が立っているんだって顔をしていますね」
目の前の人型と聳え立つガーディアンツリーを交互に見て困惑しているのが分かったのか穏やかに笑うとスターリア様は右手を上げると
「この姿は体の一部を人型にして動かしているだけで、本体は後ろに生えている木なんですよ。分かりやすく言うのであれば、私の分身体のようなものですね。なので、私は他のガーディアンツリーのドライアドでは無く正真正銘この町のガーディアンツリーですよ」
そう言いながら右手を葉っぱの形に戻しまた人型に戻って見せた。つまり、木が本体で体の一部を人型にして操っているという訳か。納得は出来たけど、そんなことが出来たのか。
「私は出来ませんよ。ガーディアン様だけが行える特殊な技なんです」
「私はこの町に根を張り、結界で包み込んでいますからこの町は私の体内と言っても過言では無い程ですからある程度自由が利くのですよ」
「それで、町の中はガーディアン様が見ているから安全と言ってたんですね」
「はい、見守って頂いてますから」
ブレストの言うようにだから町の住民が町の中の事はガーディアン様が居るから大丈夫だと安心しきっているんだな。この町の地中には太く逞しい根っこが町の至る所に延び外周は根によって防壁が作られ町全体を結界で覆い尽くしているということは、完全にスターリアさんの手中という訳だ。体内に等しい町で起こった事は全てスターリアさんが把握し、悪事をすれば簡単にバレてしまう。俺が全力を出したとしても、その監視から逃れられるかは微妙と言った所だろ。
「魔物達が攻め込んできたとしても、外は強力な結界で中に入ったらスターリア様の手中に入ってしまうようなもんだもんな・・・・うん、この町が長い間守られてきた理由が分かるな」
結界と言うのはものによっては張った人物が結界の中のモノに様々な干渉を行うことが出来る。この結界もそういう類のものだろうし、こんな格上の結界の中に入った時点で負けが確定するもんな~
「ペシェさん達って力が強いんですか?」
「え、あぁあれですね」
突然の質問に首を傾げていたが俺の視線の先を見て理解したのか笑った。
「全員が力強い訳じゃ無いんですよ。華やかな花や小さな花から生まれた植人は、見た目通り力が弱いのですが、私のように木から生まれた植人総じて力が強いんです」
「同じ植人でも違うんですね」
「はい、獣人のようなものだと考えて頂くと分かりやすいと思いますよ」
「確かに、獣人も種族によってかなり特徴が違いますもんね」
なるほど、植人は色々な植物から生まれているから植物によって特徴が違うのか。人間は大体みんな同じようなものだけど、話に出た獣人は虎だったり熊だったりリスだったりと幅が広く種族によって力の強さはかなり変わる。それと同じよう感じなんだろうな。
「ちなみにですが、あの人達は私より年上ですよ」
「え」
「あの方達はダンシングツリーのドライアドなので背が低く子供の様に見えてしまいますけどね」
「ダンシングツリーなのか・・・・」
ダンシングツリーと言うのは、最大でもブレストくらいの大きさにしか育たない丸い葉っぱと色とりどりの丸い花を咲かせる木で、花を咲かせたときに花粉を飛ばすために幹をくねくねと動かし、頭を振るように動くのでその見た目からダンシングツリーと呼ばれている。花は夜になると仄かな光を発するので、遠くから見た人には妖精たちが遊んでいるように見えたり、ゴーストが集まっているとか色々な面白い話が有ったりする木でもある。
「本当に種類豊富なんだな」
「えぇ、沢山の植物からなってますから、是非当ててみてください。知識が試されますし結構楽しいですよ」
む、そう言われたら挑戦してみようかな。あそこで水を汲んでいるウッドマンは銀色に輝く肌と灰色の木目それに青い葉を生やしていると言う事はシルバーツリーだな。二人で話し込んでいる女性は頭に大きなサンフラワーが付いているから分かりやすいな。木のベンチに座っているダルそうにしている女性は・・・・花も付いていないし、肌が木目じゃないけど服が蔦で出来ているな。あのギザギザとした形は・・・・パラライズイビィか!
確かにこれは結構楽しいな。自分の知識と目に見える姿が結び付いて正体が分かると隠されたものを見つけた気分になるな。植人の中には完全に人型を取っていて、人間のような肌をしているドライアドに木目の肌をしているウッドマン、木に顔が付いているワイズトレントなど種類豊富で見た目も違うから推測のしがいもあるな。町の新たな楽しみ方をしながら進み、俺達は町の中央にあるガーディアンツリーの元まで辿り着くことが出来た。
ガーディアンツリーは遠目から見ても大きいの感じていたが、近くで見ると巨大さを実感するな。幹は小さな村なら入ってしまうほど大きくぐるりと一周をするなら、時間が掛かってしまう程だ。枝が巨木のように力強く町を覆うかのように伸び、葉は日陰を作っているが町を隠すほどでは無い。表面は凸凹としており年月を感じ所々に苔が生えていて命を生み出す場にもなっている。根元には沢山の花々が咲き誇り、隆起した根は俺やブレストより太く生命力を感じるな。
すげぇ・・・・近くに居るだけで圧倒される。自然そのものが木になったみたいだな。
ガーディアンツリーは植人の国フォレシアの町に必ず生えている魔法植物で、大量に魔力を持ち根を張った場所に結界を張るという特殊な力を持っている。その能力を活かして植人達は町を作り上げ、魔物から襲われない安全な町を作り上げたのだ。言わば町を守る砦であり防壁なのだ。それがこんなに綺麗だとはな・・・・
初めて見る雄大で強い生命力を感じるガーディアンツリーに暫くの間二人して口を開いて見惚れてしまった。こんな大きな木一体どうやったら育つんだ?あり得ないだろこの大きさは。
「凄いな・・・・・」
「でけぇ・・・・・」
「ふふ、喜んで頂けたようで何よりです」
あまりの凄さに言葉を失う俺達にペシェさんは笑うと俺達と一緒に空を見上げ、日が昇り葉の隙間から降り注ぐ陽の光を気持ちよさそうに浴びるとぐーんと背伸びをした。
「良い天気ですね」
「あぁ」
「陽射しに照らされた葉がキラキラ光って綺麗だな~」
陽の光を受けて輝く若葉色の葉は宝石のよう艶やかに輝いていて、年代を感じさせる幹は全く違う若々しさを放っている。このままこの景色を眺めながら昼寝をしたいぐらいには素敵な場所だな。
「褒めてくれてありがとう」
「!?」
「あ、ガーディアン様」
幻想的だが自然に満ち溢れて力と安らぎを貰える光景に見惚れていると、後ろから鈴のような可愛らしい声が聞こえて後ろを振り返ると、草冠を被り枝と若葉色の葉っぱによって編まれたワンピースを着ている女の子が居た。
「いつの間に・・・・」
「こりゃ・・・・なるほどな~」
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「ガーディアン様ってどういうことですかペシェさん」
「そのままの意味ですよ。この方はこの町を守るガーディアンツリー様です」
「??」
「クロガネ、この国は何の国だ?」
「植人の・・・・まさか」
「貴方達の事はこの町に入っていからずっと見ていたから初めましてと言う気分じゃ無いけど、初めまして私はガーディアンツリーのドライアドであるスターリアです」
ブレストがヒントを出してくれたおかげで察することが出来たが、目の前の女の子は聖母のような笑みを浮かべながら自己紹介をしてくれた。まさかガーディアンツリーのドライアドが居るとは・・・・いや、ちょっと待ってくれ。ドライアドは植物の姿と人型の姿のどちらかになれる事は知ってるが、目の前にはガーディアンツリーが変わらず立っているんだが?それにスターリアってこの町の名前じゃないか?
「んふふ、どうして人型があるのに木が立っているんだって顔をしていますね」
目の前の人型と聳え立つガーディアンツリーを交互に見て困惑しているのが分かったのか穏やかに笑うとスターリア様は右手を上げると
「この姿は体の一部を人型にして動かしているだけで、本体は後ろに生えている木なんですよ。分かりやすく言うのであれば、私の分身体のようなものですね。なので、私は他のガーディアンツリーのドライアドでは無く正真正銘この町のガーディアンツリーですよ」
そう言いながら右手を葉っぱの形に戻しまた人型に戻って見せた。つまり、木が本体で体の一部を人型にして操っているという訳か。納得は出来たけど、そんなことが出来たのか。
「私は出来ませんよ。ガーディアン様だけが行える特殊な技なんです」
「私はこの町に根を張り、結界で包み込んでいますからこの町は私の体内と言っても過言では無い程ですからある程度自由が利くのですよ」
「それで、町の中はガーディアン様が見ているから安全と言ってたんですね」
「はい、見守って頂いてますから」
ブレストの言うようにだから町の住民が町の中の事はガーディアン様が居るから大丈夫だと安心しきっているんだな。この町の地中には太く逞しい根っこが町の至る所に延び外周は根によって防壁が作られ町全体を結界で覆い尽くしているということは、完全にスターリアさんの手中という訳だ。体内に等しい町で起こった事は全てスターリアさんが把握し、悪事をすれば簡単にバレてしまう。俺が全力を出したとしても、その監視から逃れられるかは微妙と言った所だろ。
「魔物達が攻め込んできたとしても、外は強力な結界で中に入ったらスターリア様の手中に入ってしまうようなもんだもんな・・・・うん、この町が長い間守られてきた理由が分かるな」
結界と言うのはものによっては張った人物が結界の中のモノに様々な干渉を行うことが出来る。この結界もそういう類のものだろうし、こんな格上の結界の中に入った時点で負けが確定するもんな~
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