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パーティー開催
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風呂から出て着替えた後扉から外に出ると、ブレストは振り返り扉を触り魔力を籠める。すると、扉から浮き出るように風呂の壁に大きく描かれていた山の絵と同じ絵が描かれた四角い箱のようなものが出てきた。
「それがあの魔道具みたいなもの?」
「そうだぜ」
「そんな手に乗るサイズであの効果と大きさかよ・・・・」
どうやらあの魔道具は扉に溶け込む形で発動させるみたいだけど、どうせ他にも使い方がありそうだな。例えば地面に投げるとその空間に入れる部屋が現れるとか
「ちなみにこれ地面に置くと、あの銭湯が外に出てくるぞ」
「予想の斜め上だった~」
「ん?」
「いや、こっちに話だから気にしないで」
まさかあの空間が外に出てくるとは思わないじゃ無いか。てか、そんな小さな物に詰め込み過ぎだろ・・・・はぁ、なんか魔道具のようなものの説明を聞くたびに疲れる気がする・・・・
「??」
「そういえば、メイド達から俺達が使った石鹸の匂いがしたけどメイドさんにも使わせてあげたの?」
「おう、シュナイザー様とリリー夫人から部屋を借りる代わりに使用人全員が使えるよう朝から貸し出してたんだ」
「なるほど~でも、花の匂いは何処から来たんだろ」
メイド達の肌や髪が艶やかだった理由が分かったけど、石鹸の匂いは良いとしてあんな柔らかいけどしっかりとした花の匂いは香水だったのか?
「あぁそれは俺が出した花の所為だな」
「花?」
「生きている花で体に触れたり水の中に入れても大丈夫な花を浄化して、俺達が入ったあの大きな風呂の中に浮かべさせたんだよ。そうすると花の匂いが香るようになるし見た目も可愛らしくなるから結構好評だったぞ」
「へ~俺達が入った時にはそんなの一つも無かったけど」
へ~花を風呂に浮かばせては居るって方法があるのか。確かにそれだったら花の匂いが付くのが納得だけど、俺達が入った時はそんな匂いも影も全くなかったな。もしかしてそれもあの魔道具もどきの効果か?
「そりゃあの銭湯は中に誰もいなくなると全てを浄化して元の状態に戻るようになってるからな」
「なるほど」
やっぱりとんでも魔道具もどきの効果だったよ・・・・どうせまだ聞いてない機能が沢山あるんだろうな~と思いながらふと思い出した。
「テセウはまだ入って無いだろうに回収しちゃって良いの?」
「貴族様に俺達が入るような銭湯に入れるわけにはいかないだろ?だから、小さなサイズで風呂とか装飾品が豪華なやつを貸し出しておいたから大丈夫だ」
「なるほどね」
まぁ使用人達が入るような場所にリリー夫人が一緒に入る訳にはいかないだろうし、一人で入るにしては大き過ぎるもんな。疑問が解消された俺達はまだ体が温かいまま部屋に戻り、忘れ物が無いかの確認をした。
「プレゼント良し、服良し、髪も変な風に跳ねてないよな。よし、準備完了!」
「こっちも準備終わったぞ~」
「それじゃあ、そろそろ時間だし行くか」
「武器はしまっとけよ」
「あ、つい癖で・・・・」
いつの間にか自然に腰に携えていたナイフを取り腕に付けていたクロスボウ、そして服の隙間に備えておいた投げナイフと棒手裏剣それに毒瓶と・・・・
「多すぎだろ!というか、そんな大量の暗器をいつの間に装備したんだよ」
「いや~何時も武器を持ち歩ているから無くなると何か不安と言うか寂しいからつい」
服の中に仕舞っていた武器を全て取り出しもう何も装備していないのを確認すると俺達は部屋を出て中庭へと向かった。館の中は準備で忙しいのかメイド達がせわしなく動いているみたいだ。俺達も何か手伝おうかと聞いたけど、俺達はお客様だと言って手伝わせてくれない。仕方なくそのまま中庭まで行くと、そこはもう多くの人達が集まり賑わっていた。
「おお~もう結構な人が集まってるな」
「どれも町で見かけたことがある顔ばかりだな」
「だな」
集まっている人達は粧し込んではいるが、どの顔も町で見たことがある人ばかりだ。子供達も集まっていてパーティー用に装飾された中庭を、楽しそうに駆け回ってそれを親達に捕まえられている。どうやら立食パーティーみたいで、テーブルは多く並んでいるけど、椅子の数は少なく座っているのはジジイやババアばかりだ。
「・・・・どう見ても気合い入れすぎた気がするんだが」
「そうか?冒険者とかは同じようなもんだろ」
住民達は確かに粧し込んではいるけど、どれも普段の服よりも上等な服なだけで目を引く程派手な服を着ている訳では無い。フリルやレースのドレスを着ている人は居るけれど、全身では無いし生地が緑や黄色など落ち着いた色の服が多い感じだな。それとどの人も最近少し寒くなってきたので、厚着をしているみたいだ。
「冒険者達はあれが仕事着だろ」
「それもそうか。それにしても最近少し寒くなってきたな」
「そろそろ秋が終わるからな」
「少しこの空間を温めてやろうか・・・・いや大丈夫そうだ」
ブレストは皆が暖かくなれるよう魔法を発動しようとしたが、館の中から何やら大きな子供ぐらいの大きさの魔道具が出てきたので止めた。形は壺の上に大きな火の魔石が浮いてるように見えるけど・・・・もしかしてあれって一定の空間を温める魔道具か?
「火の魔石・・・・かなりの大きさだな」
「あれはクリムゾンウルフの魔石だな。俺が持ってきた奴だ」
「へ~流石は三級の魔物だな」
その大きな魔道具を重そうに四人掛かりで中庭の中央まで運ぶと、中央に浮かぶように付いていた大きな火の魔石を押し込んだ。すると、魔道具に魔力が宿り火と風の魔法を感じ取ると段々と空気が温まってきた。
「金持ってるな~」
「こら、こんな場所でそんなこと言わない」
つい素直な感想が出てしまって後頭部を叩かれてしました。だって、どう見たってクソ金が掛かる魔道具じゃんか!段々温まってきた空間に住民達も嬉しそうにしていると、大きく館の扉が開かれ賑わっていた中庭の空気が一瞬にして変わり、誰もがその扉を見ている。空気を一瞬にして変えるほどの存在感と破棄を纏いながら、その扉から現れたのは勿論シュナイザー様だ。
「流石だな」
「ただ現れただけで注目を持っていたな」
今まで賑やかに話していた住民達は静かにシュナイザー様が歩いて来るのを待っている。大勢の注目を浴びながらも臆することなく堂々と歩き皆の前に現れると、俺達を見て頷き
「我が息子テセウの為によく集まってくれた。領主そして父親として、集まってくれたことに感謝する。今日の宴はテセウの誕生日を祝うものだが、それと同時に常に町のために働き貢献してくれている皆に慰労の会でもあるのだ。そのために、多くの食事を用意したから是非楽しんで行ってくれ!」
「「「「「おおお!」」」」」
シュナイザー様の言葉に答えるように住民達が叫ぶ。その様子を見てシュナイザー様は笑顔で頷くと手を上げる。それを見て予め知っていたかのようにピタリと住民達は歓声を止めた。
「喜んでくれているようで何よりだ。それでは開催の合図は本日の主役であるテセウにお願いしよう」
そう言うとテセウが扉からシュナイザー様と同じように歩いて来た。服はまるで騎士の様に煌びやかで、白いジャケットがテセウの金髪を引き立てていてテセウにぴったりの服だな。
「本日は俺の為に集まってくれてありがとう。俺は今日で12歳となったが、俺がこの歳にまで生きられたのは町を守る衛兵や冒険者達そして、町を生かし続けている皆のおかげだ!俺はこの恩に報いる為、必ず良き領主になると宣言しよう!さぁ今日は宴だ、みんな自由に楽しんでくれ!」
「「「「おおおおおお!!!」」」
「「「「お誕生おめでとうございます!」」」」
大地が割れるほどの歓声と叫びに包まれ、今日のパーティーが開催された。次々と館の中からメイド達によって料理が運ばれ、町に居る楽団達は一斉に音色を奏で始めた。人々の賑やかな声と笑い声、音楽によって住民達は踊りだしみんな楽しそうだ。
「祝いの言葉を言いたいけど、テセウ色んな人たちに囲まれてるな~」
「だな。もう少し人が居なくなるのを待とうか」
直ぐにテセウの元に行きたかったけど、今日の主役で住民達に愛されているテセウは人気者で人だかりが凄くて近付けない。あの中を掻き分けていくのは大変そうだし、少し待った方が良さそうだな。
みんな楽しそうだな~
「それがあの魔道具みたいなもの?」
「そうだぜ」
「そんな手に乗るサイズであの効果と大きさかよ・・・・」
どうやらあの魔道具は扉に溶け込む形で発動させるみたいだけど、どうせ他にも使い方がありそうだな。例えば地面に投げるとその空間に入れる部屋が現れるとか
「ちなみにこれ地面に置くと、あの銭湯が外に出てくるぞ」
「予想の斜め上だった~」
「ん?」
「いや、こっちに話だから気にしないで」
まさかあの空間が外に出てくるとは思わないじゃ無いか。てか、そんな小さな物に詰め込み過ぎだろ・・・・はぁ、なんか魔道具のようなものの説明を聞くたびに疲れる気がする・・・・
「??」
「そういえば、メイド達から俺達が使った石鹸の匂いがしたけどメイドさんにも使わせてあげたの?」
「おう、シュナイザー様とリリー夫人から部屋を借りる代わりに使用人全員が使えるよう朝から貸し出してたんだ」
「なるほど~でも、花の匂いは何処から来たんだろ」
メイド達の肌や髪が艶やかだった理由が分かったけど、石鹸の匂いは良いとしてあんな柔らかいけどしっかりとした花の匂いは香水だったのか?
「あぁそれは俺が出した花の所為だな」
「花?」
「生きている花で体に触れたり水の中に入れても大丈夫な花を浄化して、俺達が入ったあの大きな風呂の中に浮かべさせたんだよ。そうすると花の匂いが香るようになるし見た目も可愛らしくなるから結構好評だったぞ」
「へ~俺達が入った時にはそんなの一つも無かったけど」
へ~花を風呂に浮かばせては居るって方法があるのか。確かにそれだったら花の匂いが付くのが納得だけど、俺達が入った時はそんな匂いも影も全くなかったな。もしかしてそれもあの魔道具もどきの効果か?
「そりゃあの銭湯は中に誰もいなくなると全てを浄化して元の状態に戻るようになってるからな」
「なるほど」
やっぱりとんでも魔道具もどきの効果だったよ・・・・どうせまだ聞いてない機能が沢山あるんだろうな~と思いながらふと思い出した。
「テセウはまだ入って無いだろうに回収しちゃって良いの?」
「貴族様に俺達が入るような銭湯に入れるわけにはいかないだろ?だから、小さなサイズで風呂とか装飾品が豪華なやつを貸し出しておいたから大丈夫だ」
「なるほどね」
まぁ使用人達が入るような場所にリリー夫人が一緒に入る訳にはいかないだろうし、一人で入るにしては大き過ぎるもんな。疑問が解消された俺達はまだ体が温かいまま部屋に戻り、忘れ物が無いかの確認をした。
「プレゼント良し、服良し、髪も変な風に跳ねてないよな。よし、準備完了!」
「こっちも準備終わったぞ~」
「それじゃあ、そろそろ時間だし行くか」
「武器はしまっとけよ」
「あ、つい癖で・・・・」
いつの間にか自然に腰に携えていたナイフを取り腕に付けていたクロスボウ、そして服の隙間に備えておいた投げナイフと棒手裏剣それに毒瓶と・・・・
「多すぎだろ!というか、そんな大量の暗器をいつの間に装備したんだよ」
「いや~何時も武器を持ち歩ているから無くなると何か不安と言うか寂しいからつい」
服の中に仕舞っていた武器を全て取り出しもう何も装備していないのを確認すると俺達は部屋を出て中庭へと向かった。館の中は準備で忙しいのかメイド達がせわしなく動いているみたいだ。俺達も何か手伝おうかと聞いたけど、俺達はお客様だと言って手伝わせてくれない。仕方なくそのまま中庭まで行くと、そこはもう多くの人達が集まり賑わっていた。
「おお~もう結構な人が集まってるな」
「どれも町で見かけたことがある顔ばかりだな」
「だな」
集まっている人達は粧し込んではいるが、どの顔も町で見たことがある人ばかりだ。子供達も集まっていてパーティー用に装飾された中庭を、楽しそうに駆け回ってそれを親達に捕まえられている。どうやら立食パーティーみたいで、テーブルは多く並んでいるけど、椅子の数は少なく座っているのはジジイやババアばかりだ。
「・・・・どう見ても気合い入れすぎた気がするんだが」
「そうか?冒険者とかは同じようなもんだろ」
住民達は確かに粧し込んではいるけど、どれも普段の服よりも上等な服なだけで目を引く程派手な服を着ている訳では無い。フリルやレースのドレスを着ている人は居るけれど、全身では無いし生地が緑や黄色など落ち着いた色の服が多い感じだな。それとどの人も最近少し寒くなってきたので、厚着をしているみたいだ。
「冒険者達はあれが仕事着だろ」
「それもそうか。それにしても最近少し寒くなってきたな」
「そろそろ秋が終わるからな」
「少しこの空間を温めてやろうか・・・・いや大丈夫そうだ」
ブレストは皆が暖かくなれるよう魔法を発動しようとしたが、館の中から何やら大きな子供ぐらいの大きさの魔道具が出てきたので止めた。形は壺の上に大きな火の魔石が浮いてるように見えるけど・・・・もしかしてあれって一定の空間を温める魔道具か?
「火の魔石・・・・かなりの大きさだな」
「あれはクリムゾンウルフの魔石だな。俺が持ってきた奴だ」
「へ~流石は三級の魔物だな」
その大きな魔道具を重そうに四人掛かりで中庭の中央まで運ぶと、中央に浮かぶように付いていた大きな火の魔石を押し込んだ。すると、魔道具に魔力が宿り火と風の魔法を感じ取ると段々と空気が温まってきた。
「金持ってるな~」
「こら、こんな場所でそんなこと言わない」
つい素直な感想が出てしまって後頭部を叩かれてしました。だって、どう見たってクソ金が掛かる魔道具じゃんか!段々温まってきた空間に住民達も嬉しそうにしていると、大きく館の扉が開かれ賑わっていた中庭の空気が一瞬にして変わり、誰もがその扉を見ている。空気を一瞬にして変えるほどの存在感と破棄を纏いながら、その扉から現れたのは勿論シュナイザー様だ。
「流石だな」
「ただ現れただけで注目を持っていたな」
今まで賑やかに話していた住民達は静かにシュナイザー様が歩いて来るのを待っている。大勢の注目を浴びながらも臆することなく堂々と歩き皆の前に現れると、俺達を見て頷き
「我が息子テセウの為によく集まってくれた。領主そして父親として、集まってくれたことに感謝する。今日の宴はテセウの誕生日を祝うものだが、それと同時に常に町のために働き貢献してくれている皆に慰労の会でもあるのだ。そのために、多くの食事を用意したから是非楽しんで行ってくれ!」
「「「「「おおお!」」」」」
シュナイザー様の言葉に答えるように住民達が叫ぶ。その様子を見てシュナイザー様は笑顔で頷くと手を上げる。それを見て予め知っていたかのようにピタリと住民達は歓声を止めた。
「喜んでくれているようで何よりだ。それでは開催の合図は本日の主役であるテセウにお願いしよう」
そう言うとテセウが扉からシュナイザー様と同じように歩いて来た。服はまるで騎士の様に煌びやかで、白いジャケットがテセウの金髪を引き立てていてテセウにぴったりの服だな。
「本日は俺の為に集まってくれてありがとう。俺は今日で12歳となったが、俺がこの歳にまで生きられたのは町を守る衛兵や冒険者達そして、町を生かし続けている皆のおかげだ!俺はこの恩に報いる為、必ず良き領主になると宣言しよう!さぁ今日は宴だ、みんな自由に楽しんでくれ!」
「「「「おおおおおお!!!」」」
「「「「お誕生おめでとうございます!」」」」
大地が割れるほどの歓声と叫びに包まれ、今日のパーティーが開催された。次々と館の中からメイド達によって料理が運ばれ、町に居る楽団達は一斉に音色を奏で始めた。人々の賑やかな声と笑い声、音楽によって住民達は踊りだしみんな楽しそうだ。
「祝いの言葉を言いたいけど、テセウ色んな人たちに囲まれてるな~」
「だな。もう少し人が居なくなるのを待とうか」
直ぐにテセウの元に行きたかったけど、今日の主役で住民達に愛されているテセウは人気者で人だかりが凄くて近付けない。あの中を掻き分けていくのは大変そうだし、少し待った方が良さそうだな。
みんな楽しそうだな~
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