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何事も無く到着!
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俺達がダンジョンに向かう時にあらかた倒したおかげなのか、ダンジョンのスタンピードを早く収めた故なのかは分からないが前とは違いブラックスパイダーやキックホッパーなどの魔物とはあまり遭遇せずよく居る森の魔物達とばかり遭遇した。と言っても全くいないという訳では無いので少しは森に影響が残っているみたいだ。
「ふむ、報告では道中かなりの魔物と遭遇したと書いてあったが通常の範囲内だな」
「ここら辺のはやけに好戦的だったので大体は倒しましたからね~ダンジョンの位置を考えると広範囲に魔物達が分散していても可笑しくは無いんですけど」
「出た数が少ないのかそれとも分散しているのか」
「一応常にインセクトマンの気配は探ってますけど、感じないですね」
「ブラックスパイダーやキックホッパー程度であれば町に居る冒険者で十分対処可能だ。だから、そんなに気にしなくても良いんだが・・・・飛べる奴が居ると行動範囲が馬鹿みたいに広がるからな~」
「首狩りトンボの発見報告って俺達が居ない間にありましたか?」
「いや無い」
「ん~ダンジョンの魔物ですから積極的に人を狙うと思うんですけど、これだけ発見報告が無いのであれば」
「居ない可能性の方が高いだろうな。だが、念の為に気を付けた方が良いだろう」
「はい」
ブラックスパイダーやキラーマンティスなどの魔物は森で見かけるごく普通の魔物達なので冒険者や衛兵達が遅れを取ることは無いだろう。それに、そいつらは移動速度が速い訳じゃ無いので、ダンジョンから溢れた奴らは町の近くに行くまでに他の魔物に狩られるか冒険者に倒されるだろう。なので、問題なのは首狩りトンボだ。あいつは空を飛ぶから行動範囲が広く、並大抵の冒険者じゃ対処するのが難しい。あんなのが大量に居て町へ一斉に向かったら大変なことになるだろう。だから、逃さないように警戒をしておかないとな。
「それにしてもクロガネ殿が居ると楽だな~」
「急になんですか?」
「いや、索敵を全部任せられるだろ?木々や植物に動物、魔物が溢れるこの森で正確に気配を捉えられるのは誇っていい。それに自分で感じなくて良いのは楽なんだよ」
「少しはやってくださいよ。俺も見逃すことはありますから」
「近くに来れば反応出来るから大丈夫だって」
信頼してくれるのは嬉しいけど、あまりに動かず静かにしている奴は直前にならないと感知できない時が有る。その良い例がウォルマに来るときに遭遇したハンギングスパイダー達の罠だ。だから、任せっきりは困る。褒めてくれるのは嬉しいけど任せるとか言いながらシュナイザー様、正確に相手の位置を把握している感じがするんだけど・・・・
魔力感知をしている訳でも、気配を探ってる様子もないのに正確に位置を把握しているのは何だ?ブレストみたいに魔力を放出してる訳でも無いし、スキルか?いや、そんなスキルを使った気配はしない。・・・・もしかして
「一つ聞いても良いですか?」
「良いぞ」
「もしかしてですけど直感だけで把握してますか?」
「そうだぞ」
「え~・・・・」
何もしてないにしては歩みと攻撃に迷いがなさ過ぎる。俺が気付けない方法で索敵をしているのであれば、それは生き物が持つ本能や直感による探知だ。これ、シュナイザー様もスキル持ちだな。いくら直感が鋭くたってここまでのことは出来ないはずだ。
「今スキル持ちかって顔したな」
「そんなこと思ってませんよ」
「別に隠さなくたって良いぞ。というか知らなかったのか」
「え?」
「俺がスキル持ちだってことは結構有名なんだぜ。獣の本能って言う名前でな」
「あ~~~聞きたくない~~~」
「名前も公開してるからそんな嫌がるな」
スキルというのは本来隠すべきものだ。隠すことによって戦闘や話し合いの際に有利に立ちまわれるし、知らなければ対処できないものも沢山ある。相手のスキルを知るってことは相手の秘密を握るということだが、シュナイザー様のスキルなんて知ったら色々厄介ごとに巻き込まれそうだから聞きたくない!だって、絶対スキルの事を知りたい奴らに狙われるし俺の秘密を話したんだお前の秘密やお願い聞いてくれるよなって圧がある!
「嫌です。詳細なんて聞きたくないです~それにスキルの事を聞くのマナー違反だって教えられてるので」
「そうか?」
「厄介ごとには関わりたくないです」
「そんな厄介ごとなんて」
「国の重要な地点を守り国内でかなりの発言力と影響力を持ち英雄と言われるような活躍をお持ちであるシュナイザー様のスキルを知るなんて絶対狙われます」
ブレストに聞いたけどシュナイザー様って辺境伯なのに下手したら公爵並みの影響力と権力を持つんだって。国王からの信頼も厚いみたいだし、そんな人を狙う奴は沢山居るだろう。
「そう嫌がられると逆に言いたくなるな」
「やめてください」
そんな悪戯を思いついたガキみたいな顔をしないでください。はぁ、困った人だ・・・・だけど詳細を聞かなくても大体の予測はついちまったな~
獣の本能、これが事実であり名前を偽っていなければ獣が持っている嗅覚や聴覚などの五感、狩猟本能、生存本能を付与し人間が持っている本能を強化するものだろう。身体強化や森などの自然の場所への適応もあるかもしれないな。分かりやすく言えば獣人と似たような力を持つってことだろうな。獣人は獣から進化した種族であり、俺達人間とは身体能力や本能などが比較にならない程高い。そういった性質を人間ながらに獲得できるのだろう。
「はっはっは、そんなに嫌がられちゃ仕方が無いな」
「全く・・・・弱点を教えているようなものですよ」
「俺は立場上どうしても目立つからな、スキルに関しては敢えて公布してるんだよ」
「それで鬱陶しい詮索を止めてる訳ですか」
「そういうことだ。それに」
シュナイザー様はまるで獣が笑うかのように獰猛な顔をしながら
「スキルを知った程度で俺の事を何とか出来ると思ったら大間違いだからな」
「でしょうね」
スキルを知ったからと言って絶対に有利になる訳じゃない。シュナイザー様には豊富な実戦経験と磨かれた剣技と体術、それにまだ見て無いが魔法が有る。スキルが分かったって大抵の奴は勝負にすらならないだろうな。
「帰ったらクロガネ殿とは是非手合わせしてみたいな」
「俺なんかよりブレストと戦った方が楽しめると思いますよ」
「ブレスト殿は・・・・ちょっとやり合いたくないな」
「そうですか?良い相手になると思うんですけど」
「やり合ったら本気になっちまうからな」
「あ~なるほど」
それって遠回しに俺相手だったら本気にならないって言って無いか?いや、確かにシュナイザー様には敵わないけど少しだけ本気を引き出すくらいには頑張れると思いますよ。
「一応言っておくがクロガネ殿を舐めている訳じゃ無いぞ。テセウに実力が上の相手と戦うというのがどういうことなのかを見せてやりたいだけだ。それと、何でもありの対人戦闘をな」
「あ~なるほど。それなら俺が適任ですね」
「だろう?どうだ、受けて貰えるか?」
「良いですよ」
何でもありの対人を見せるなら俺が適任だろうな。不意打ち、罠、奇襲にフェイント、魔法に搦手と何でもござれだ。ブレスト相手なら正面からぶつかり合う戦いになるだろうけど、俺相手だったらそうはならない。帰った後の約束をしながら順調に森を進んで行き、何事も無く三日目に入り例のダンジョンがある場所まで辿り着いた。
「ここが例のダンジョンか」
「はい、この木の洞がダンジョンになってます」
「こんな小さな洞がか・・・・なるほど、変な魔力も感じないしそもそもここまで来る者が居ないから長年発見されないのも納得だ。中に入ってみるか」
「了解です」
ダンジョンへの入り口を見たシュナイザー様ははぁと大きな溜息を付いた後気を引き締めダンジョンの中へと入って行った。
「ふむ、報告では道中かなりの魔物と遭遇したと書いてあったが通常の範囲内だな」
「ここら辺のはやけに好戦的だったので大体は倒しましたからね~ダンジョンの位置を考えると広範囲に魔物達が分散していても可笑しくは無いんですけど」
「出た数が少ないのかそれとも分散しているのか」
「一応常にインセクトマンの気配は探ってますけど、感じないですね」
「ブラックスパイダーやキックホッパー程度であれば町に居る冒険者で十分対処可能だ。だから、そんなに気にしなくても良いんだが・・・・飛べる奴が居ると行動範囲が馬鹿みたいに広がるからな~」
「首狩りトンボの発見報告って俺達が居ない間にありましたか?」
「いや無い」
「ん~ダンジョンの魔物ですから積極的に人を狙うと思うんですけど、これだけ発見報告が無いのであれば」
「居ない可能性の方が高いだろうな。だが、念の為に気を付けた方が良いだろう」
「はい」
ブラックスパイダーやキラーマンティスなどの魔物は森で見かけるごく普通の魔物達なので冒険者や衛兵達が遅れを取ることは無いだろう。それに、そいつらは移動速度が速い訳じゃ無いので、ダンジョンから溢れた奴らは町の近くに行くまでに他の魔物に狩られるか冒険者に倒されるだろう。なので、問題なのは首狩りトンボだ。あいつは空を飛ぶから行動範囲が広く、並大抵の冒険者じゃ対処するのが難しい。あんなのが大量に居て町へ一斉に向かったら大変なことになるだろう。だから、逃さないように警戒をしておかないとな。
「それにしてもクロガネ殿が居ると楽だな~」
「急になんですか?」
「いや、索敵を全部任せられるだろ?木々や植物に動物、魔物が溢れるこの森で正確に気配を捉えられるのは誇っていい。それに自分で感じなくて良いのは楽なんだよ」
「少しはやってくださいよ。俺も見逃すことはありますから」
「近くに来れば反応出来るから大丈夫だって」
信頼してくれるのは嬉しいけど、あまりに動かず静かにしている奴は直前にならないと感知できない時が有る。その良い例がウォルマに来るときに遭遇したハンギングスパイダー達の罠だ。だから、任せっきりは困る。褒めてくれるのは嬉しいけど任せるとか言いながらシュナイザー様、正確に相手の位置を把握している感じがするんだけど・・・・
魔力感知をしている訳でも、気配を探ってる様子もないのに正確に位置を把握しているのは何だ?ブレストみたいに魔力を放出してる訳でも無いし、スキルか?いや、そんなスキルを使った気配はしない。・・・・もしかして
「一つ聞いても良いですか?」
「良いぞ」
「もしかしてですけど直感だけで把握してますか?」
「そうだぞ」
「え~・・・・」
何もしてないにしては歩みと攻撃に迷いがなさ過ぎる。俺が気付けない方法で索敵をしているのであれば、それは生き物が持つ本能や直感による探知だ。これ、シュナイザー様もスキル持ちだな。いくら直感が鋭くたってここまでのことは出来ないはずだ。
「今スキル持ちかって顔したな」
「そんなこと思ってませんよ」
「別に隠さなくたって良いぞ。というか知らなかったのか」
「え?」
「俺がスキル持ちだってことは結構有名なんだぜ。獣の本能って言う名前でな」
「あ~~~聞きたくない~~~」
「名前も公開してるからそんな嫌がるな」
スキルというのは本来隠すべきものだ。隠すことによって戦闘や話し合いの際に有利に立ちまわれるし、知らなければ対処できないものも沢山ある。相手のスキルを知るってことは相手の秘密を握るということだが、シュナイザー様のスキルなんて知ったら色々厄介ごとに巻き込まれそうだから聞きたくない!だって、絶対スキルの事を知りたい奴らに狙われるし俺の秘密を話したんだお前の秘密やお願い聞いてくれるよなって圧がある!
「嫌です。詳細なんて聞きたくないです~それにスキルの事を聞くのマナー違反だって教えられてるので」
「そうか?」
「厄介ごとには関わりたくないです」
「そんな厄介ごとなんて」
「国の重要な地点を守り国内でかなりの発言力と影響力を持ち英雄と言われるような活躍をお持ちであるシュナイザー様のスキルを知るなんて絶対狙われます」
ブレストに聞いたけどシュナイザー様って辺境伯なのに下手したら公爵並みの影響力と権力を持つんだって。国王からの信頼も厚いみたいだし、そんな人を狙う奴は沢山居るだろう。
「そう嫌がられると逆に言いたくなるな」
「やめてください」
そんな悪戯を思いついたガキみたいな顔をしないでください。はぁ、困った人だ・・・・だけど詳細を聞かなくても大体の予測はついちまったな~
獣の本能、これが事実であり名前を偽っていなければ獣が持っている嗅覚や聴覚などの五感、狩猟本能、生存本能を付与し人間が持っている本能を強化するものだろう。身体強化や森などの自然の場所への適応もあるかもしれないな。分かりやすく言えば獣人と似たような力を持つってことだろうな。獣人は獣から進化した種族であり、俺達人間とは身体能力や本能などが比較にならない程高い。そういった性質を人間ながらに獲得できるのだろう。
「はっはっは、そんなに嫌がられちゃ仕方が無いな」
「全く・・・・弱点を教えているようなものですよ」
「俺は立場上どうしても目立つからな、スキルに関しては敢えて公布してるんだよ」
「それで鬱陶しい詮索を止めてる訳ですか」
「そういうことだ。それに」
シュナイザー様はまるで獣が笑うかのように獰猛な顔をしながら
「スキルを知った程度で俺の事を何とか出来ると思ったら大間違いだからな」
「でしょうね」
スキルを知ったからと言って絶対に有利になる訳じゃない。シュナイザー様には豊富な実戦経験と磨かれた剣技と体術、それにまだ見て無いが魔法が有る。スキルが分かったって大抵の奴は勝負にすらならないだろうな。
「帰ったらクロガネ殿とは是非手合わせしてみたいな」
「俺なんかよりブレストと戦った方が楽しめると思いますよ」
「ブレスト殿は・・・・ちょっとやり合いたくないな」
「そうですか?良い相手になると思うんですけど」
「やり合ったら本気になっちまうからな」
「あ~なるほど」
それって遠回しに俺相手だったら本気にならないって言って無いか?いや、確かにシュナイザー様には敵わないけど少しだけ本気を引き出すくらいには頑張れると思いますよ。
「一応言っておくがクロガネ殿を舐めている訳じゃ無いぞ。テセウに実力が上の相手と戦うというのがどういうことなのかを見せてやりたいだけだ。それと、何でもありの対人戦闘をな」
「あ~なるほど。それなら俺が適任ですね」
「だろう?どうだ、受けて貰えるか?」
「良いですよ」
何でもありの対人を見せるなら俺が適任だろうな。不意打ち、罠、奇襲にフェイント、魔法に搦手と何でもござれだ。ブレスト相手なら正面からぶつかり合う戦いになるだろうけど、俺相手だったらそうはならない。帰った後の約束をしながら順調に森を進んで行き、何事も無く三日目に入り例のダンジョンがある場所まで辿り着いた。
「ここが例のダンジョンか」
「はい、この木の洞がダンジョンになってます」
「こんな小さな洞がか・・・・なるほど、変な魔力も感じないしそもそもここまで来る者が居ないから長年発見されないのも納得だ。中に入ってみるか」
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ダンジョンへの入り口を見たシュナイザー様ははぁと大きな溜息を付いた後気を引き締めダンジョンの中へと入って行った。
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