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いざ、王都へ!
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今俺達は王都へと向かう商人のマテバさんの馬車に乗り、平原を進んでいた。そして、ブレストと俺だけじゃなくこの場所には同行する冒険者パーティーが居る。
「こうも開けていると索敵が楽で良いな」
「その代わり相手にも見つかりやすいんですから慎重にですよ」
「分かってるって」
「こっちには三級が居るんだ、何かあっても大丈夫だろ」
そう話すのは、俺達と同じ依頼を受けた四級冒険者パーティー『掃滅の旗』だ。『掃滅の旗』は四人パーティーで戦士・盾使い・弓士・魔法士という編成で、全員が男でブレストより少し年上だと思う。ブレストが言うには、俺達だけでも十分依頼をこなせるけど、人が多いというのは安心感を生むんだって。だから護衛の依頼は、依頼主と荷物の安全が第一だから人が多い方が良いらしい。初めての旅だから、本当は自由に動いたり狩りをしてみたかったんだけど、初めてだからこそ慎重にってことで今回は護衛依頼を受けたんだよね~
「えぇ、ですがこの荷物は大切な商品ですから被害は無いようにお願いしますね」
「俺はどちらかというと攻撃の方が得意だからもし襲われた時の防御は掃滅の旗にお任せしますね」
「おう、任せておいてくれ!」
「それは良いんだが、坊主はどうするんだ?」
「クロガネには索敵と攻撃を任せます。出来るよなクロガネ」
「当たり前だろ」
「という訳だ。うちのクロガネも戦力に入れて構わない」
「そうですか・・・・そう言うのであればそうします」
「坊主、危なくなったら俺達の所か兄ちゃんの所に行くんだぞ」
「はーい」
俺は馬車の屋根に座って索敵と遠距離攻撃担当だ。ブレストは御者であるマテバさんの隣に座り何時でも動けるように構えてる。この中で一番強いから依頼主の近くに居るってのもあるけど、ブレストの場合魔法剣を好きな場所に出せて操れるから動きにくい場所でも関係無いんだよね。掃滅の旗の人達は自分達用の馬を持っているから、二人一組になって二匹の馬で馬車を挟むように走ってる。
王都までの道のりは七日掛かるらしいけど、暫くはこの見通しの良い平原が続いていく。見える限りだとボアやブル、シープなど好戦的ではない動物だらけで特に問題なさそうだな~道もある程度土がならされているから詰まる事も無いだろう。
平原ってこんな感じになってるのか~うわっあのブルめっちゃ大きい。ブルの背中に小さな鳥が乗ってるけど気にしないのかな?シープのあの毛皮売ったらいくらになるんだろう?
初めて見る動物や植物達にワクワクした気持ちが抑えられず、馬車の屋根に腰かけ投げ出されている足が揺れてしまう。街から少し出ただけで知らない物が、こんなにも沢山あるなんてやっぱり外は凄いんだな~もっと遠くに行ったら一体何があるんだろう。
「あ、右前方から大型の魔物あれは・・・・タイタンスネークだ」
「マジか」
「距離は400m、こっちに向かってくる!」
「戦闘態勢!オロとメルンは馬車の傍から援護射撃を俺とムタで馬車をを守る。ブレストさん!」
「あいよ、クロガネ撃てるか?」
「もう100mくらい近付いてくれればいける」
「分かった、射程に入ったらすぐに撃て」
「近付けさせなくて良いのか?タイタンスネークって結構高く売れるんだろ?」
「この先あの大きな素材を持ってくのは面倒だ。さっさと倒して先を急ぐ」
「はーい」
俺は馬車の屋根の上に立ち左手に備え付けられたクロスボウをこちらに向かって地面を這ってくるタイタンスネークに向けて構える。馬車が進むたびガタガタと足場が揺れて少し狙いずらいが、外さないよう慎重に狙いを付けた、そして、クロスボウに魔力を送り魔力の矢を装填すると、射程に入ったタイタンスネークに向かって射出する。矢は一瞬で300m離れているタイタンスネークの額を貫き風穴を作り出し、体は暫くの間ビクビクと動いていたが、やがて動かなくなった。
「よし、命中!」
「一体何を・・・・」
「クロスボウ・・・・あの小ささでこの距離を?」
「矢の音が一切しなかったんだが!?」
倒せたことを確認すると、また馬車の上に座った。俺が使ったクロスボウに掃滅の旗の人達は驚いてるみたいだけど、わざわざ説明する義理も無いので気にしないでおく。視線を感じながらも、俺はクロスボウの具合を確かめる。このクロスボウは勿論ダンジョンで手に入ったもので、鑑定出来なかったやつだ。呪いが無いってことで、取りあえず試してみたら滅茶苦茶俺にピッタリですごく気に入ってるんだよな~
普通のクロスボウなら矢を装填しないといけないんだけど、このクロスボウは魔力を籠めるとその魔力の量と俺が使いたい属性を考えるだけで、矢が作られてあとは念じるだけで矢を射出してくれる。引き金を引いてで発射する訳じゃないからオートマタが撃ったような高速で連射することも出来るし、強さも自由自在だから高威力の一発を撃つことも出来るのだ。
「その武器使いこなしてきたな」
「まだまだだって、もっと射程を伸ばせるだろうし制御ももう少し出来るようにならないと」
ブレストは褒めてくれるけど、このクロスボウは本当に色々な事が出来るからその全てを使いこなせるようにならないと駄目だ。この武器は放った後の矢を操ることも出来るし、矢を分裂させることだって出来る。300mを一瞬で飛ぶような速さなのに音が聞こえないのもこのクロスボウのおかげだ。それ全て活かして使えるようになった時本当に使いこなしたって言えるんだと思う。
「そうか、まぁ気に入った武器が手に入って良かったな」
「おう!」
「私は武器について詳しくありませんがその装備は装備品ダンジョンで手に入ったものなのでしょうか」
俺が音も無く倒したことに驚いてたマテバさんがブレストに聞く。
「そうです」
「なるほど・・・・あのダンジョンは優秀な武具を出すと有名ですからね」
「俺達も二十層まで潜ったがそんな武器出なかったがな~・・・・」
「ブレストさんは何層まで潜ったんだ?」
「攻略しましたね」
「おお~~流石三級冒険者だな!俺達も早く三級に上がりたいぜ」
「その為には、もっと鍛えて依頼をこなさきゃ無理だがな」
攻略したのは俺なんだけどな~まぁわざわざ言う必要も無いけどな。
「いえ、攻略したのはクロガネですよ」
「えぇ!?」
「ふん」
みんな吃驚して俺を見るけど、その顔はこんなガキが三級以上の実力が必要なダンジョンを攻略できるのか!?って思ってるな。俺はブレストのおまけじゃないんだぞ!
「凄いんですね~」
「さっきの攻撃を見れば納得だな」
「流石は二人パーティーなだけあるな」
暫くの間驚いてただが、段々自分の中で納得が出来たようで俺を疑いながらも心配するような目で見ていたが、信用する目に変わったのを感じる。頼りにされるのは嬉しいし、俺みたいなガキがいたら心配するのは当然だと思うから全然気にしてない。
その後は何回も魔物達に襲われたが、近づかれる前に俺が気付き処理してるので全く危険なく進んでいくことができた。倒した魔物を回収しておけば良い金になったと思うんだけどな~と考えているとマテバさんも同じ考えのようで魔核だけを抜いて焼いた魔物を惜しそうに見ながら
「ここら辺で獲れる魔物達は良い儲けになるんですけどね~さっきのタイタンスネークも惜しい獲物でした」
「そうだな~ここら辺のは強さの割には良い値段で売れるからな」
「特に蛇革は王都で人気ですから持ち帰りたかったのですが馬車に余裕が無くて・・・・残念です」
「俺達も流石に邪魔になるような物は勘弁だからな~」
マテバさんの馬車には沢山の鉄や銅といった鉱物が馬車目一杯に積まれてるからな~魔物の素材を積む場所は無いし馬に乗ってる掃滅の旗も自分達の荷物で余裕は無い。俺達はマジックバックとブレストの収納スキルがあるから荷物とかはまったく気にしなくても良いんだけど、隠しておいた方が良いってブレストが言ったんだよな。マジックバックはそこそこ流通してるし上級冒険者なら持ってる人が多いけど、それを当てにされると大変だし、収納スキルは凄く珍しくて国からスカウトが来るほどなんだって。だから面倒ごとを避けるために、俺達も疑われないように荷物を持っている。
「マジックバックがあれば良いんですが、あれは高くて中々手に入らないんですよね」
「だろうな~殆どがダンジョン産だし冒険者が見つけたら既にマジックバックを持ってなければ自分で使うからな。そうそう売りやしないさ」
「ダンジョン以外だと、かの魔法大国アルカナで作られたものぐらいですからね」
魔法大国なんてあるのか~行ってみたいな。いや、もう自分の好きな所に行けるんだから、必ず行ってみよう。もう我慢なんてせずに、自分が行きたい場所に行くって決めたんだがらな!勿論ブレストが良いって言えばだけどな。
「こうも開けていると索敵が楽で良いな」
「その代わり相手にも見つかりやすいんですから慎重にですよ」
「分かってるって」
「こっちには三級が居るんだ、何かあっても大丈夫だろ」
そう話すのは、俺達と同じ依頼を受けた四級冒険者パーティー『掃滅の旗』だ。『掃滅の旗』は四人パーティーで戦士・盾使い・弓士・魔法士という編成で、全員が男でブレストより少し年上だと思う。ブレストが言うには、俺達だけでも十分依頼をこなせるけど、人が多いというのは安心感を生むんだって。だから護衛の依頼は、依頼主と荷物の安全が第一だから人が多い方が良いらしい。初めての旅だから、本当は自由に動いたり狩りをしてみたかったんだけど、初めてだからこそ慎重にってことで今回は護衛依頼を受けたんだよね~
「えぇ、ですがこの荷物は大切な商品ですから被害は無いようにお願いしますね」
「俺はどちらかというと攻撃の方が得意だからもし襲われた時の防御は掃滅の旗にお任せしますね」
「おう、任せておいてくれ!」
「それは良いんだが、坊主はどうするんだ?」
「クロガネには索敵と攻撃を任せます。出来るよなクロガネ」
「当たり前だろ」
「という訳だ。うちのクロガネも戦力に入れて構わない」
「そうですか・・・・そう言うのであればそうします」
「坊主、危なくなったら俺達の所か兄ちゃんの所に行くんだぞ」
「はーい」
俺は馬車の屋根に座って索敵と遠距離攻撃担当だ。ブレストは御者であるマテバさんの隣に座り何時でも動けるように構えてる。この中で一番強いから依頼主の近くに居るってのもあるけど、ブレストの場合魔法剣を好きな場所に出せて操れるから動きにくい場所でも関係無いんだよね。掃滅の旗の人達は自分達用の馬を持っているから、二人一組になって二匹の馬で馬車を挟むように走ってる。
王都までの道のりは七日掛かるらしいけど、暫くはこの見通しの良い平原が続いていく。見える限りだとボアやブル、シープなど好戦的ではない動物だらけで特に問題なさそうだな~道もある程度土がならされているから詰まる事も無いだろう。
平原ってこんな感じになってるのか~うわっあのブルめっちゃ大きい。ブルの背中に小さな鳥が乗ってるけど気にしないのかな?シープのあの毛皮売ったらいくらになるんだろう?
初めて見る動物や植物達にワクワクした気持ちが抑えられず、馬車の屋根に腰かけ投げ出されている足が揺れてしまう。街から少し出ただけで知らない物が、こんなにも沢山あるなんてやっぱり外は凄いんだな~もっと遠くに行ったら一体何があるんだろう。
「あ、右前方から大型の魔物あれは・・・・タイタンスネークだ」
「マジか」
「距離は400m、こっちに向かってくる!」
「戦闘態勢!オロとメルンは馬車の傍から援護射撃を俺とムタで馬車をを守る。ブレストさん!」
「あいよ、クロガネ撃てるか?」
「もう100mくらい近付いてくれればいける」
「分かった、射程に入ったらすぐに撃て」
「近付けさせなくて良いのか?タイタンスネークって結構高く売れるんだろ?」
「この先あの大きな素材を持ってくのは面倒だ。さっさと倒して先を急ぐ」
「はーい」
俺は馬車の屋根の上に立ち左手に備え付けられたクロスボウをこちらに向かって地面を這ってくるタイタンスネークに向けて構える。馬車が進むたびガタガタと足場が揺れて少し狙いずらいが、外さないよう慎重に狙いを付けた、そして、クロスボウに魔力を送り魔力の矢を装填すると、射程に入ったタイタンスネークに向かって射出する。矢は一瞬で300m離れているタイタンスネークの額を貫き風穴を作り出し、体は暫くの間ビクビクと動いていたが、やがて動かなくなった。
「よし、命中!」
「一体何を・・・・」
「クロスボウ・・・・あの小ささでこの距離を?」
「矢の音が一切しなかったんだが!?」
倒せたことを確認すると、また馬車の上に座った。俺が使ったクロスボウに掃滅の旗の人達は驚いてるみたいだけど、わざわざ説明する義理も無いので気にしないでおく。視線を感じながらも、俺はクロスボウの具合を確かめる。このクロスボウは勿論ダンジョンで手に入ったもので、鑑定出来なかったやつだ。呪いが無いってことで、取りあえず試してみたら滅茶苦茶俺にピッタリですごく気に入ってるんだよな~
普通のクロスボウなら矢を装填しないといけないんだけど、このクロスボウは魔力を籠めるとその魔力の量と俺が使いたい属性を考えるだけで、矢が作られてあとは念じるだけで矢を射出してくれる。引き金を引いてで発射する訳じゃないからオートマタが撃ったような高速で連射することも出来るし、強さも自由自在だから高威力の一発を撃つことも出来るのだ。
「その武器使いこなしてきたな」
「まだまだだって、もっと射程を伸ばせるだろうし制御ももう少し出来るようにならないと」
ブレストは褒めてくれるけど、このクロスボウは本当に色々な事が出来るからその全てを使いこなせるようにならないと駄目だ。この武器は放った後の矢を操ることも出来るし、矢を分裂させることだって出来る。300mを一瞬で飛ぶような速さなのに音が聞こえないのもこのクロスボウのおかげだ。それ全て活かして使えるようになった時本当に使いこなしたって言えるんだと思う。
「そうか、まぁ気に入った武器が手に入って良かったな」
「おう!」
「私は武器について詳しくありませんがその装備は装備品ダンジョンで手に入ったものなのでしょうか」
俺が音も無く倒したことに驚いてたマテバさんがブレストに聞く。
「そうです」
「なるほど・・・・あのダンジョンは優秀な武具を出すと有名ですからね」
「俺達も二十層まで潜ったがそんな武器出なかったがな~・・・・」
「ブレストさんは何層まで潜ったんだ?」
「攻略しましたね」
「おお~~流石三級冒険者だな!俺達も早く三級に上がりたいぜ」
「その為には、もっと鍛えて依頼をこなさきゃ無理だがな」
攻略したのは俺なんだけどな~まぁわざわざ言う必要も無いけどな。
「いえ、攻略したのはクロガネですよ」
「えぇ!?」
「ふん」
みんな吃驚して俺を見るけど、その顔はこんなガキが三級以上の実力が必要なダンジョンを攻略できるのか!?って思ってるな。俺はブレストのおまけじゃないんだぞ!
「凄いんですね~」
「さっきの攻撃を見れば納得だな」
「流石は二人パーティーなだけあるな」
暫くの間驚いてただが、段々自分の中で納得が出来たようで俺を疑いながらも心配するような目で見ていたが、信用する目に変わったのを感じる。頼りにされるのは嬉しいし、俺みたいなガキがいたら心配するのは当然だと思うから全然気にしてない。
その後は何回も魔物達に襲われたが、近づかれる前に俺が気付き処理してるので全く危険なく進んでいくことができた。倒した魔物を回収しておけば良い金になったと思うんだけどな~と考えているとマテバさんも同じ考えのようで魔核だけを抜いて焼いた魔物を惜しそうに見ながら
「ここら辺で獲れる魔物達は良い儲けになるんですけどね~さっきのタイタンスネークも惜しい獲物でした」
「そうだな~ここら辺のは強さの割には良い値段で売れるからな」
「特に蛇革は王都で人気ですから持ち帰りたかったのですが馬車に余裕が無くて・・・・残念です」
「俺達も流石に邪魔になるような物は勘弁だからな~」
マテバさんの馬車には沢山の鉄や銅といった鉱物が馬車目一杯に積まれてるからな~魔物の素材を積む場所は無いし馬に乗ってる掃滅の旗も自分達の荷物で余裕は無い。俺達はマジックバックとブレストの収納スキルがあるから荷物とかはまったく気にしなくても良いんだけど、隠しておいた方が良いってブレストが言ったんだよな。マジックバックはそこそこ流通してるし上級冒険者なら持ってる人が多いけど、それを当てにされると大変だし、収納スキルは凄く珍しくて国からスカウトが来るほどなんだって。だから面倒ごとを避けるために、俺達も疑われないように荷物を持っている。
「マジックバックがあれば良いんですが、あれは高くて中々手に入らないんですよね」
「だろうな~殆どがダンジョン産だし冒険者が見つけたら既にマジックバックを持ってなければ自分で使うからな。そうそう売りやしないさ」
「ダンジョン以外だと、かの魔法大国アルカナで作られたものぐらいですからね」
魔法大国なんてあるのか~行ってみたいな。いや、もう自分の好きな所に行けるんだから、必ず行ってみよう。もう我慢なんてせずに、自分が行きたい場所に行くって決めたんだがらな!勿論ブレストが良いって言えばだけどな。
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