嬉しい痛み

【おまけ】選手交代する日は……くるのか？ ②

「先輩っ、先輩っ、先輩っ……！」
「はぐっ……ふっ、竜也っ、お前……ガッツき過ぎ――ふぐっ！」

　さっきまで俺をいかせるために散々我慢してたんだろう、煽られたこともあって箍が飛んだ奴が、ガツガツと腰を打ち付けてくる。
　ギッシギッシ激しくベッドを揺らし、ひたすら欲望を俺に打ち込んでくる。
　竜也の長いそれで腹の奥を突きまわされて、正直かなり苦しいが、同時に腰に重く響くような快感も。
　だが、腹の圧迫感をその快感が上回る前に、竜也の奴が先に達してしまった。

「ああっ！　先、輩っ……はぐぅっ……！！」
「……ふっ……ぐっ……」

　切なく俺を呼びながら、竜也の奴が俺の奥に熱い白濁をドクドクと吐き出す。
　じんわり腹が温かくなるのを感じながら、俺はしがみついてくる竜也の背中を撫でた。

「はっ……はあっ、はあ……先輩……」
「……竜也。……先輩じゃ、ねえだろ？」

　優しく耳元で囁けば、奴の体がビクリと反応する。
　そのままギュッと抱きしめて、竜也が恥ずかしそうに小さな声でそれに応えた。

「……浩人ひろとさん……」
「おう、竜也」
「……浩人さん、ズルいです……」

　俺が煽ったことを詰っているのだ。
　我慢できなくなって、一人で達いってしまったのが恥ずかしいんだろう。
　照れてる竜也が可愛くて、思わずクツクツと笑ってしまう。
　すると、顔を真っ赤にした竜也が体を起こして俺を見おろしてきた。

「浩人さん、わかっててやったでしょう！？」
「あん？　ダメか？」
「いつも俺ばっかり喘がされて、ズルいです！」

　そう言って、恨めし気に俺を見詰めてくる。
　とはいっても、俺も随分竜也には喘がされてると思うが、どうやら奴には物足りないらしい。
　本当、しょんないやつだ。

「……というわけで。もう一回、付き合ってもらいますからね！？」

　気付けば中にある竜也のモノが、緩やかに力を取り戻してくるのが分かる。
　ねだる様にゆるゆると腰を動かす竜也に、俺は思わず苦笑してしまった。

「仕方ねえなあ。じゃあ、頑張って俺をアンアン言わせてくれよ？」

　ニヤリと笑って竜也の奴を見上げる。
　そんな俺に、ますます顔を赤くして、竜也の奴がぼそぼそと呟いた。

「……ズルい。絶対、ズルい」
「ははは！　竜也お前、本当可愛いな！」

　すっかり気をよくして声を上げて笑った俺だったが、その後竜也の奴に散々喘がされる羽目になるのだが。
　ま、でも、同おんなじくらい竜也の奴も喘いでいたから、おあいこな？
　こんな風に続いていく関係も、悪くないと思う俺だった。