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5.はあ。ま、可愛いから許す!
しおりを挟む「……にしてもよー」
「はい」
「結局、俺はヤられる側なのか?」
気怠気に見上げれば、とろりと蕩けそうな竜也の笑顔が。
既に2発もやられて、俺はもうすっかりグダグダだ。
そう、あれから結局俺が竜也を抱いたのは、あの一度きりだった。
てっきりこれからは俺が竜也を抱く側になると思っていた俺は、翌日、尻が痛いからと選手交代をしてから、それきりずっと竜也が俺を抱いている。
まあ、あれ以来竜也が俺を抱く時は、丁寧過ぎるくらい丁寧に抱くようになったお陰で、俺の尻が切れたり必要以上に痛む様な事は無くなったからいいのだが、何となく腑に落ちない。
やっぱな、先輩の威厳と言うものがあるわけでな。
といっても、すっかり竜也に開発された体は抱かれる度すっげー気持ち良いし、何より竜也が嬉しそうだからいいっちゃいいんだが。
「でもよー。たまには俺だってお前をアンアン言わせてぇんだけどよー……」
「何言ってるんですか。今だって先輩は俺をアンアン言わせてるじゃないですか」
「や、これとそれは違う――」
「違いません。それに、俺はもっと先輩にご奉仕したいんです」
そう言って、にっこりと微笑む。
その顔は、思わず見惚れる程カッコいい。
カッコイイ、が……。
「……おい。お前……」
俺の中に入りっぱなしの奴のそれが、ムクムクと主張し始める。
思わず胡乱な目を向けると、竜也の奴が照れたように、困ったように俺の顔を覗き込んできた。
「……先輩。……もう一度、いい、ですか……?」
「……」
「あの……嫌なら、ガマンす――」
「だあっ! クソっ!! そんな顔されたら断れんだろうがっ!!」
「先輩……」
「そのかわり! 今日はもうこれきりだからな!?」
「はい!」
途端、嬉しそうに俺に抱きついてくる。
その背中では、見えない尻尾が全力で振られているのが見えるかのようだ。
ホント、これでいつも押し切られちまうんだよなー。
ま、いっか。
可愛いし。
けれども、やっぱり翌日体中バッキバキにされた俺は、今度こそ俺が竜也の奴をヤる側に回るんだと思うのだった。
【おわり】
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