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第2章 離れ離れの2人の心
第7話 カイルの想い(カイル目線)
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夕食を終え重い足取りで部屋に戻る。
そして、はぁーと溜息を吐きながらベッドに寝転がる。
訓練場で入団したての若手騎士エドモンドからリーリラに求婚すると聞かされ私はかなり動揺していた。
「若い騎士のくせに、クソッ!」
昔、彼女に誓ったのに…
あなたを守る騎士になると…
その為に今日まで頑張って来たんだ。
寄宿舎に入ってから彼女に相応しい騎士になることだけを考え、ひたむきに剣の稽古を励んで来た。
ようやく目標だった騎士団にも入団でき、家に帰ると久々に姫様に会うことできた。
彼女はより綺麗になりあの美しい紺碧色の瞳で見つめられるとあのお方に捕らわれてしまう自分が愚かしく、いやらしく感じ自分を恥じた。
彼女の前では心の乱れを悟られないように無表情に平然と保つように心掛けていた。
しかし、日が経つにつれ私達の間には会話もなくなり姫様と目も合わさないようになってしまった。こんなはずでは、こんな態度を取るつもりじゃないのにと私の心はいつも
叫んでいた。
ある夜、下の方から物音が聞こえたので降りてみると台所から灯りが漏れていた。
覗きこんで見てみると姫様が白いシャツだけを羽織り脚を剥き出しにだして、クッキーを食べていた。
あまりに白く細っそりとした脚に私は邪なことを考えてしまう。
ーークソッ!妄想よ、消えろ!
「誰?」
と姫様に声を掛けられ、
「コホン、こんな時間に何してるんだ」
と台所に入ると姫様はあからさまに嫌そうな顔をした。やはり気付いていたが最近嫌われているような気がする。
「兄さん……。小腹が空いただけ。じゃあ」
とすぐに私の前を横切り台所を出て行った、と同時に精霊によってつけられた灯りは消える。
ふぅーー、まだまだ騎士としては駄目た。
姫様はまだ幼い。私は何を考えているんだと頭を思い切り掻く。
その後、姫様と鉢合わせる度にあの剥き出しの御御足姿が想い浮かび、自らの邪心を見せたくないが故に更に姫様と距離を取る。
姫様が16歳となられ、祝いの品をどうしうかと思い悩んでいると騎士団にリチャード団長の姉君が私を尋ねていらっしゃた。
「私も忙しいのよ、あなたがカイル?」
「そうだが」
「好きな子のプレゼントを悩んでいるだろうから手伝って欲しいと弟のリチャードから頼まれたんだけど」
「えっ?!リチャード団長の姉君ですか…」
「買ったの?」
「いや、まだ…」
「成人になるって聞いたんだけど、求婚するなら宝石送るって知ってるわよね?」
「……」
「ウソ、知らないの?まぁ、いいわ。早く行きましょう」
と街にある高価な貴金属店に連れて行かれた。どうせ送るなら一番高い物を贈りたい。
しかし、リチャードの姉君からそんなのいつつけるの?とか小言を言われながらも彼女の瞳の色の宝石をネックレスと指輪に加工することにした。しかし加工期間が一か月以上かかるらしく、良い品を贈りたいので誕生日は遥かに過ぎてしまうが加工を頼む。
「こんな高価な品を貰える子は幸せね。でも、一つアドバイスさせて。あなたと同じ髪か、瞳の色の宝石の着いた普段使いできる品をプレゼントするの。そして、こう言うのよ、私が居なくても身に付けていたら一緒にいれるだろうってね」
とウインクしながら教えて下さった。
早速、普段使いできる小ぶりな金色の宝石のついたネックレスを購入した。
しかし、今日もこのネックレスさえ渡すタイミングもなくまだ手元に持っている。
「何をやっでいるんだ…私は…」
そして、はぁーと溜息を吐きながらベッドに寝転がる。
訓練場で入団したての若手騎士エドモンドからリーリラに求婚すると聞かされ私はかなり動揺していた。
「若い騎士のくせに、クソッ!」
昔、彼女に誓ったのに…
あなたを守る騎士になると…
その為に今日まで頑張って来たんだ。
寄宿舎に入ってから彼女に相応しい騎士になることだけを考え、ひたむきに剣の稽古を励んで来た。
ようやく目標だった騎士団にも入団でき、家に帰ると久々に姫様に会うことできた。
彼女はより綺麗になりあの美しい紺碧色の瞳で見つめられるとあのお方に捕らわれてしまう自分が愚かしく、いやらしく感じ自分を恥じた。
彼女の前では心の乱れを悟られないように無表情に平然と保つように心掛けていた。
しかし、日が経つにつれ私達の間には会話もなくなり姫様と目も合わさないようになってしまった。こんなはずでは、こんな態度を取るつもりじゃないのにと私の心はいつも
叫んでいた。
ある夜、下の方から物音が聞こえたので降りてみると台所から灯りが漏れていた。
覗きこんで見てみると姫様が白いシャツだけを羽織り脚を剥き出しにだして、クッキーを食べていた。
あまりに白く細っそりとした脚に私は邪なことを考えてしまう。
ーークソッ!妄想よ、消えろ!
「誰?」
と姫様に声を掛けられ、
「コホン、こんな時間に何してるんだ」
と台所に入ると姫様はあからさまに嫌そうな顔をした。やはり気付いていたが最近嫌われているような気がする。
「兄さん……。小腹が空いただけ。じゃあ」
とすぐに私の前を横切り台所を出て行った、と同時に精霊によってつけられた灯りは消える。
ふぅーー、まだまだ騎士としては駄目た。
姫様はまだ幼い。私は何を考えているんだと頭を思い切り掻く。
その後、姫様と鉢合わせる度にあの剥き出しの御御足姿が想い浮かび、自らの邪心を見せたくないが故に更に姫様と距離を取る。
姫様が16歳となられ、祝いの品をどうしうかと思い悩んでいると騎士団にリチャード団長の姉君が私を尋ねていらっしゃた。
「私も忙しいのよ、あなたがカイル?」
「そうだが」
「好きな子のプレゼントを悩んでいるだろうから手伝って欲しいと弟のリチャードから頼まれたんだけど」
「えっ?!リチャード団長の姉君ですか…」
「買ったの?」
「いや、まだ…」
「成人になるって聞いたんだけど、求婚するなら宝石送るって知ってるわよね?」
「……」
「ウソ、知らないの?まぁ、いいわ。早く行きましょう」
と街にある高価な貴金属店に連れて行かれた。どうせ送るなら一番高い物を贈りたい。
しかし、リチャードの姉君からそんなのいつつけるの?とか小言を言われながらも彼女の瞳の色の宝石をネックレスと指輪に加工することにした。しかし加工期間が一か月以上かかるらしく、良い品を贈りたいので誕生日は遥かに過ぎてしまうが加工を頼む。
「こんな高価な品を貰える子は幸せね。でも、一つアドバイスさせて。あなたと同じ髪か、瞳の色の宝石の着いた普段使いできる品をプレゼントするの。そして、こう言うのよ、私が居なくても身に付けていたら一緒にいれるだろうってね」
とウインクしながら教えて下さった。
早速、普段使いできる小ぶりな金色の宝石のついたネックレスを購入した。
しかし、今日もこのネックレスさえ渡すタイミングもなくまだ手元に持っている。
「何をやっでいるんだ…私は…」
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