66 / 130
66th 分析と休息
しおりを挟む
襲ってきた生命体をよく観察するミシーハ博士。
少し焦げているが、エレットの目には虫のように映っている。
「これ、地上のとは違う生命体だわ。明らかに構造が違うもの」
「虫だからとかじゃなくて?」
「虫と呼ぶにも少し違うわね……虫というのは昆虫以外も指すのよ。
定義が異なるわね」
「どの辺が違うのか俺にはよくわからないな」
「一見すると硬い甲殻に覆われているように見えるけど、これは甲殻じゃないわ。
土などが固まってできたものみたい。マテリアラーズ上層部がなぜこの地を探索場所と選んだのか
少しわかったかもしれないわね……」
下唇に指をあて考える仕草をとるミシーハ博士。
細かい研究内容などに興味が無いエレットは、素材としてどうなのかが気になっていた。
「セイソー、素材としてはどうだ?」
「照合データ無しデス。上位素材となる可能性もありマス」
「フラー。もし上位素材だったら提供してもいいか?」
「いいわよ別に。少しはあたしのこと、先輩として尊敬したでしょ?」
「フラー先輩、恰好良かったです。それに綺麗な肌でした!」
「フラーは綺麗。傷一つない体は羨ましい」
「だからどこ見て言ってるのよー!」
真っ赤になるフラー。どうやら素材としてちゃんと提供してもらえるようだ。
「地上へはどうやって出ればいいんだろ。いつまでもこの場所にいられないだろ?」
「マスター。他にも素材が見つかるかもしれまセン。もう少しマッピングを続けさせて
くだサイ」
「わかった。それじゃここで少し休憩にしよう」
開けた場所に、最新式のコテージを作成してもらうと、中には湯を沸かす装置まであり
くつろぐには十分だった。
「シャワー使えるの? やったわ! あたしが一番先に使うから! 戦って汗でベトベトだったのよ」
「エレットの家にあったやつ。私も使いたい」
「えー? それじゃ一緒に入りましょうよぉ。私も汗でベタベトなんですぅ」
「俺は外で見張りしてるよ。ここじゃアラートシステムとか機能しない可能性もあるし」
「それじゃしっかり守ってねエレット。女の子四人もいて大変ねぇ」
「シロッコもいるから平気さ。な? シロッコ」
「ばう!」
シロッコと一緒にコテージの外を見渡す。
川で流された場所から少し歩いた場所なので、水の流れる音などはしない。
コテージの中は防音が施されているせいか、特に何も聞こえなかった。
「ばうー……」
「眠いのか? ごめんな、いきなりこんな過酷な任務で」
「ばう!」
「ははは。お前は元気がいいな。シロッコとはまだあまり話してないが……
シェラノールがいないとよくわからないんだよな」
シェラハ、シェラリル、シェラノールはそれぞれコテージの上部でコテージ維持に
必要なようで、現在は機能していない。
「それにしても、素材が無事集まってくれればいいが……ここで休んでもまだ時間はある。
慌てず全員分手に入れよう!」
「ばうっ!」
そうシロッコと話をしていた時、ピシリという音が聞こえた気がした。
慌てて辺りを警戒すると、岩壁部分にわずかな亀裂が入っていた。
「おいおい、崩れたりはしないよな……」
少し焦げているが、エレットの目には虫のように映っている。
「これ、地上のとは違う生命体だわ。明らかに構造が違うもの」
「虫だからとかじゃなくて?」
「虫と呼ぶにも少し違うわね……虫というのは昆虫以外も指すのよ。
定義が異なるわね」
「どの辺が違うのか俺にはよくわからないな」
「一見すると硬い甲殻に覆われているように見えるけど、これは甲殻じゃないわ。
土などが固まってできたものみたい。マテリアラーズ上層部がなぜこの地を探索場所と選んだのか
少しわかったかもしれないわね……」
下唇に指をあて考える仕草をとるミシーハ博士。
細かい研究内容などに興味が無いエレットは、素材としてどうなのかが気になっていた。
「セイソー、素材としてはどうだ?」
「照合データ無しデス。上位素材となる可能性もありマス」
「フラー。もし上位素材だったら提供してもいいか?」
「いいわよ別に。少しはあたしのこと、先輩として尊敬したでしょ?」
「フラー先輩、恰好良かったです。それに綺麗な肌でした!」
「フラーは綺麗。傷一つない体は羨ましい」
「だからどこ見て言ってるのよー!」
真っ赤になるフラー。どうやら素材としてちゃんと提供してもらえるようだ。
「地上へはどうやって出ればいいんだろ。いつまでもこの場所にいられないだろ?」
「マスター。他にも素材が見つかるかもしれまセン。もう少しマッピングを続けさせて
くだサイ」
「わかった。それじゃここで少し休憩にしよう」
開けた場所に、最新式のコテージを作成してもらうと、中には湯を沸かす装置まであり
くつろぐには十分だった。
「シャワー使えるの? やったわ! あたしが一番先に使うから! 戦って汗でベトベトだったのよ」
「エレットの家にあったやつ。私も使いたい」
「えー? それじゃ一緒に入りましょうよぉ。私も汗でベタベトなんですぅ」
「俺は外で見張りしてるよ。ここじゃアラートシステムとか機能しない可能性もあるし」
「それじゃしっかり守ってねエレット。女の子四人もいて大変ねぇ」
「シロッコもいるから平気さ。な? シロッコ」
「ばう!」
シロッコと一緒にコテージの外を見渡す。
川で流された場所から少し歩いた場所なので、水の流れる音などはしない。
コテージの中は防音が施されているせいか、特に何も聞こえなかった。
「ばうー……」
「眠いのか? ごめんな、いきなりこんな過酷な任務で」
「ばう!」
「ははは。お前は元気がいいな。シロッコとはまだあまり話してないが……
シェラノールがいないとよくわからないんだよな」
シェラハ、シェラリル、シェラノールはそれぞれコテージの上部でコテージ維持に
必要なようで、現在は機能していない。
「それにしても、素材が無事集まってくれればいいが……ここで休んでもまだ時間はある。
慌てず全員分手に入れよう!」
「ばうっ!」
そうシロッコと話をしていた時、ピシリという音が聞こえた気がした。
慌てて辺りを警戒すると、岩壁部分にわずかな亀裂が入っていた。
「おいおい、崩れたりはしないよな……」
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
就職面接の感ドコロ!?
フルーツパフェ
大衆娯楽
今や十年前とは真逆の、売り手市場の就職活動。
学生達は賃金と休暇を貪欲に追い求め、いつ送られてくるかわからない採用辞退メールに怯えながら、それでも優秀な人材を発掘しようとしていた。
その業務ストレスのせいだろうか。
ある面接官は、女子学生達のリクルートスーツに興奮する性癖を備え、仕事のストレスから面接の現場を愉しむことに決めたのだった。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
クビになったアイツ、幼女になったらしい
東山統星
ファンタジー
簡単説明→追放されたから飯に困って果物食ったら幼女になった。しかもかなり強くなったっぽい。
ひとりの不運なナイスガイがいた。彼はラークという名前で、つい最近賞金首狩り組織をクビになったのである。そしてなんの因果か、あしたの飯に困ったラークは美味しそうなりんごを口にして、なんと金髪緑目の幼女になってしまった。
しかしラークにとって、これは新たなるチャンスでもあった。幼女になったことで魔術の腕が爆発的に飛躍し、陰謀とチャンスが眠る都市国家にて、成り上がりを果たす機会を与えられたのだ。
これは、『魔術と技術の国』ロスト・エンジェルスにて、ラークとその仲間たち、そしてラークの恋人たちが生き残りと成り上がりを懸けて挑み続ける物語である。
*表紙はAI作成です。
*他サイトにも載ってるよ
令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました
フルーツパフェ
大衆娯楽
とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。
曰く、全校生徒はパンツを履くこと。
生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?
史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
後悔と快感の中で
なつき
エッセイ・ノンフィクション
後悔してる私
快感に溺れてしまってる私
なつきの体験談かも知れないです
もしもあの人達がこれを読んだらどうしよう
もっと後悔して
もっと溺れてしまうかも
※感想を聞かせてもらえたらうれしいです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる