63 / 130
63th 地下水脈
しおりを挟む
あれからどのくらい川で押し流されたのだろうか。
水の中、流れに抵抗出来ず、大きな穴の先へ押し出されるようにして出た。
水の中を再び戻ろうとしても、激流により戻る事が難しい。
「参ったな。川に入ったら洞窟に出ちゃうとは思わなかった。セイソー、ここがどういう構造か
わかるか?」
「現在探索しておりマスガ、地層に何か阻害するようナ金属が含まれてオリ、難しいようデス」
「マッピングが出来ない……ということは磁鉄を多く含む金属かもしれないわね。
もしかしてここ、お宝ザクザクかもよー? くぅー! わくわくするぅ!」
「姉ちゃんが言うとなぁ……お宝作っちゃうような人間だから……」
「服を乾かしたいの」
「仕方ないわね。服くらい自分でどうにかして欲しいものだけど、優秀な私が乾かしてあげるわ」
「ふふっ。レグアさんも随分、ヘッツと仲良しになりましたねっ」
「ばう!」
「フラー、ルシールに俺の分も乾かさせてくれよ。セイソーはマッピングで忙しいんだ」
「し、仕方ないわね。使わせてあげてもいいわよ」
「ボロ。乾燥ならお任せください。フラー様のお風呂上りはいつも乾かしております」
「おお、お風呂なんて想像するんじゃないわよバカエレット!」
「へ? 風呂がどうかしたのか? ここは気温も低いしお風呂があったら確かに最高だけど」
全員で衣類を乾かすと、周囲の土部分などサンプルを採集する。
提出する素材にはならないが、これも十分な調査内容となる。
何せ地球の大地を再構築するとなると、基盤をきっちりしなければならない。
「こういうのはライチェ先輩とパルスナー先輩の役目なんだよなぁ……」
「あの二人は何してるのよ。私たちだけ任務に行かせて……」
「どっちも研究中じゃないか? グロウコーピオの素材からこの星の生命体について
調べてるんだと思う」
「どっちも研究オタクだしね……あれ? 何か聞こえない?」
「ん? 特に何も……いや、少し聞こえるか? 水の落ちる音か何かか?」
フラーの言う通り、わずかに洞窟の奥から音が聞こえた。
少々危険ではあるが、奥に行ってみる事に。
この洞窟は大人四人犬一匹横並びに歩いても、なんら問題ないほどに広い。
自然に出来た大空洞とでも言えばいいのだろうか。
「綺麗ね。こんな場所があるなんて知りもしなかった」
「あんたはどこで生活してたのよ」
「殆どが木の上。エレットがぶつかった木」
「あの上で生活してたのか!? 家を壊しちゃったみたいで申し訳ない……」
「いいの。今はエレットの許が私の家だから」
「あらぁ……お二人さん、熱々ですねぇ……」
「ちょ、何言ってるのよアオアシラ! ばっかじゃないの!?」
「あれぇ? 何でフラーさんが怒るんですかぁ?」
「別に怒ってなんかないわよ! ふん!」
「二人とも静かに。音が聞こえなくなる」
道は入り組んでいるようで、幾つかに分岐している。
音を頼りに進んでいくと……やはりここにも小型の心音がしない生命体がいた。
「やっぱりここにもいる! セイソー、小型の電撃銃を」
「承知シマシタ。マッピングを一時中断シマス」
「セイソーにはそのままマッピングさせておきなさい! 私たちがやるわ! ルシール。
電撃銃!」
「ボロ。承知しました。サンダースコードを装備シマス。生産国惑星シドー。二四二二年製」
「シェラハ。あれと同じの出せるの」
「同じの? もっと上のを出してあげるわ。ライトニングスコードを装備よ。生産国惑星シドー。
三〇〇二年製」
「三千年装備!? 嘘でしょ!?」
「このミシーハに嘘は無いわ! 最新鋭装備、取り付けちゃった。うふっ」
「うふじゃないわよ! 禁止レベルの極秘物じゃない、それって」
「いいのいいの。レグアちゃんのはちょーっと特別仕様だからね。ミシーハのお気に入りってことで」
「はぁ……いいなぁ」
「これ、どうやって使うの」
「セーフティロック解除用に指紋を銃口上部に当てなさい。
ロック解除したら敵に該当するものへ一度照準を合わせる。そうすると右に飛び出ている部分に
対象が移りこむでしょう?」
「映った」
「その画面を右にスライドなさい。自動追尾が開始されるわ。
同じ個体なら登録を呼び出せば再び自動追尾が開始される。習うより、慣れろ……ね」
水の中、流れに抵抗出来ず、大きな穴の先へ押し出されるようにして出た。
水の中を再び戻ろうとしても、激流により戻る事が難しい。
「参ったな。川に入ったら洞窟に出ちゃうとは思わなかった。セイソー、ここがどういう構造か
わかるか?」
「現在探索しておりマスガ、地層に何か阻害するようナ金属が含まれてオリ、難しいようデス」
「マッピングが出来ない……ということは磁鉄を多く含む金属かもしれないわね。
もしかしてここ、お宝ザクザクかもよー? くぅー! わくわくするぅ!」
「姉ちゃんが言うとなぁ……お宝作っちゃうような人間だから……」
「服を乾かしたいの」
「仕方ないわね。服くらい自分でどうにかして欲しいものだけど、優秀な私が乾かしてあげるわ」
「ふふっ。レグアさんも随分、ヘッツと仲良しになりましたねっ」
「ばう!」
「フラー、ルシールに俺の分も乾かさせてくれよ。セイソーはマッピングで忙しいんだ」
「し、仕方ないわね。使わせてあげてもいいわよ」
「ボロ。乾燥ならお任せください。フラー様のお風呂上りはいつも乾かしております」
「おお、お風呂なんて想像するんじゃないわよバカエレット!」
「へ? 風呂がどうかしたのか? ここは気温も低いしお風呂があったら確かに最高だけど」
全員で衣類を乾かすと、周囲の土部分などサンプルを採集する。
提出する素材にはならないが、これも十分な調査内容となる。
何せ地球の大地を再構築するとなると、基盤をきっちりしなければならない。
「こういうのはライチェ先輩とパルスナー先輩の役目なんだよなぁ……」
「あの二人は何してるのよ。私たちだけ任務に行かせて……」
「どっちも研究中じゃないか? グロウコーピオの素材からこの星の生命体について
調べてるんだと思う」
「どっちも研究オタクだしね……あれ? 何か聞こえない?」
「ん? 特に何も……いや、少し聞こえるか? 水の落ちる音か何かか?」
フラーの言う通り、わずかに洞窟の奥から音が聞こえた。
少々危険ではあるが、奥に行ってみる事に。
この洞窟は大人四人犬一匹横並びに歩いても、なんら問題ないほどに広い。
自然に出来た大空洞とでも言えばいいのだろうか。
「綺麗ね。こんな場所があるなんて知りもしなかった」
「あんたはどこで生活してたのよ」
「殆どが木の上。エレットがぶつかった木」
「あの上で生活してたのか!? 家を壊しちゃったみたいで申し訳ない……」
「いいの。今はエレットの許が私の家だから」
「あらぁ……お二人さん、熱々ですねぇ……」
「ちょ、何言ってるのよアオアシラ! ばっかじゃないの!?」
「あれぇ? 何でフラーさんが怒るんですかぁ?」
「別に怒ってなんかないわよ! ふん!」
「二人とも静かに。音が聞こえなくなる」
道は入り組んでいるようで、幾つかに分岐している。
音を頼りに進んでいくと……やはりここにも小型の心音がしない生命体がいた。
「やっぱりここにもいる! セイソー、小型の電撃銃を」
「承知シマシタ。マッピングを一時中断シマス」
「セイソーにはそのままマッピングさせておきなさい! 私たちがやるわ! ルシール。
電撃銃!」
「ボロ。承知しました。サンダースコードを装備シマス。生産国惑星シドー。二四二二年製」
「シェラハ。あれと同じの出せるの」
「同じの? もっと上のを出してあげるわ。ライトニングスコードを装備よ。生産国惑星シドー。
三〇〇二年製」
「三千年装備!? 嘘でしょ!?」
「このミシーハに嘘は無いわ! 最新鋭装備、取り付けちゃった。うふっ」
「うふじゃないわよ! 禁止レベルの極秘物じゃない、それって」
「いいのいいの。レグアちゃんのはちょーっと特別仕様だからね。ミシーハのお気に入りってことで」
「はぁ……いいなぁ」
「これ、どうやって使うの」
「セーフティロック解除用に指紋を銃口上部に当てなさい。
ロック解除したら敵に該当するものへ一度照準を合わせる。そうすると右に飛び出ている部分に
対象が移りこむでしょう?」
「映った」
「その画面を右にスライドなさい。自動追尾が開始されるわ。
同じ個体なら登録を呼び出せば再び自動追尾が開始される。習うより、慣れろ……ね」
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
就職面接の感ドコロ!?
フルーツパフェ
大衆娯楽
今や十年前とは真逆の、売り手市場の就職活動。
学生達は賃金と休暇を貪欲に追い求め、いつ送られてくるかわからない採用辞退メールに怯えながら、それでも優秀な人材を発掘しようとしていた。
その業務ストレスのせいだろうか。
ある面接官は、女子学生達のリクルートスーツに興奮する性癖を備え、仕事のストレスから面接の現場を愉しむことに決めたのだった。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
クビになったアイツ、幼女になったらしい
東山統星
ファンタジー
簡単説明→追放されたから飯に困って果物食ったら幼女になった。しかもかなり強くなったっぽい。
ひとりの不運なナイスガイがいた。彼はラークという名前で、つい最近賞金首狩り組織をクビになったのである。そしてなんの因果か、あしたの飯に困ったラークは美味しそうなりんごを口にして、なんと金髪緑目の幼女になってしまった。
しかしラークにとって、これは新たなるチャンスでもあった。幼女になったことで魔術の腕が爆発的に飛躍し、陰謀とチャンスが眠る都市国家にて、成り上がりを果たす機会を与えられたのだ。
これは、『魔術と技術の国』ロスト・エンジェルスにて、ラークとその仲間たち、そしてラークの恋人たちが生き残りと成り上がりを懸けて挑み続ける物語である。
*表紙はAI作成です。
*他サイトにも載ってるよ
令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました
フルーツパフェ
大衆娯楽
とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。
曰く、全校生徒はパンツを履くこと。
生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?
史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
後悔と快感の中で
なつき
エッセイ・ノンフィクション
後悔してる私
快感に溺れてしまってる私
なつきの体験談かも知れないです
もしもあの人達がこれを読んだらどうしよう
もっと後悔して
もっと溺れてしまうかも
※感想を聞かせてもらえたらうれしいです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる