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42th 新しい装備を使ってみたい
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シロッコを抱えたまま、仁青井を追っていった不知火・青井を追いかけるレグア。
そもそも試合はバッジを奪えば終わるはずなのだが、どの選手もそれを忘れて行動している。
「あっちかな」
「ばう!」
「こっちなのね」
「ばうー!」
レグアの懐から再び飛び跳ねて、近くの木の上に登るシロッコ。かなり上空を見ているようだった。
「エレットにもらったこの銃、使ってみたいの。こうかな」
レグアはカスタマイズカービンガンを構え、上空へ銃口を向ける。
パァーンという甲高い音とともに射出されるそれは、弾丸ではない。捕縛網だ。
マテリアラーズでは、隊員が命の危機でない場合、無駄な殺生を固く禁じている。
そのため、捕獲を目的とした装備を多く取り揃えており、対象を麻痺させたり、捕縛網
で捕縛したり、嗣明させたりして持ち帰る事が殆ど。
未知なる生命体においても、命を尊重して丁寧に扱われている。
さらにこの捕縛網は、特殊な金属で加工されており、生命体のように動き、勝手に銃口まで戻っていく。
これは網一つ一つにAIが搭載され、何かしらの捕縛対象が引っかからない場合に、元の形状へ戻るよう
プログラミングが組み込まれている。引っかかった場合は、沈静ガスが噴き出し、抵抗力を下げるよう
セイソーにより調整された。
「これでさっきの人を捕えればいいの」
「うー……ばふ!」
「このドンタスを無視して行かないで欲しいねぇ。君には一発殴られたからお返しが……」
パァーン! という甲高い音が再び聞こえると、ドンタスを捕縛網でグルグル固めにするレグア。
ドンタスは運営側より一つ、厳しい条件を設定されていた。
マップに出たら攻撃を避けるな。
そう設定された影響で、レグアの最初の攻撃も避ける事ができなかった。
沈静ガスが噴き出し、視界が悪くなる。
そこへ、ミキサスキャロライナが追撃をかけた。先ほどの攻撃で怒り心頭。
レグアのことなどまるで視界に入っていない。
「見ツケマーシタ! 亀親父、覚悟しろやシネェー!」
再びパァーンという甲高い音がして、捕縛網でぐるぐる巻きになるミキサスキャロライナ。
「ばふっ」
「えっ? それ、ワターシのバッジ!」
「オーーーーッホッホッホッホッホ! ざまぁないわね! ミキサス・キャロライナ。バッジを奪われたので
敗退よ!」
「オウノォーーー! アーリエマセーーン!」
「うー、わう! ワウワウワウ!」
「どうしたの。シロッコ。まだ何かいるのね。そうだ。このカチューシャで。
こっちへ来て。ここで思いきり吠えてみて」
「ばふ? ワウワウ! ワウワウ! ワオーン!」
「ビークワイエット! シャラップ!」
何もない場所から突如、レーザーのような波動がシロッコたちに浴びせられる。
咄嗟に腕をシールドにして防ぐレグア。だがレーザーが放たれた先にはやはり何も見当たらない。
「透明人間か何かなの」
「ばう! ……くぅーん」
「やはり見失った。このままではらちがあかない。やはり一度アオアシラと合流しましょう」
「ばう!」
捕縛網が絡まって動けないドンタスを放置し、再びシロッコの案内で不知火・青井を探す二人。
しかし不知火・青井はバッジを奪われ、敗退していた。
「ぐぅ……やっぱお兄ちゃんに、勝てないの……」
「お前は目立ちすぎる。忍再興には向かないんだよ」
バッジをくるくると手の上で回しながらそう告げると、レグアとシロッコに襲いかかる!
そもそも試合はバッジを奪えば終わるはずなのだが、どの選手もそれを忘れて行動している。
「あっちかな」
「ばう!」
「こっちなのね」
「ばうー!」
レグアの懐から再び飛び跳ねて、近くの木の上に登るシロッコ。かなり上空を見ているようだった。
「エレットにもらったこの銃、使ってみたいの。こうかな」
レグアはカスタマイズカービンガンを構え、上空へ銃口を向ける。
パァーンという甲高い音とともに射出されるそれは、弾丸ではない。捕縛網だ。
マテリアラーズでは、隊員が命の危機でない場合、無駄な殺生を固く禁じている。
そのため、捕獲を目的とした装備を多く取り揃えており、対象を麻痺させたり、捕縛網
で捕縛したり、嗣明させたりして持ち帰る事が殆ど。
未知なる生命体においても、命を尊重して丁寧に扱われている。
さらにこの捕縛網は、特殊な金属で加工されており、生命体のように動き、勝手に銃口まで戻っていく。
これは網一つ一つにAIが搭載され、何かしらの捕縛対象が引っかからない場合に、元の形状へ戻るよう
プログラミングが組み込まれている。引っかかった場合は、沈静ガスが噴き出し、抵抗力を下げるよう
セイソーにより調整された。
「これでさっきの人を捕えればいいの」
「うー……ばふ!」
「このドンタスを無視して行かないで欲しいねぇ。君には一発殴られたからお返しが……」
パァーン! という甲高い音が再び聞こえると、ドンタスを捕縛網でグルグル固めにするレグア。
ドンタスは運営側より一つ、厳しい条件を設定されていた。
マップに出たら攻撃を避けるな。
そう設定された影響で、レグアの最初の攻撃も避ける事ができなかった。
沈静ガスが噴き出し、視界が悪くなる。
そこへ、ミキサスキャロライナが追撃をかけた。先ほどの攻撃で怒り心頭。
レグアのことなどまるで視界に入っていない。
「見ツケマーシタ! 亀親父、覚悟しろやシネェー!」
再びパァーンという甲高い音がして、捕縛網でぐるぐる巻きになるミキサスキャロライナ。
「ばふっ」
「えっ? それ、ワターシのバッジ!」
「オーーーーッホッホッホッホッホ! ざまぁないわね! ミキサス・キャロライナ。バッジを奪われたので
敗退よ!」
「オウノォーーー! アーリエマセーーン!」
「うー、わう! ワウワウワウ!」
「どうしたの。シロッコ。まだ何かいるのね。そうだ。このカチューシャで。
こっちへ来て。ここで思いきり吠えてみて」
「ばふ? ワウワウ! ワウワウ! ワオーン!」
「ビークワイエット! シャラップ!」
何もない場所から突如、レーザーのような波動がシロッコたちに浴びせられる。
咄嗟に腕をシールドにして防ぐレグア。だがレーザーが放たれた先にはやはり何も見当たらない。
「透明人間か何かなの」
「ばう! ……くぅーん」
「やはり見失った。このままではらちがあかない。やはり一度アオアシラと合流しましょう」
「ばう!」
捕縛網が絡まって動けないドンタスを放置し、再びシロッコの案内で不知火・青井を探す二人。
しかし不知火・青井はバッジを奪われ、敗退していた。
「ぐぅ……やっぱお兄ちゃんに、勝てないの……」
「お前は目立ちすぎる。忍再興には向かないんだよ」
バッジをくるくると手の上で回しながらそう告げると、レグアとシロッコに襲いかかる!
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