30 / 130
30th レグアのマテリアラーズ選抜試験
しおりを挟む
「よう! いらっしゃい」
「父さん、先回りしてたんだね」
「いや? 今来たトコ。後処理が面倒になってぜーんぶ中佐に任せてきた」
「ひっでぇ。絶対釣り目になってるじゃん。あの人怖いから怒らせない方がいいって」
「それはそうなんだけどね。やらないと覚えないでしょ。こういうのってさ」
「そんなポンポン起こる事件じゃないから! 父さんだって経験ないでしょ!」
「あはは。ついつい部下が頑張る姿が見たくなってね。それより……似合ってるね二人とも。
ファッションピンクが実にいい」
すっとエレットの後ろに隠れる二人。それを見て頭を掻くエレヴィン。
「あらー。なんか引かれてるなぁ。ととっ。それよりレグアちゃん。随分とパープラに
文句を言われたけど、これからマテリアラーズ選抜試験を開始する。登録名はここで
自由につけられるが、一度つけたら変更はできない。君は今の名前でいいのかい?」
「うん。エレットがつけてくれた名前。気に入ってる」
「そうか。コードネームに関しては別途つく可能性があるが、呼び名はレグアで登録しよう。
会場登録はあっちだ。エレット。登録よろしく。エレハもまたな」
「わかってるよ。父さんも見ていくのか?」
「そのつもりだ。随分と派手な大立ち回りを見ちゃったからね。今回の採用枠は二人だ。
エレットが連れてきた人物でも、不採用は十分あり得る。検討を祈るよ」
「あんなこと言って炊きつけてはいるけど、あんな父さんの目を見るのは久しぶりだな」
「怯えられているのかな」
「いいや違う。戦ってみたい……そんな感じの目だ。でも絶対そうは言わない」
「どうして」
「女性にはめっぽう弱いんだ、あの人。弱点といってもいいかな。対処はするけど攻撃は出来ない」
「そうなの」
「それじゃヘタレじゃない! とんでもない悪女だったらどうするのよ!」
「うーん。あの人なら攻撃せず縄で縛りあげるくらいの事はやってのけるからなぁ」
自分の父親ながら、動きを想像するだけでも身震いする。
しかし優しい人物であることは十分知っている。
「マスター。そろそろ登録しまセント」
「そうだった。レグア。ついてきて。フラーと姉ちゃんは先に観戦席に行ってていいよ」
「特製スイーツ、取り寄せで頼んじゃった。ちゃんとここまで来るかしら」
「どれどれー……うん。届くように調整してあげる。エレットも食べる?」
「緊張感全くないな。俺はいいよ。試験内容によっては胃もたれしそうだし」
受付にレグアを連れて行き、登録手続きをする。
生体認証と火力認証、ハプニング認証をまず行う。
この三重認証が主流で、どれが欠けてもうまくいかない。
生体認証は文字通り、身体的特徴で認証。火力認証は一撃の威力。そしてハプニング認証は
登録時の脳内で一番強い思念を登録する。
レグアは何だったんだろう?
「特製スィーツ。特製スィーツ……特製スィーツ……」
「特製スィーツってわかっちゃうやつだった……」
全ての認証が終了すると、トースターのようにニョキっと一枚、カードのようなものが現れる。
これは本人以外持つことを禁止されているカードだ。
「はいお嬢さん。それを手に取って、手の甲に乗せてね……そのまま。馴染んでくるから。
はい、いいよ」
「消えた」
「消えたんじゃなくて入力したんだよ。しばらくしたら番号も出るから。
今回がだめでも次回同じ番号で再選できるからね。頑張っておいで」
「ありがとう。私の番号、これかな。ALL零」
「それ、身体的特徴を強く表す番号になりやすいんだけど、文字通り零か。
俺が付き添えるのもここまで。ここからはレグアの頑張り次第だ。観客席で応援してるから。
がんばって!」
「うん。直ぐ終わらせて特製スィーツ食べに行くね」
「そんなに直ぐ終わるかな? 特製スィーツはまた用意できるから」
「大丈夫、直ぐ終わらせる」
「父さん、先回りしてたんだね」
「いや? 今来たトコ。後処理が面倒になってぜーんぶ中佐に任せてきた」
「ひっでぇ。絶対釣り目になってるじゃん。あの人怖いから怒らせない方がいいって」
「それはそうなんだけどね。やらないと覚えないでしょ。こういうのってさ」
「そんなポンポン起こる事件じゃないから! 父さんだって経験ないでしょ!」
「あはは。ついつい部下が頑張る姿が見たくなってね。それより……似合ってるね二人とも。
ファッションピンクが実にいい」
すっとエレットの後ろに隠れる二人。それを見て頭を掻くエレヴィン。
「あらー。なんか引かれてるなぁ。ととっ。それよりレグアちゃん。随分とパープラに
文句を言われたけど、これからマテリアラーズ選抜試験を開始する。登録名はここで
自由につけられるが、一度つけたら変更はできない。君は今の名前でいいのかい?」
「うん。エレットがつけてくれた名前。気に入ってる」
「そうか。コードネームに関しては別途つく可能性があるが、呼び名はレグアで登録しよう。
会場登録はあっちだ。エレット。登録よろしく。エレハもまたな」
「わかってるよ。父さんも見ていくのか?」
「そのつもりだ。随分と派手な大立ち回りを見ちゃったからね。今回の採用枠は二人だ。
エレットが連れてきた人物でも、不採用は十分あり得る。検討を祈るよ」
「あんなこと言って炊きつけてはいるけど、あんな父さんの目を見るのは久しぶりだな」
「怯えられているのかな」
「いいや違う。戦ってみたい……そんな感じの目だ。でも絶対そうは言わない」
「どうして」
「女性にはめっぽう弱いんだ、あの人。弱点といってもいいかな。対処はするけど攻撃は出来ない」
「そうなの」
「それじゃヘタレじゃない! とんでもない悪女だったらどうするのよ!」
「うーん。あの人なら攻撃せず縄で縛りあげるくらいの事はやってのけるからなぁ」
自分の父親ながら、動きを想像するだけでも身震いする。
しかし優しい人物であることは十分知っている。
「マスター。そろそろ登録しまセント」
「そうだった。レグア。ついてきて。フラーと姉ちゃんは先に観戦席に行ってていいよ」
「特製スイーツ、取り寄せで頼んじゃった。ちゃんとここまで来るかしら」
「どれどれー……うん。届くように調整してあげる。エレットも食べる?」
「緊張感全くないな。俺はいいよ。試験内容によっては胃もたれしそうだし」
受付にレグアを連れて行き、登録手続きをする。
生体認証と火力認証、ハプニング認証をまず行う。
この三重認証が主流で、どれが欠けてもうまくいかない。
生体認証は文字通り、身体的特徴で認証。火力認証は一撃の威力。そしてハプニング認証は
登録時の脳内で一番強い思念を登録する。
レグアは何だったんだろう?
「特製スィーツ。特製スィーツ……特製スィーツ……」
「特製スィーツってわかっちゃうやつだった……」
全ての認証が終了すると、トースターのようにニョキっと一枚、カードのようなものが現れる。
これは本人以外持つことを禁止されているカードだ。
「はいお嬢さん。それを手に取って、手の甲に乗せてね……そのまま。馴染んでくるから。
はい、いいよ」
「消えた」
「消えたんじゃなくて入力したんだよ。しばらくしたら番号も出るから。
今回がだめでも次回同じ番号で再選できるからね。頑張っておいで」
「ありがとう。私の番号、これかな。ALL零」
「それ、身体的特徴を強く表す番号になりやすいんだけど、文字通り零か。
俺が付き添えるのもここまで。ここからはレグアの頑張り次第だ。観客席で応援してるから。
がんばって!」
「うん。直ぐ終わらせて特製スィーツ食べに行くね」
「そんなに直ぐ終わるかな? 特製スィーツはまた用意できるから」
「大丈夫、直ぐ終わらせる」
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
就職面接の感ドコロ!?
フルーツパフェ
大衆娯楽
今や十年前とは真逆の、売り手市場の就職活動。
学生達は賃金と休暇を貪欲に追い求め、いつ送られてくるかわからない採用辞退メールに怯えながら、それでも優秀な人材を発掘しようとしていた。
その業務ストレスのせいだろうか。
ある面接官は、女子学生達のリクルートスーツに興奮する性癖を備え、仕事のストレスから面接の現場を愉しむことに決めたのだった。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました
フルーツパフェ
大衆娯楽
とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。
曰く、全校生徒はパンツを履くこと。
生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?
史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。
クビになったアイツ、幼女になったらしい
東山統星
ファンタジー
簡単説明→追放されたから飯に困って果物食ったら幼女になった。しかもかなり強くなったっぽい。
ひとりの不運なナイスガイがいた。彼はラークという名前で、つい最近賞金首狩り組織をクビになったのである。そしてなんの因果か、あしたの飯に困ったラークは美味しそうなりんごを口にして、なんと金髪緑目の幼女になってしまった。
しかしラークにとって、これは新たなるチャンスでもあった。幼女になったことで魔術の腕が爆発的に飛躍し、陰謀とチャンスが眠る都市国家にて、成り上がりを果たす機会を与えられたのだ。
これは、『魔術と技術の国』ロスト・エンジェルスにて、ラークとその仲間たち、そしてラークの恋人たちが生き残りと成り上がりを懸けて挑み続ける物語である。
*表紙はAI作成です。
*他サイトにも載ってるよ
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
後悔と快感の中で
なつき
エッセイ・ノンフィクション
後悔してる私
快感に溺れてしまってる私
なつきの体験談かも知れないです
もしもあの人達がこれを読んだらどうしよう
もっと後悔して
もっと溺れてしまうかも
※感想を聞かせてもらえたらうれしいです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる