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21th クルエルクラウド総司令、オルクスを回収、AN八式、S七式登場
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オルクス設置場所前――――。
「エカルラート司令。事は順調ですなぁ」
「どこがだ。ガルマイラ。たった一機手に入れるだけで随分と骨を折らされたではないか」
「そうは言いますけどね。月の警備は常に盤石。エルヴィンの野郎をまくのだって随分と骨だったんですよ?」
「戦闘狂のあやつへの情報遮断が一番苦労させられた。地球にしがみつく哀れな男が
我々の活動をこれみよがしに邪魔してくれたものだ」
「確かに哀れですね。あの星の再生など、一体何の意味があるのか到底理解できませんな」
「ふん。宇宙全体が騒がしい時に偽善事ばかり並べて何になる。マテリアラーズ? そんな小さな集団が
地球を復活させることなど出来るはずがなかろう」
「ごもっともで。いっそのこと地球を爆破……なんてのはどうです?」
「バカを言うな! 地球だけならどうでもいい話だが、木製や水星、火星にまで影響がでるだろう! 失言にもほどがあるぞ!」
「こりゃ失礼しました。司令が随分と地球にお怒りだったようでつい」
「ふん。あのような星など興味がないだけだ。それより、ミシーハ博士は見つかったか?」
「ダメですね。もう月から離脱したかもしれません。オルクスと合わせて手に入れば万々歳だったんですがね」
「宇宙の頭脳は未だ届かぬか……ミシーハの詳細情報は手に入ったか?」
「そちらもダメですね。まったく一部の隙もありゃしない。お手上げですよ、そちらはね」
エカルラートとガルマイラが話し込んでいるところ、兵士が近づき敬礼をする。
軍令であり目つきが鋭い。
「エカルラート大佐。今日もお綺麗で。ガルマイラ中尉は相変わらずのしかめっ面で」
「ヴィンナーか。オルクス収容はまだか」
「とっくに完了してますよ。ただ、燃料が見当たらない。これ以上は時間をかけられないんでね。
報告にきたんですよ」
「ちっ。別途手配するしかないか……ステルス部隊を十機残していく。好きに使え。
……皆、聞け! これより撤退を開始する。各員配置につけ! いいか、何としても冥王星に持ち帰り、主戦力とする! 全てはCCの未来のために!」
『はっ! 全てはCCの未来のために!』
「ガルマイラ。貴様はヴィンナーの指揮を取れ。AN八式では不服だろうが、カスタマイズはシドー制だ」
「AN八式ねぇ。シドー製ならそれはもうAN八式とは呼ばないでしょう。
立派な最新機体だ」
「出力はそこまで出ないだろう。十分に気を付けるんだな。エルヴィンに遭遇したら直ぐに避難しろ」
「わかってますよ。命あっての物だねだ。化け物相手に一分と持たせる自信はありませんね」
「ヴィンナー! 貴様は障壁中心にS七式で式展開しろ。怪しいやつがいたら捕えて連行しろ。
出来る限り民間人には手を出すなよ。わかっているな!」
「わかってますって。ガキと女にゃめっぽう優しいんですぜ、俺は」
「ハイネズミが。足元救われるなよ」
「おっとこりゃ手厳しい。それじゃ後ほど」
ヴィンナーと呼ばれた男はステルス機であるS七式という小型搭乗タイプの機体に乗り込む。
式を取るガルマイラ中尉はAN八式という薄い白の機体に登場し、行動を開始した。
「エカルラート司令。事は順調ですなぁ」
「どこがだ。ガルマイラ。たった一機手に入れるだけで随分と骨を折らされたではないか」
「そうは言いますけどね。月の警備は常に盤石。エルヴィンの野郎をまくのだって随分と骨だったんですよ?」
「戦闘狂のあやつへの情報遮断が一番苦労させられた。地球にしがみつく哀れな男が
我々の活動をこれみよがしに邪魔してくれたものだ」
「確かに哀れですね。あの星の再生など、一体何の意味があるのか到底理解できませんな」
「ふん。宇宙全体が騒がしい時に偽善事ばかり並べて何になる。マテリアラーズ? そんな小さな集団が
地球を復活させることなど出来るはずがなかろう」
「ごもっともで。いっそのこと地球を爆破……なんてのはどうです?」
「バカを言うな! 地球だけならどうでもいい話だが、木製や水星、火星にまで影響がでるだろう! 失言にもほどがあるぞ!」
「こりゃ失礼しました。司令が随分と地球にお怒りだったようでつい」
「ふん。あのような星など興味がないだけだ。それより、ミシーハ博士は見つかったか?」
「ダメですね。もう月から離脱したかもしれません。オルクスと合わせて手に入れば万々歳だったんですがね」
「宇宙の頭脳は未だ届かぬか……ミシーハの詳細情報は手に入ったか?」
「そちらもダメですね。まったく一部の隙もありゃしない。お手上げですよ、そちらはね」
エカルラートとガルマイラが話し込んでいるところ、兵士が近づき敬礼をする。
軍令であり目つきが鋭い。
「エカルラート大佐。今日もお綺麗で。ガルマイラ中尉は相変わらずのしかめっ面で」
「ヴィンナーか。オルクス収容はまだか」
「とっくに完了してますよ。ただ、燃料が見当たらない。これ以上は時間をかけられないんでね。
報告にきたんですよ」
「ちっ。別途手配するしかないか……ステルス部隊を十機残していく。好きに使え。
……皆、聞け! これより撤退を開始する。各員配置につけ! いいか、何としても冥王星に持ち帰り、主戦力とする! 全てはCCの未来のために!」
『はっ! 全てはCCの未来のために!』
「ガルマイラ。貴様はヴィンナーの指揮を取れ。AN八式では不服だろうが、カスタマイズはシドー制だ」
「AN八式ねぇ。シドー製ならそれはもうAN八式とは呼ばないでしょう。
立派な最新機体だ」
「出力はそこまで出ないだろう。十分に気を付けるんだな。エルヴィンに遭遇したら直ぐに避難しろ」
「わかってますよ。命あっての物だねだ。化け物相手に一分と持たせる自信はありませんね」
「ヴィンナー! 貴様は障壁中心にS七式で式展開しろ。怪しいやつがいたら捕えて連行しろ。
出来る限り民間人には手を出すなよ。わかっているな!」
「わかってますって。ガキと女にゃめっぽう優しいんですぜ、俺は」
「ハイネズミが。足元救われるなよ」
「おっとこりゃ手厳しい。それじゃ後ほど」
ヴィンナーと呼ばれた男はステルス機であるS七式という小型搭乗タイプの機体に乗り込む。
式を取るガルマイラ中尉はAN八式という薄い白の機体に登場し、行動を開始した。
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