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5st パルスナー、ライチェ先輩
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「あまりにもおめぇが待たせすぎるからよぉ。逃がしちまったかもしれねぇんだぞ。
わかってんのか? レアランクの素材だよレアランクの! あぁ!? ちゃんと直ぐ戻って来いって言ったよな俺ぁよ」
「さーせんでした、パルスナー先輩! か、代わりにこれを……」
「てめぇ、まだ説教は……リージョニアの部分が肥大化している石だと? この鋭角な角度に洗練された色は
どういうわけだ。水落ちして磨かれた上に何かの衝撃を与え続けた結果石そのものの変化が起きたか……
或いは……」
「よし! パルスナー先輩の研究癖が始まった。どうにかこれで助かりそうだ!」
「何か一つの事に没頭するタイプですカラ。でもマスター、そんなに甘くないですヨ」
ゴチィーーーン! と何者かがエレットの頭を小突く。
「いってぇーーー! げっ、ライチェ先輩まで!?」
「あんたねぇ。帰ったら帰ったでちゃんと報告があるでしょ? 一体どういうわけ? これ誰よ。
先住民連れてきちゃったの? あんた始末書ものよ、これ」
「ライチェ様。マスターは行きがかり上で新しい生命体を発見しまシタ。こちらが資料になりマス。
仕留めたのがこちらのレグア様デス」
「あら、未登録発見者だったの。褒章を受け取る手配だったのね。それならこっちへ来て。
今手配するわ」
「あの。何か貰っても私には必要ないから」
「何言ってるの。お金はこの惑星区間では共通でしょ。人型もいる惑星だったのね、ここは」
「わからない。私以外に私と同じ形のもの。見たことないから」
「ふぅーん。絶滅種? ちょっとだけ照合させてくれないかな。ダメ?」
「ライチェ様。人型種族に照合パラサーは使用不可能デス」
「ふっふーん。新型があ・る・の・よ! じゃじゃーん。新型パラサーMI・YA・BU・RIよ! えいっ!」
【エラー、エラー、エラー、エラー】
「だから言ったじゃありまセンカ。不可能デス」
「……おかしいわ。不一致の場合はエラーじゃなくて不一致と出るのに」
「確かにそうでスネ。どういう……」
「うわー! パルスナー先輩、本当すんませんでしたー!」
そうこうしてる間にパルスナーにボコボコにされているエレット。
ボロ雑巾のようになり反省中の紙を額に張られる。
「説教はこんなもんにして……お前ら戻ってる最中通信途絶えただろ。
あれはな……いや待て」
ゴチーーーン!
「いってぇーー! まだやるんすか先輩ー!」
「お前があの時バカと言ってたのを思い出してな。もう一発」
ゴチィーン! とエレットが殴られてる間にレグアが話始める。
「あの時、襲われた。この星に多く生存するあいつらに」
「パルスナー様。こちらの素材をご確認クダサイ」
「ほう。これは……襲ってきた奴か。新しい素材だな。生命体レベルはどうだ」
「さほど高い個体では無かったようデス。撃破はこちらのレグア様が行いマシタ」
「ほう。お前、戦えるのか。さっきちらっと話が聞こえたが、戦いに興味あるか?」
「ちょっとパルスナー。あんた何言ってるの。この子、先住民でしょ?」
「私は私がわからない。私は一人、戦いながら生きてきた。私以外は違う形、話も通じなかった。
話が通じるのはあなたたちが初めて」
「どういうことだ。おいエレット説明し……あ、ダメだ。のびちまった」
「少しお飲み物を入れマショウ。マスターが目覚めるまでレグア様もゆっくりされてハ?」
「そうだな。俺はこの素材を調べたい。ライチェ。案内してやれ」
「まったく困ったわね。まぁいいわ。ついて来て、レグアさん」
「レグアで構わない。エレットは?」
「放っておいても平気よ。頑丈だから」
エレットを一人廊下に残して奥の部屋へ案内されるレグア。広い空間に椅子と長テーブルがある。
席に座るとポチポチと席を押す。するとテーブルの中から飲み物がでてきた。
「どうぞ。といってもあなたの口に合うかどうか。あなた、心音がしないけど本当に生物?」
「わからない。私は私の事も何もかも、わからないの」
「そう……うーーん、正直に言うとね……私、ものすごーーくあなたを調べてみたいの。
だめかしら?」
「構わない。私も私の事が知りたい」
「ありがとう。まずはその飲み物飲めるか試してみて。味とか、熱さとか、感じる?」
「感じる。これはかなり熱い。そのままは飲めそうにない。匂いもする。香ばしい感じがする」
「やっぱり人型よね。五感はありそうだわ。ごめんね、痛かったら言って」
「痛くない。感じない」
「痛覚がないわね。触られてるのはわかるかしら」
「わかる。暖かさも感じる。エレットの首をつかんだ時も感じた」
「首って……それはどうでもよかったわ。それじゃ今度は服を脱いで。上だけでいいわ」
「わかった。こう?」
「いやーー先輩の拳は相変わらずいてぇー! すっげー痺れた。レグア、ここにいたか! あ……」
「はい、回れ右! タイミング最悪!」
「すみませんでしたーー!」
わかってんのか? レアランクの素材だよレアランクの! あぁ!? ちゃんと直ぐ戻って来いって言ったよな俺ぁよ」
「さーせんでした、パルスナー先輩! か、代わりにこれを……」
「てめぇ、まだ説教は……リージョニアの部分が肥大化している石だと? この鋭角な角度に洗練された色は
どういうわけだ。水落ちして磨かれた上に何かの衝撃を与え続けた結果石そのものの変化が起きたか……
或いは……」
「よし! パルスナー先輩の研究癖が始まった。どうにかこれで助かりそうだ!」
「何か一つの事に没頭するタイプですカラ。でもマスター、そんなに甘くないですヨ」
ゴチィーーーン! と何者かがエレットの頭を小突く。
「いってぇーーー! げっ、ライチェ先輩まで!?」
「あんたねぇ。帰ったら帰ったでちゃんと報告があるでしょ? 一体どういうわけ? これ誰よ。
先住民連れてきちゃったの? あんた始末書ものよ、これ」
「ライチェ様。マスターは行きがかり上で新しい生命体を発見しまシタ。こちらが資料になりマス。
仕留めたのがこちらのレグア様デス」
「あら、未登録発見者だったの。褒章を受け取る手配だったのね。それならこっちへ来て。
今手配するわ」
「あの。何か貰っても私には必要ないから」
「何言ってるの。お金はこの惑星区間では共通でしょ。人型もいる惑星だったのね、ここは」
「わからない。私以外に私と同じ形のもの。見たことないから」
「ふぅーん。絶滅種? ちょっとだけ照合させてくれないかな。ダメ?」
「ライチェ様。人型種族に照合パラサーは使用不可能デス」
「ふっふーん。新型があ・る・の・よ! じゃじゃーん。新型パラサーMI・YA・BU・RIよ! えいっ!」
【エラー、エラー、エラー、エラー】
「だから言ったじゃありまセンカ。不可能デス」
「……おかしいわ。不一致の場合はエラーじゃなくて不一致と出るのに」
「確かにそうでスネ。どういう……」
「うわー! パルスナー先輩、本当すんませんでしたー!」
そうこうしてる間にパルスナーにボコボコにされているエレット。
ボロ雑巾のようになり反省中の紙を額に張られる。
「説教はこんなもんにして……お前ら戻ってる最中通信途絶えただろ。
あれはな……いや待て」
ゴチーーーン!
「いってぇーー! まだやるんすか先輩ー!」
「お前があの時バカと言ってたのを思い出してな。もう一発」
ゴチィーン! とエレットが殴られてる間にレグアが話始める。
「あの時、襲われた。この星に多く生存するあいつらに」
「パルスナー様。こちらの素材をご確認クダサイ」
「ほう。これは……襲ってきた奴か。新しい素材だな。生命体レベルはどうだ」
「さほど高い個体では無かったようデス。撃破はこちらのレグア様が行いマシタ」
「ほう。お前、戦えるのか。さっきちらっと話が聞こえたが、戦いに興味あるか?」
「ちょっとパルスナー。あんた何言ってるの。この子、先住民でしょ?」
「私は私がわからない。私は一人、戦いながら生きてきた。私以外は違う形、話も通じなかった。
話が通じるのはあなたたちが初めて」
「どういうことだ。おいエレット説明し……あ、ダメだ。のびちまった」
「少しお飲み物を入れマショウ。マスターが目覚めるまでレグア様もゆっくりされてハ?」
「そうだな。俺はこの素材を調べたい。ライチェ。案内してやれ」
「まったく困ったわね。まぁいいわ。ついて来て、レグアさん」
「レグアで構わない。エレットは?」
「放っておいても平気よ。頑丈だから」
エレットを一人廊下に残して奥の部屋へ案内されるレグア。広い空間に椅子と長テーブルがある。
席に座るとポチポチと席を押す。するとテーブルの中から飲み物がでてきた。
「どうぞ。といってもあなたの口に合うかどうか。あなた、心音がしないけど本当に生物?」
「わからない。私は私の事も何もかも、わからないの」
「そう……うーーん、正直に言うとね……私、ものすごーーくあなたを調べてみたいの。
だめかしら?」
「構わない。私も私の事が知りたい」
「ありがとう。まずはその飲み物飲めるか試してみて。味とか、熱さとか、感じる?」
「感じる。これはかなり熱い。そのままは飲めそうにない。匂いもする。香ばしい感じがする」
「やっぱり人型よね。五感はありそうだわ。ごめんね、痛かったら言って」
「痛くない。感じない」
「痛覚がないわね。触られてるのはわかるかしら」
「わかる。暖かさも感じる。エレットの首をつかんだ時も感じた」
「首って……それはどうでもよかったわ。それじゃ今度は服を脱いで。上だけでいいわ」
「わかった。こう?」
「いやーー先輩の拳は相変わらずいてぇー! すっげー痺れた。レグア、ここにいたか! あ……」
「はい、回れ右! タイミング最悪!」
「すみませんでしたーー!」
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