119 / 144
魔術書を手にしたシロンは詠唱を開始します
しおりを挟む
「でんでんごろごろでんごろー。ごろごろピョンピョンウサ魔導書鑑定!」
「語呂が悪い!」
「……結果が出たウサ。これは!」
【歌ってしまう魔導書】
「と出たウサ」
「……はい?」
「石化する魔導書と出たウサ」
「専門家でお詳しいサルサさん、解説をお願いします」
「私に言われてもね……って誰が専門家よ! 自己肉体強化系魔法の類かしら」
「そんな! 俺はもっとこう、ファイアボール! とかウインドカッター! とか、ブラ
ックホール! とかとか中二病的な奴だとばかり思ってたわけですよ! それが何です
か! 石化する魔導書って。どうするんですか、これぇ……」
「お金は頂いたウサ。毎度ありウサ。良い買い物したウサ」
「試しに使ってみたらどう? ちなみに借金はゆっくり返してくれてもいいわよ」
「ぐぬぅ……どうやって使うんだろう?」
「魔導書はスクロールウサ。頁を開いてこれで印を押して読めば消えるウサ」
「買っちゃったんだし早く押しちゃいなさい」
「はぁい……シクシク。俺のダムドやハーロイーンやらがぁ……」
「お止めなさい」
渋々石化する魔導書とやらに俺の肉球スタンプを押しあてます。
そして……中を見ると、するすると文字が頭に入るではありませんか!
不思議!
えーと呪文は……「我が意をもって全てを防ぐ巨大な魔石と化せ。グレートマジックス
トーン?」
「ちょ、待つウサ! それ巨大化……」
「あっ」
俺が発動したその術が発動。
何と俺は……巨大な犬石像になりました!
何処でだって? それは勿論鑑定ウサギの鑑定ハウスです。
巨大化するわけですから家は当然粉々です。
フィラデルフィアに新たな名物、巨大な犬魔石が爆誕しました!
「……ええっと、それじゃ私たちはこれで……」
「シロンちゃんすごぉーい! 竜より大きくなれるね! 今すぐ戦いに行こ!」
「ご主人、石化してるからどうみても戦えないニャ……」
「でも考えてみればこれって……私たちの盾になるんじゃない? 良かったわね。
うちのパーティーで最も不足してるのが盾だわ」
「それはいい考えニャ! 盾の隙間からホースで攻撃してやるニャ!」
「……」
俺は気付いてしまいました。
石化したら喋れなくない? どうすればいいの、これ?
戻し方分からないよ?
「シロン、そろそろ戻りなさい。学校へ行って鑑定するんでしょ」
「そうだった! 私たち、事件解決への協力で大学への入学費用免除らしいよ!」
「本当ニャ? やったニャ。ニャトルの最強剣を作ってやるニャ」
「あんた、どうやって剣使うのよ……」
「尻尾ののケンを強化するニャ。ニャゴハーッハッハッハ!」
「さっきホースで戦うって言わなかったかしら……」
「……」
うおおーーい! 置いてけぼりだよー! 主人公何も喋れないってどうなのさ!
でも、大学費用免除はやったね! でも旅のついでだからそんなに長居はしてら
れないだろうなぁ。
「でも、特別生らしいからそんなに長くはいられないみたいだよ?」
「ふーん。まぁいいわ。少し学んだら、また違う町へと出発するんでしょ?」
「そうね。次はいよいよ召喚士の里、サモンビレッジだから」
「サモンビレッジって何ニャ?」
「召喚士が行きつく終着点と言われる場所ね。ここで認められれば上級召喚士
になれるってワケ」
「そんなのがあるニャ。でもご主人は駆け出しもいいところニャ」
「まぁ、行ってみないと分からないもんね。はーあ。結局私、あんたの旅にずっ
とついてくことになってるわね……」
「だってサルサがいないと不安なんだもん! ずっと一緒にいてね」
「借金回収もあるからしばらくは離れられないわね……ちょっとシロン! 早くし
なさい!」
「……」
俺は何てことをしてしまったんでしょう。
この石化は封印です!
でも、さっき使ったのはまだまだこの魔導書の初歩術なのです。
実はこのスクロール! 一つの魔導書で幾つか術を覚えられるよ
うでして。
この巨大化の奴は何となく名前からして大きくなれるのかなーと思って
使ったわけですよ。
決してウサギへの復讐心から使ったわけではありません。
「困ったウサ……店が粉々ウサ。どうしてくれるウサ!」
「ほら、最近の流行りは路面でやるらしいわよ? その方が集客率が
上がるって聞いたわ」
「あ、青空の上で鑑定って最高だと思うニャ」
「うん! 天気も良いし商売繁盛! やったね!」
「……」
「本当ウサ? 怪しいウサ。でも、お客さん早速来たウサ」
「おおい、何があったんだー?」
とやってる間にしゅるしゅると戻る巨大石化犬の俺。
良し、チャンスだ!
「さ、さぁ全力ダッシュで逃げ……じゃなかった大学に行きますよ
ご主人、サルサさんも!」
「そ、そうね。別に私は悪くないけど。急ぎましょ!」
「学校、楽しみだニャー!」
こうして俺たちはフィラデルフィア大学へ向かいました。
石化する魔導書。今後どのような活躍を見せるのか?
こうご期待!
「あんまり期待出来ない術だと思うわよ」
「そんなことありません! あんなに大金叩いて買ったんですよ?
神アイテムに決まってるじゃないですかもー」
「もーって……ちなみに当たりの魔導書ってね、凄いのになると隕石落としたり
するらしいのよ」
「め、メテオだと!? バカな。あれはテラですらMPが足りない代物だというのに!」
「誰よテラって」
「いや待てよ……双子の魔術師がプチメテオを使っていた。つまり俺とサルサさんが協力
し合えばプチメテオ位いける!?」
「いけるわけないじゃない。バカじゃないの」
「そもそも俺、魔術使えませんでした……」
「あんたはそんなことより異能力をもっと使いなさいよね」
「だってぇ。凄く魔珠消費するんだもの……くすん」
続くよ!
「語呂が悪い!」
「……結果が出たウサ。これは!」
【歌ってしまう魔導書】
「と出たウサ」
「……はい?」
「石化する魔導書と出たウサ」
「専門家でお詳しいサルサさん、解説をお願いします」
「私に言われてもね……って誰が専門家よ! 自己肉体強化系魔法の類かしら」
「そんな! 俺はもっとこう、ファイアボール! とかウインドカッター! とか、ブラ
ックホール! とかとか中二病的な奴だとばかり思ってたわけですよ! それが何です
か! 石化する魔導書って。どうするんですか、これぇ……」
「お金は頂いたウサ。毎度ありウサ。良い買い物したウサ」
「試しに使ってみたらどう? ちなみに借金はゆっくり返してくれてもいいわよ」
「ぐぬぅ……どうやって使うんだろう?」
「魔導書はスクロールウサ。頁を開いてこれで印を押して読めば消えるウサ」
「買っちゃったんだし早く押しちゃいなさい」
「はぁい……シクシク。俺のダムドやハーロイーンやらがぁ……」
「お止めなさい」
渋々石化する魔導書とやらに俺の肉球スタンプを押しあてます。
そして……中を見ると、するすると文字が頭に入るではありませんか!
不思議!
えーと呪文は……「我が意をもって全てを防ぐ巨大な魔石と化せ。グレートマジックス
トーン?」
「ちょ、待つウサ! それ巨大化……」
「あっ」
俺が発動したその術が発動。
何と俺は……巨大な犬石像になりました!
何処でだって? それは勿論鑑定ウサギの鑑定ハウスです。
巨大化するわけですから家は当然粉々です。
フィラデルフィアに新たな名物、巨大な犬魔石が爆誕しました!
「……ええっと、それじゃ私たちはこれで……」
「シロンちゃんすごぉーい! 竜より大きくなれるね! 今すぐ戦いに行こ!」
「ご主人、石化してるからどうみても戦えないニャ……」
「でも考えてみればこれって……私たちの盾になるんじゃない? 良かったわね。
うちのパーティーで最も不足してるのが盾だわ」
「それはいい考えニャ! 盾の隙間からホースで攻撃してやるニャ!」
「……」
俺は気付いてしまいました。
石化したら喋れなくない? どうすればいいの、これ?
戻し方分からないよ?
「シロン、そろそろ戻りなさい。学校へ行って鑑定するんでしょ」
「そうだった! 私たち、事件解決への協力で大学への入学費用免除らしいよ!」
「本当ニャ? やったニャ。ニャトルの最強剣を作ってやるニャ」
「あんた、どうやって剣使うのよ……」
「尻尾ののケンを強化するニャ。ニャゴハーッハッハッハ!」
「さっきホースで戦うって言わなかったかしら……」
「……」
うおおーーい! 置いてけぼりだよー! 主人公何も喋れないってどうなのさ!
でも、大学費用免除はやったね! でも旅のついでだからそんなに長居はしてら
れないだろうなぁ。
「でも、特別生らしいからそんなに長くはいられないみたいだよ?」
「ふーん。まぁいいわ。少し学んだら、また違う町へと出発するんでしょ?」
「そうね。次はいよいよ召喚士の里、サモンビレッジだから」
「サモンビレッジって何ニャ?」
「召喚士が行きつく終着点と言われる場所ね。ここで認められれば上級召喚士
になれるってワケ」
「そんなのがあるニャ。でもご主人は駆け出しもいいところニャ」
「まぁ、行ってみないと分からないもんね。はーあ。結局私、あんたの旅にずっ
とついてくことになってるわね……」
「だってサルサがいないと不安なんだもん! ずっと一緒にいてね」
「借金回収もあるからしばらくは離れられないわね……ちょっとシロン! 早くし
なさい!」
「……」
俺は何てことをしてしまったんでしょう。
この石化は封印です!
でも、さっき使ったのはまだまだこの魔導書の初歩術なのです。
実はこのスクロール! 一つの魔導書で幾つか術を覚えられるよ
うでして。
この巨大化の奴は何となく名前からして大きくなれるのかなーと思って
使ったわけですよ。
決してウサギへの復讐心から使ったわけではありません。
「困ったウサ……店が粉々ウサ。どうしてくれるウサ!」
「ほら、最近の流行りは路面でやるらしいわよ? その方が集客率が
上がるって聞いたわ」
「あ、青空の上で鑑定って最高だと思うニャ」
「うん! 天気も良いし商売繁盛! やったね!」
「……」
「本当ウサ? 怪しいウサ。でも、お客さん早速来たウサ」
「おおい、何があったんだー?」
とやってる間にしゅるしゅると戻る巨大石化犬の俺。
良し、チャンスだ!
「さ、さぁ全力ダッシュで逃げ……じゃなかった大学に行きますよ
ご主人、サルサさんも!」
「そ、そうね。別に私は悪くないけど。急ぎましょ!」
「学校、楽しみだニャー!」
こうして俺たちはフィラデルフィア大学へ向かいました。
石化する魔導書。今後どのような活躍を見せるのか?
こうご期待!
「あんまり期待出来ない術だと思うわよ」
「そんなことありません! あんなに大金叩いて買ったんですよ?
神アイテムに決まってるじゃないですかもー」
「もーって……ちなみに当たりの魔導書ってね、凄いのになると隕石落としたり
するらしいのよ」
「め、メテオだと!? バカな。あれはテラですらMPが足りない代物だというのに!」
「誰よテラって」
「いや待てよ……双子の魔術師がプチメテオを使っていた。つまり俺とサルサさんが協力
し合えばプチメテオ位いける!?」
「いけるわけないじゃない。バカじゃないの」
「そもそも俺、魔術使えませんでした……」
「あんたはそんなことより異能力をもっと使いなさいよね」
「だってぇ。凄く魔珠消費するんだもの……くすん」
続くよ!
0
お気に入りに追加
18
あなたにおすすめの小説
ブレイブエイト〜異世界八犬伝伝説〜
蒼月丸
ファンタジー
異世界ハルヴァス。そこは平和なファンタジー世界だったが、新たな魔王であるタマズサが出現した事で大混乱に陥ってしまう。
魔王討伐に赴いた勇者一行も、タマズサによって壊滅してしまい、行方不明一名、死者二名、捕虜二名という結果に。このままだとハルヴァスが滅びるのも時間の問題だ。
それから数日後、地球にある後楽園ホールではプロレス大会が開かれていたが、ここにも魔王軍が攻め込んできて多くの客が殺されてしまう事態が起きた。
当然大会は中止。客の生き残りである東零夜は魔王軍に怒りを顕にし、憧れのレスラーである藍原倫子、彼女のパートナーの有原日和と共に、魔王軍がいるハルヴァスへと向かう事を決断したのだった。
八犬士達の意志を継ぐ選ばれし八人が、魔王タマズサとの戦いに挑む!
地球とハルヴァス、二つの世界を行き来するファンタジー作品、開幕!
Nolaノベル、PageMeku、ネオページ、なろうにも連載しています!
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜
霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……?
生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。
これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。
(小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
異世界転生 我が主のために ~不幸から始まる絶対忠義~ 冒険・戦い・感動を織りなすファンタジー
紫電のチュウニー
ファンタジー
第四部第一章 新大陸開始中。 開始中(初投稿作品)
転生前も、転生後も 俺は不幸だった。
生まれる前は弱視。
生まれ変わり後は盲目。
そんな人生をメルザは救ってくれた。
あいつのためならば 俺はどんなことでもしよう。
あいつの傍にずっといて、この生涯を捧げたい。
苦楽を共にする多くの仲間たち。自分たちだけの領域。
オリジナルの世界観で描く 感動ストーリーをお届けします。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
リョンコ
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる