上 下
80 / 144

魔付与!? 出来ちゃうかも

しおりを挟む
 次の教室は魔付与。順番の通り直ぐ近くの教室です。
 魔工とは違って大賑わい。こちらは生徒がてんこもりです。
 話によれば一番人気科目なんだとか。それはそうか。
 魔工と違って、どう考えてもこれが商品を売る時の最大の目玉になります。

 でも俺は付与より外見を決める方にこだわりたい! 
 見た目も大事だと思うんです。
 
「凄い人の数ね。初級だから仕方ないけれど、これじゃ中級より先に上がるのは大変そうね」
「そうなんですか? 初級から中級ってそんなに差があるものです?」
「基本が出来ずに応用は出来ないでしょう? それでも人が多ければ、じっくり学ぶのは難しいわね。
積極性と運。二つとも必要かな」
「ちゃちゃならいきなり中級ちゃ」
「ダメに決まってるでしょ。ねえ生徒さん。見学にきたのだけれど、先生はどちら?」
「え? あの、はい! 先生ぇ! 見学者さんです!」

 生徒の一人に話しかけると、慌てて先生を呼んでくれた。
 あまり積極性が無さそうな子だ。こういう子は確かになかなか質問とかもできなそうだ。

「先生、いないのかしら?」
「ここにおるぞい」
「見えないよー。先生、どこですかー!?」」
「だから、ここにおるぞい」
『えっ?』

 よーく見ると……近くに小さなおじさんがいました。
 こ、これはもしかして! 

「ドワーフ!」
「いんや? わしはドワーフ族じゃないよ。妖精族じゃ、ほれ。背中見てみぃ」
「小さいおじさん妖精だった……そんな種族もいるんですね。妖精っていうともっとこう、きらきらした
小さくて可愛いいたずら好きのものかと」
「ふうむ。君は召喚獣かね? 珍しい種族だ。ホワイトウルフに似ているが……おっと失礼。
わしはバフル。君がウルフとして他の種族と違うように、わしら妖精も生まれる工程で変わるのじゃよ」
「ほうほう。言われてみれば……そして俺が喋っても驚かないだと!?」
「ふぉっふぉっふぉ。長く生きておれば色々なものを見てきているからね。さて、生徒諸君! 
見学者がきたときはわかっているね。自習を頑張る様に」
『はーいバフル先生!』

 どうやら凄く人気のある先生のようだ。
 初めて話す感じも、とても優しい雰囲気がある。
 これは魔工と差がでても無理はないな。

「さて、魔付与の初級では主に、製作道具への魔付与を行っている。
君たちは魔道具や魔装備は見た事があるかな?」
「あります! 実際に取り扱っているお店の人も知り合いにいますよ」
「ふぉっふぉっふぉ。よろしい。道具にしろ装備にしろ、魔付与が行わなければただの道具や
装備じゃ。魔装備を使用したこともあるかの?」
「雷術を使えるようになる使い切りの装備を使いました。後これを……雷混の腕輪です」
「ふうむ、これは……なかなか面白い物をもっているね。その鎖帷子は特に何も付与されていない
物だね。これでは魔付与された武器で攻撃されたらひとたまりもないじゃろう。よし、せっかくだ。
少しだけ魔付与を見せてあげようかね」
「確かにひとたまりもなかったです。いいんですか? それを行えば鎖帷子の価値があがる?」
「うむ。単純なものだけだが、ざっと二倍には上がるだろう」
『二倍!?』

 サルサさんと俺、チャチャの目はお金のマークに早変わりした。
 この先生、確かに神だ……。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~

一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。 しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。 流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。 その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。 右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。 この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。 数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。 元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。 根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね? そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。 色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。 ……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!

キャンピングカーで往く異世界徒然紀行

タジリユウ
ファンタジー
《第4回次世代ファンタジーカップ 面白スキル賞》 【書籍化!】 コツコツとお金を貯めて念願のキャンピングカーを手に入れた主人公。 早速キャンピングカーで初めてのキャンプをしたのだが、次の日目が覚めるとそこは異世界であった。 そしていつの間にかキャンピングカーにはナビゲーション機能、自動修復機能、燃料補給機能など様々な機能を拡張できるようになっていた。 道中で出会ったもふもふの魔物やちょっと残念なエルフを仲間に加えて、キャンピングカーで異世界をのんびりと旅したいのだが… ※旧題)チートなキャンピングカーで旅する異世界徒然紀行〜もふもふと愉快な仲間を添えて〜 ※カクヨム様でも投稿をしております

チート薬学で成り上がり! 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました!

芽狐
ファンタジー
⭐️チート薬学3巻発売中⭐️ ブラック企業勤めの37歳の高橋 渉(わたる)は、過労で倒れ会社をクビになる。  嫌なことを忘れようと、異世界のアニメを見ていて、ふと「異世界に行きたい」と口に出したことが、始まりで女神によって死にかけている体に転生させられる! 転生先は、スキルないも魔法も使えないアレクを家族は他人のように扱い、使用人すらも見下した態度で接する伯爵家だった。 新しく生まれ変わったアレク(渉)は、この最悪な現状をどう打破して幸せになっていくのか?? 更新予定:なるべく毎日19時にアップします! アップされなければ、多忙とお考え下さい!

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

悠々自適な転生冒険者ライフ ~実力がバレると面倒だから周りのみんなにはナイショです~

こばやん2号
ファンタジー
とある大学に通う22歳の大学生である日比野秋雨は、通学途中にある工事現場の事故に巻き込まれてあっけなく死んでしまう。 それを不憫に思った女神が、異世界で生き返る権利と異世界転生定番のチート能力を与えてくれた。 かつて生きていた世界で趣味で読んでいた小説の知識から、自分の実力がバレてしまうと面倒事に巻き込まれると思った彼は、自身の実力を隠したまま自由気ままな冒険者をすることにした。 果たして彼の二度目の人生はうまくいくのか? そして彼は自分の実力を隠したまま平和な異世界生活をおくれるのか!? ※この作品はアルファポリス、小説家になろうの両サイトで同時配信しております。

【完結】転生少女は異世界でお店を始めたい

梅丸
ファンタジー
せっかく40代目前にして夢だった喫茶店オープンに漕ぎ着けたと言うのに事故に遭い呆気なく命を落としてしまった私。女神様が管理する異世界に転生させてもらい夢を実現するために奮闘するのだが、この世界には無いものが多すぎる! 創造魔法と言う女神様から授かった恩寵と前世の料理レシピを駆使して色々作りながら頑張る私だった。

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

処理中です...