19 / 144
オープンザトレジャー
しおりを挟む
「これ、どうやって開けるニャ?」
「鍵穴、これよね。さぁシロンちゃん、開けて!」
「よーし任せろ! って、はい?」
「三人とも落ち着いて。何のために私がいるのよ」
はて、サルサさんはご主人のブレーキ役としてついてきたのでは?
それ以外には冷静なツッコミ役。攻撃役。おかしいな、サルサさん一人居れば全て事足りる気がするよー。
「そう、サルサさんは優秀です!」
「突然何言ってるのよ……よし、罠はなさそうよ」
「罠解除まで出来ちゃうんですか?」
「出来るわよ。魔術師は特に、ダンジョンや宝箱の魔法トラップ解除に優れるの。
他にもシーフ系やアサシン系、ダンジョンマスターなんかもそれらの能力に優れてるわね。
まぁ魔法型トラップを解除できるのは魔法系に属する能力者だけだから、それらが使えないシーフなどは
論外だけどね」
「へぇー。やっぱりサルサさんは凄い! ぜひうちのパーティの永久的役割を果たしてください!」
「あんたもこりずに勧誘してくるわね。それはいいからさっさと開けるわよ」
くっ、やはり勧誘は一筋縄ではいかないようだ。しかし今は箱の中身が気になる。
岩宝箱のサイズは四十センチ四方程度の大きさ。大きくはない。
この程度のサイズなら剣とか盾とかの武器防具は入ってないよなー。
なんと薬草を手に入れた! みたいにならないことを祈ろう。
「わ、私こういうお宝開けるの苦手なの……運がないの!」
「あれ? ご主人こそ真っ先に開けそうなのに」
「トラウマがあるのよ。ほら、あんたのワンハンドで開けなさい。変なのでたりして」
「ニャトルには開けられないニャ。か弱い乙女の力じゃ無理ニャ」
「仕方ないなぁ。さっきのシートで疲れてるけど……ワンハンド! オープンザトレジャー!」
鍵をねじこみパカッと開く岩宝箱……! その中身は!
「また、宝箱が入ってます」
「はい?」
「ですから、また宝箱がですね……小さいのが、ほら」
その中には、綺麗に装飾された小さい宝箱が入っていた。鍵穴が見える。
「……本当に変な物、出したわね」
「すごぉーい! シロンちゃん、お宝引き当てた!?」
「お宝っていうか宝箱です」
「使えない奴ニャ。どうするニャ、この箱」
「これにも罠はなさそうだけど、これは普通の宝箱じゃないわね。その辺で見つけた鍵じゃ開かないわ。
サイズ的には持って帰れるから、これ持って今日は帰るわよ」
「普通の宝箱じゃないってことは、何かしらのいい物が入ってるってことですか?」
「そうね。この装飾からしても、コモン系アイテムでない事は確かよ。
初めてのお宝にしては運がいいじゃない。今度から宝箱は全部あんたが開けなさいよ」
「おお! つまりぬか喜びじゃなくて、やったー! でいいんですね! とったどーー!」
「もう一つ何か入ってるニャ。これは何ニャ?」
「本当だ。大抵宝箱には一つか二つしか入っていないんだけど。これは……杖の先端に
付ける魔珠アイテムね。属性は水かな。こっちは売れるか加工して杖にできるわね。
魔道具屋に行って鑑定してもらえばわかるかな。こっちは私の専門外よ」
「へぇ。杖用のアイテムなんて入ってる事もあるんですね。ご主人は杖とか持ってないけど」
「あの子が使う術は特殊な奴だからね。そっちの装備はこれじゃ出来ないし、この
魔珠アイテムと違ってとても高いのよ」
「その魔道具のいいやつがあると、サルサさんの魔法も強くなるんですか?」
「当然よ。いい魔道具を持てば、それこそ城一つ一撃で破壊出来る魔法とか、使う人もいるわ。
もちろん修練が必要だけど」
やはりどこの世界でも装備は重要だな! ちゃんと装備しないと効果を発揮しないぞ!
「色々勉強になります。そして俺は限界のようです。疲れたよー」
「ジルジラにも遭遇しちゃったし、今日は帰って休む方がいいわね。ルビー、明日はどうするの?」
「二人を連れてダンジョンに行こうかな?」
『えー!?』
「さすがにまだ早くない? けどダンジョンなら私も行くかなー。シロンは運がよさそうだし」
「ダンジョンって、もうちょっと強くなってから行った方がいいんじゃ……」
「そうね。でもレベルを上げるにはいいのよ。今七くらいでしょ? 十まで上げてみなさいよ」
「後三も上げるのか……どんな魔物が出るんだろう」
「行けばわかるよシロンちゃん! さぁ、今日は町に戻って休むわよー!」
元気なご主人に抱えられて、町に戻る俺たち。
今回の旅はなかなかハードでした。
「鍵穴、これよね。さぁシロンちゃん、開けて!」
「よーし任せろ! って、はい?」
「三人とも落ち着いて。何のために私がいるのよ」
はて、サルサさんはご主人のブレーキ役としてついてきたのでは?
それ以外には冷静なツッコミ役。攻撃役。おかしいな、サルサさん一人居れば全て事足りる気がするよー。
「そう、サルサさんは優秀です!」
「突然何言ってるのよ……よし、罠はなさそうよ」
「罠解除まで出来ちゃうんですか?」
「出来るわよ。魔術師は特に、ダンジョンや宝箱の魔法トラップ解除に優れるの。
他にもシーフ系やアサシン系、ダンジョンマスターなんかもそれらの能力に優れてるわね。
まぁ魔法型トラップを解除できるのは魔法系に属する能力者だけだから、それらが使えないシーフなどは
論外だけどね」
「へぇー。やっぱりサルサさんは凄い! ぜひうちのパーティの永久的役割を果たしてください!」
「あんたもこりずに勧誘してくるわね。それはいいからさっさと開けるわよ」
くっ、やはり勧誘は一筋縄ではいかないようだ。しかし今は箱の中身が気になる。
岩宝箱のサイズは四十センチ四方程度の大きさ。大きくはない。
この程度のサイズなら剣とか盾とかの武器防具は入ってないよなー。
なんと薬草を手に入れた! みたいにならないことを祈ろう。
「わ、私こういうお宝開けるの苦手なの……運がないの!」
「あれ? ご主人こそ真っ先に開けそうなのに」
「トラウマがあるのよ。ほら、あんたのワンハンドで開けなさい。変なのでたりして」
「ニャトルには開けられないニャ。か弱い乙女の力じゃ無理ニャ」
「仕方ないなぁ。さっきのシートで疲れてるけど……ワンハンド! オープンザトレジャー!」
鍵をねじこみパカッと開く岩宝箱……! その中身は!
「また、宝箱が入ってます」
「はい?」
「ですから、また宝箱がですね……小さいのが、ほら」
その中には、綺麗に装飾された小さい宝箱が入っていた。鍵穴が見える。
「……本当に変な物、出したわね」
「すごぉーい! シロンちゃん、お宝引き当てた!?」
「お宝っていうか宝箱です」
「使えない奴ニャ。どうするニャ、この箱」
「これにも罠はなさそうだけど、これは普通の宝箱じゃないわね。その辺で見つけた鍵じゃ開かないわ。
サイズ的には持って帰れるから、これ持って今日は帰るわよ」
「普通の宝箱じゃないってことは、何かしらのいい物が入ってるってことですか?」
「そうね。この装飾からしても、コモン系アイテムでない事は確かよ。
初めてのお宝にしては運がいいじゃない。今度から宝箱は全部あんたが開けなさいよ」
「おお! つまりぬか喜びじゃなくて、やったー! でいいんですね! とったどーー!」
「もう一つ何か入ってるニャ。これは何ニャ?」
「本当だ。大抵宝箱には一つか二つしか入っていないんだけど。これは……杖の先端に
付ける魔珠アイテムね。属性は水かな。こっちは売れるか加工して杖にできるわね。
魔道具屋に行って鑑定してもらえばわかるかな。こっちは私の専門外よ」
「へぇ。杖用のアイテムなんて入ってる事もあるんですね。ご主人は杖とか持ってないけど」
「あの子が使う術は特殊な奴だからね。そっちの装備はこれじゃ出来ないし、この
魔珠アイテムと違ってとても高いのよ」
「その魔道具のいいやつがあると、サルサさんの魔法も強くなるんですか?」
「当然よ。いい魔道具を持てば、それこそ城一つ一撃で破壊出来る魔法とか、使う人もいるわ。
もちろん修練が必要だけど」
やはりどこの世界でも装備は重要だな! ちゃんと装備しないと効果を発揮しないぞ!
「色々勉強になります。そして俺は限界のようです。疲れたよー」
「ジルジラにも遭遇しちゃったし、今日は帰って休む方がいいわね。ルビー、明日はどうするの?」
「二人を連れてダンジョンに行こうかな?」
『えー!?』
「さすがにまだ早くない? けどダンジョンなら私も行くかなー。シロンは運がよさそうだし」
「ダンジョンって、もうちょっと強くなってから行った方がいいんじゃ……」
「そうね。でもレベルを上げるにはいいのよ。今七くらいでしょ? 十まで上げてみなさいよ」
「後三も上げるのか……どんな魔物が出るんだろう」
「行けばわかるよシロンちゃん! さぁ、今日は町に戻って休むわよー!」
元気なご主人に抱えられて、町に戻る俺たち。
今回の旅はなかなかハードでした。
0
お気に入りに追加
18
あなたにおすすめの小説
【完結】王子と結婚するには本人も家族も覚悟が必要です
宇水涼麻
ファンタジー
王城の素晴らしい庭園でお茶をする五人。
若い二人と壮年のおデブ紳士と気品あふれる夫妻は、若い二人の未来について話している。
若い二人のうち一人は王子、一人は男爵令嬢である。
王子に見初められた男爵令嬢はこれから王子妃になるべく勉強していくことになる。
そして、男爵一家は王子妃の家族として振る舞えるようにならなくてはならない。
これまでそのような行動をしてこなかった男爵家の人たちでもできるものなのだろうか。
国王陛下夫妻と王宮総務局が総力を挙げて協力していく。
男爵令嬢の教育はいかに!
中世ヨーロッパ風のお話です。
最低最悪の悪役令息に転生しましたが、神スキル構成を引き当てたので思うままに突き進みます! 〜何やら転生者の勇者から強いヘイトを買っている模様
コレゼン
ファンタジー
「おいおい、嘘だろ」
ある日、目が覚めて鏡を見ると俺はゲーム「ブレイス・オブ・ワールド」の公爵家三男の悪役令息グレイスに転生していた。
幸いにも「ブレイス・オブ・ワールド」は転生前にやりこんだゲームだった。
早速、どんなスキルを授かったのかとステータスを確認してみると――
「超低確率の神スキル構成、コピースキルとスキル融合の組み合わせを神引きしてるじゃん!!」
やったね! この神スキル構成なら処刑エンドを回避して、かなり有利にゲーム世界を進めることができるはず。
一方で、別の転生者の勇者であり、元エリートで地方自治体の首長でもあったアルフレッドは、
「なんでモブキャラの悪役令息があんなに強力なスキルを複数持ってるんだ! しかも俺が目指してる国王エンドを邪魔するような行動ばかり取りやがって!!」
悪役令息のグレイスに対して日々不満を高まらせていた。
なんか俺、勇者のアルフレッドからものすごいヘイト買ってる?
でもまあ、勇者が最強なのは検証が進む前の攻略情報だから大丈夫っしょ。
というわけで、ゲーム知識と神スキル構成で思うままにこのゲーム世界を突き進んでいきます!
庭にできた異世界で丸儲け。破格なクエスト報酬で社畜奴隷からニートになる。〜投資額に応じたスキルを手に入れると現実世界でも無双していました〜
k-ing ★書籍発売中
ファンタジー
※元々執筆していたものを加筆して、キャラクターを少し変更したリメイク版です。
ブラック企業に勤めてる服部慧は毎日仕事に明け暮れていた。残業続きで気づけば寝落ちして仕事に行く。そんな毎日を過ごしている。
慧の唯一の夢はこの社会から解放されるために"FIRE"することだった。
FIREとは、Financial Independence Retire Earlyの頭文字をとり、「経済的な自立を実現させて、仕事を早期に退職する生活スタイル」という意味を持っている。簡単に言えば、働かずにお金を手に入れて生活をすることを言う。
慧は好きなことして、ゆっくりとニート生活することを夢見ている。
普段通りに仕事を終えソファーで寝落ちしていると急に地震が起きた。地震速報もなく夢だったのかと思い再び眠るが、次の日、庭に大きな穴が空いていた。
どこか惹かれる穴に入ると、脳内からは無機質なデジタル音声が聞こえてきた。
【投資信託"全世界株式インデックス・ファンド"を所持しているため、一部パラメーターが上昇します】
庭の穴は異世界に繋がっており、投資額に応じてスキルを手に入れる世界だった。しかも、クエストをクリアしないと現実世界には戻れないようだ。
そして、クエストをクリアして戻ってきた慧の手に握られていたのはクエスト報酬と素材売却で手に入れた大金。
これは異世界で社畜会社員が命がけでクエストを達成し、金稼ぎをするそんな物語だ。
授かったスキルが【草】だったので家を勘当されたから悲しくてスキルに不満をぶつけたら国に恐怖が訪れて草
ラララキヲ
ファンタジー
(※[両性向け]と言いたい...)
10歳のグランは家族の見守る中でスキル鑑定を行った。グランのスキルは【草】。草一本だけを生やすスキルに親は失望しグランの為だと言ってグランを捨てた。
親を恨んだグランはどこにもぶつける事の出来ない気持ちを全て自分のスキルにぶつけた。
同時刻、グランを捨てた家族の居る王都では『謎の笑い声』が響き渡った。その笑い声に人々は恐怖し、グランを捨てた家族は……──
※確認していないので二番煎じだったらごめんなさい。急に思いついたので書きました!
※「妻」に対する暴言があります。嫌な方は御注意下さい※
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げています。
人質から始まった凡庸で優しい王子の英雄譚
咲良喜玖
ファンタジー
アーリア戦記から抜粋。
帝国歴515年。サナリア歴3年。
新国家サナリア王国は、超大国ガルナズン帝国の使者からの宣告により、国家存亡の危機に陥る。
アーリア大陸を二分している超大国との戦いは、全滅覚悟の死の戦争である。
だからこそ、サナリア王アハトは、帝国に従属することを決めるのだが。
当然それだけで交渉が終わるわけがなく、従属した証を示せとの命令が下された。
命令の中身。
それは、二人の王子の内のどちらかを選べとの事だった。
出来たばかりの国を守るために、サナリア王が判断した人物。
それが第一王子である【フュン・メイダルフィア】だった。
フュンは弟に比べて能力が低く、武芸や勉学が出来ない。
彼の良さをあげるとしたら、ただ人に優しいだけ。
そんな人物では、国を背負うことが出来ないだろうと、彼は帝国の人質となってしまったのだ。
しかし、この人質がきっかけとなり、長らく続いているアーリア大陸の戦乱の歴史が変わっていく。
西のイーナミア王国。東のガルナズン帝国。
アーリア大陸の歴史を支える二つの巨大国家を揺るがす英雄が誕生することになるのだ。
偉大なる人質。フュンの物語が今始まる。
他サイトにも書いています。
こちらでは、出来るだけシンプルにしていますので、章分けも簡易にして、解説をしているあとがきもありません。
小説だけを読める形にしています。
虐められていた僕はクラスごと転移した異世界で最強の能力を手に入れたのでとりあえず復讐することにした
野良子猫
ファンタジー
高校二年の桜木 優希はクラス中で虐められていた。
誰の助けも得られず、ひたすら耐える日々を送っていた。
そんなとき、突然現れた男によって、クラスごと異世界に転生されてしまった。
他の生徒に比べて地味な職業についてしまった優希は、命の危機にさらされる。そこで、出会ったのはパンドラと言われる元女神だった。
彼女との契約により、最強の力を手に入れた優希は、虐めてきたクラスメイトに復讐を決意するのだった。
*この物語の主人公は正義の味方……ではありません。
*小説家になろうでも連載されています。
書き直しを予定しています。
スキル「糸」を手に入れた転生者。糸をバカにする奴は全員ぶっ飛ばす
Gai
ファンタジー
人を助けた代わりにバイクに轢かれた男、工藤 英二
その魂は異世界へと送られ、第二の人生を送ることになった。
侯爵家の三男として生まれ、順風満帆な人生を過ごせる……とは限らない。
裕福な家庭に生まれたとしても、生きていいく中で面倒な壁とぶつかることはある。
そこで先天性スキル、糸を手に入れた。
だが、その糸はただの糸ではなく、英二が生きていく上で大いに役立つスキルとなる。
「おいおい、あんまり糸を嘗めるんじゃねぇぞ」
少々強気な性格を崩さず、英二は己が生きたい道を行く。
【完結】魔王様、溺愛しすぎです!
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
「パパと結婚する!」
8万年近い長きにわたり、最強の名を冠する魔王。勇者を退け続ける彼の居城である『魔王城』の城門に、人族と思われる赤子が捨てられた。その子を拾った魔王は自ら育てると言い出し!? しかも溺愛しすぎて、周囲が大混乱!
拾われた子は幼女となり、やがて育て親を喜ばせる最強の一言を放った。魔王は素直にその言葉を受け止め、嫁にすると宣言する。
シリアスなようでコメディな軽いドタバタ喜劇(?)です。
【同時掲載】アルファポリス、カクヨム、エブリスタ、小説家になろう
【表紙イラスト】しょうが様(https://www.pixiv.net/users/291264)
挿絵★あり
【完結】2021/12/02
※2022/08/16 第3回HJ小説大賞前期「小説家になろう」部門 一次審査通過
※2021/12/16 第1回 一二三書房WEB小説大賞、一次審査通過
※2021/12/03 「小説家になろう」ハイファンタジー日間94位
※2021/08/16、「HJ小説大賞2021前期『小説家になろう』部門」一次選考通過作品
※2020年8月「エブリスタ」ファンタジーカテゴリー1位(8/20〜24)
※2019年11月「ツギクル」第4回ツギクル大賞、最終選考作品
※2019年10月「ノベルアップ+」第1回小説大賞、一次選考通過作品
※2019年9月「マグネット」ヤンデレ特集掲載作品
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる