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第四章 シフティス大陸横断
第六百八十五話 ロブロード プリマ戦、配置
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「セカ。ここからは普通に喋れ。癇に障る」
「……はっ」
プリマがぴしゃりとそう言うと、セカは姿勢を正して盤上を見守る。
ロードピースを手に取ったプリマは、ゆっくりと盤上にそれを置いた。
【搾取するもの、プリマ。積年の恨み、晴らしてくれようか】
ロブロードの進行.盤上にロードピースを配置すると、ピースが喋り出す。
ここまでは以前と変わっていないが……サポーターが効果などを読み上げるらしい。
「ロードピース、プリマ。効果、アタックしたピースによりプリマが落下しない場合、そのアタックピースを
消滅させる」
「っ! そんな効果がロードピースにあるのか。俺のは……」
エーナと合流した時に、作成したピースがある。
だが、効果などはわからない。とりあえず置いてみよう。
俺はロードピースの中から飛び切りのものを選んでいた。
それを盤上に置く。
【ククク。ベリアルの力を見せてやるよ。いいじゃねえか。もっと楽しませろ! クックック……ハーッハッハッハ!】
「……ロードピース、異様なる妖魔ベリアル。効果、相手がアタックをしかける好きなタイミングで、一度だけダンタリオン、デカラビアのピースをロードピースの付近に招来する事ができる……のでございます」
「へぇ。随分と面白いロードピースを持っているね……アーティファクト設置」
【ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ】
「アーティファクト、地殻変動。相手がアタックを行う際、盤面を激しく揺らし続ける」
あちらのアーティファクトは、あいつの能力か? 地殻変動を起こし崩落させた……と。
「……攻撃阻害を持つアーティファクトか。こちらもアーティファクトを頼む」
【交われ、ティソーナ、コラーダよ。絶神剣ティラーナ、その姿を現せ】
「アーティファクト、ティラーナ。アタックピースに貫通を付与し、アタック可能範囲を倍にする……
でございます」
「よく言うよ。何だその壊れた性能のアーティファクトは。絶対奪ってやる」
「悪いがこれはやれないな。こいつらはひねくれた奴らなんでね」
「ディフェンスピース二枚設置」
ディフェンスピースは基本的にモンスター種族となる。
相手は一体どんなやつを置いてくるのか。こちらはもちろん決まっている。
【フシャアアアアアアアア】
「ディフェンスピース、死食いのカリョーネ、ミリョーネ。相手がディフェンスピース
を避けた場合、防御効果が強制発動する。この効果はディフェンスピースを貫通、衝撃、破壊した場合、進行方向を三十度、左右ランダムに変える」
「どちらも同じ効果のディフェンスピースか。厄介だな……こちらのディフェンスピースは一枚ずつ。効果は異なるだろうからな」
【グルオオオオオオオオ!】
「煉獄トウマ。アタックピースをガードした際、煉獄を付与。付与を受けたピースは二ターン後に
消滅すると同時に、別のピースへ煉獄を付与する。この効果は、アーティファクト、ロードピースには適用しない……でございます」
「どっちが厄介だよ。なんだそれ」
「もう一枚だ」
【……】
「ターフスキアー。このピースは術使い以外のアタックをガードしない。その代償に毎ターン
氷塊のつららのディフェンスピースを産出するのでございます。氷塊のつららは特別な効果を
持たないディフェンスピースでございます」
ここまででロードピース、アーティファクトピース、ディフェンスピースまでが出そろった。
「ここからは勝敗のカギ。アタックピースだ。その前に少し対話をしないか」
「否定するとどうなる? こっちはあんたに聞きたい事だらけなんだよ。それを我慢して今ロブロードを
やろうとしているんだ」
「拒否権はあるよ。プリマの感情ゲージが上がるだけ。上がり切れば三日三晩暴れ続ける。
誰も止められないだろうね」
「その感情ゲージってのは今どのくらいなんだ? 試合の結果でも上限するのか?」
「するよ。でも君の実力で試合に負けたなら、そんな恥ずかしい真似はしない。どうだ、会話をするか?」
「……ああ」
「安心していいよ。名を聞いたりするようなつまらないことはしない。最初に君を襲った時の
質問の意図、君にわかるかな」
「なんとなくだが……暇つぶしか、時間稼ぎだ」
俺がそういうと、その場の雰囲気ががらっと変わった。
「つまり君は、プリマが暇を持て余しているといいたいのかな」
「ああ。あんたは余暇を楽しんでいる。そうでなければ俺とロブロードなど
せず、質問もせず、俺を殺していたんじゃないか。アメーダが防いだかも知れないが」
俺がそう告げると、すっと空気が軽くなったような気配がした。
「ふぅーん。根拠有りで言ってるんだ。適当な性格じゃないんだね」
「適当に? 相手に対して失礼だろう。いくら無茶ぶりとはいえ真剣勝負をしている相手だ。
戦闘なら勝てないかもしれない相手が、ゲームで譲歩してくれてるんだ。こっちだって必死だよ」
「君、面白いね。もう一つだけ対話していい?」
「構わないが、一つだけ条件をつけていいか? 俺にその後、あんたの言うところの質問権をくれないか」
「いいよ。二つ上げるよ。二つ答えるんだから。それじゃ聞くよ。君は絶対神の事……どう思う?」
いきなり切り込むような質問だ。これは慎重に応じなければならない。
「……はっ」
プリマがぴしゃりとそう言うと、セカは姿勢を正して盤上を見守る。
ロードピースを手に取ったプリマは、ゆっくりと盤上にそれを置いた。
【搾取するもの、プリマ。積年の恨み、晴らしてくれようか】
ロブロードの進行.盤上にロードピースを配置すると、ピースが喋り出す。
ここまでは以前と変わっていないが……サポーターが効果などを読み上げるらしい。
「ロードピース、プリマ。効果、アタックしたピースによりプリマが落下しない場合、そのアタックピースを
消滅させる」
「っ! そんな効果がロードピースにあるのか。俺のは……」
エーナと合流した時に、作成したピースがある。
だが、効果などはわからない。とりあえず置いてみよう。
俺はロードピースの中から飛び切りのものを選んでいた。
それを盤上に置く。
【ククク。ベリアルの力を見せてやるよ。いいじゃねえか。もっと楽しませろ! クックック……ハーッハッハッハ!】
「……ロードピース、異様なる妖魔ベリアル。効果、相手がアタックをしかける好きなタイミングで、一度だけダンタリオン、デカラビアのピースをロードピースの付近に招来する事ができる……のでございます」
「へぇ。随分と面白いロードピースを持っているね……アーティファクト設置」
【ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ】
「アーティファクト、地殻変動。相手がアタックを行う際、盤面を激しく揺らし続ける」
あちらのアーティファクトは、あいつの能力か? 地殻変動を起こし崩落させた……と。
「……攻撃阻害を持つアーティファクトか。こちらもアーティファクトを頼む」
【交われ、ティソーナ、コラーダよ。絶神剣ティラーナ、その姿を現せ】
「アーティファクト、ティラーナ。アタックピースに貫通を付与し、アタック可能範囲を倍にする……
でございます」
「よく言うよ。何だその壊れた性能のアーティファクトは。絶対奪ってやる」
「悪いがこれはやれないな。こいつらはひねくれた奴らなんでね」
「ディフェンスピース二枚設置」
ディフェンスピースは基本的にモンスター種族となる。
相手は一体どんなやつを置いてくるのか。こちらはもちろん決まっている。
【フシャアアアアアアアア】
「ディフェンスピース、死食いのカリョーネ、ミリョーネ。相手がディフェンスピース
を避けた場合、防御効果が強制発動する。この効果はディフェンスピースを貫通、衝撃、破壊した場合、進行方向を三十度、左右ランダムに変える」
「どちらも同じ効果のディフェンスピースか。厄介だな……こちらのディフェンスピースは一枚ずつ。効果は異なるだろうからな」
【グルオオオオオオオオ!】
「煉獄トウマ。アタックピースをガードした際、煉獄を付与。付与を受けたピースは二ターン後に
消滅すると同時に、別のピースへ煉獄を付与する。この効果は、アーティファクト、ロードピースには適用しない……でございます」
「どっちが厄介だよ。なんだそれ」
「もう一枚だ」
【……】
「ターフスキアー。このピースは術使い以外のアタックをガードしない。その代償に毎ターン
氷塊のつららのディフェンスピースを産出するのでございます。氷塊のつららは特別な効果を
持たないディフェンスピースでございます」
ここまででロードピース、アーティファクトピース、ディフェンスピースまでが出そろった。
「ここからは勝敗のカギ。アタックピースだ。その前に少し対話をしないか」
「否定するとどうなる? こっちはあんたに聞きたい事だらけなんだよ。それを我慢して今ロブロードを
やろうとしているんだ」
「拒否権はあるよ。プリマの感情ゲージが上がるだけ。上がり切れば三日三晩暴れ続ける。
誰も止められないだろうね」
「その感情ゲージってのは今どのくらいなんだ? 試合の結果でも上限するのか?」
「するよ。でも君の実力で試合に負けたなら、そんな恥ずかしい真似はしない。どうだ、会話をするか?」
「……ああ」
「安心していいよ。名を聞いたりするようなつまらないことはしない。最初に君を襲った時の
質問の意図、君にわかるかな」
「なんとなくだが……暇つぶしか、時間稼ぎだ」
俺がそういうと、その場の雰囲気ががらっと変わった。
「つまり君は、プリマが暇を持て余しているといいたいのかな」
「ああ。あんたは余暇を楽しんでいる。そうでなければ俺とロブロードなど
せず、質問もせず、俺を殺していたんじゃないか。アメーダが防いだかも知れないが」
俺がそう告げると、すっと空気が軽くなったような気配がした。
「ふぅーん。根拠有りで言ってるんだ。適当な性格じゃないんだね」
「適当に? 相手に対して失礼だろう。いくら無茶ぶりとはいえ真剣勝負をしている相手だ。
戦闘なら勝てないかもしれない相手が、ゲームで譲歩してくれてるんだ。こっちだって必死だよ」
「君、面白いね。もう一つだけ対話していい?」
「構わないが、一つだけ条件をつけていいか? 俺にその後、あんたの言うところの質問権をくれないか」
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