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第四章 シフティス大陸横断

第六百七十三話 クミナの泉へ

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 お宝、そして骨を入手してしまった俺たち。
 ツァーリさんの案内で更に鉱山奥へ進むことに。
 目指すはクミナの泉という場所だ。
 しかし、道中にはでっけぇシリーズのモンスターがいるらしい。
 隠し通路から進むルートであれば、かなり回避できるようだが全てを回避するのは不可能だろう。

「おいエプタ」
「……なんだよ」
「楽しそうだな」
「これが楽しいわけあるか!」

 エプタの周りは骨で囲まれていた。
 どうやら骨に好かれる体質らしい。
 神の遣いというより骨の遣いだ。
 まるで骨を招来しているかのようにまとわりつかれている。

「おいてめえら! 離れやがれ!」
「ひゃっふーい!」
「ひゃっふーい!」
「ひゃふーい!」
「そいつらはひゃっふーいしか喋らねえからよ。まぁそのうち慣れるだろ。気にするな。
もう少し先に行くとでっけぇなめくじ野郎がいる。そいつは、俺たちは襲わねえが
おめえらは確実に襲われると断言しよう」
「やっぱアンデッド族相手にモンスターは襲ってこないのか?」
「ああ。そうじゃなきゃ鉱山入り口まで下の道から行けねえよ」
「……戦闘は避けられそうにないか」

 でっけぇナメクジ野郎っていうのがどんなやつなのかが気になるが……
だが隠し通路の道は極めて安全だった。
 この道から梯子を再び出してもらって進ませれば、安全に来れるだろう。

「ツァーリさん。さっき梯子消えたけど、あれってまた出せたりするのか?」
「時間によってだな。一度使用するとしばらく使えねえ。泉から戻る頃には
また使えるようになるはずだぜ」
「それなら問題なさそうだな……お、先の道が広くなってる。この先か……」

 道なりに進んでいくと、若干開けた場所が視界に入る。
 上空からは隙間から光が差し込んでいる円柱状の場所だ。
 現在地は円柱上方部で、下が本来の道だろう。
 その円柱状の下へは螺旋階段があり、降りられるようになっている。そして……
上空から見てもわかるように、確かに何かでかい生物がいるように見えた。

「いたぜ。ガードネスクロウル。硬ぇし糸を噴き出しやがる。おまけに毒も放つから
十分に気を付けるこったぜ」
「これは……シフティス大陸ってやっぱモンスターが強いんだな。
ここから見てもわかる……いや、どちらかというと難敵だな」
「戦略を練ってから戦う方がいいんじゃねえか。地形を活かせるだろ、ここならよ」
「真正面から行くべきじゃないよな。毒持ちとなると囮は俺がやるか。
ナナーとビュイは遠距離攻撃できるし、ドーグルに支援してもらいながらかき乱して
攻撃するか」
「おいおい、このツァーリさんが囮に決まってるだろうよ。毒、効くと思うか?」
「一緒に戦ってくれるのか?」
「あたぼうよ。俺と相棒の仲じゃねえか。だっはっはっは!」
「ついに相棒って言われた……だが頼もしい。ここは一つお願いするか」

 今はウォーラスもシュイオン先生もいない。出来る限り毒攻撃は避けたいところだ。
 そうなると……俺は中距離で戦う方がいいな。
 上のみんなをエプタにサポートしてもらおう。

 作戦を考えていると、斥候に出ていたエプタが戻って来る。
 

「おい、やっぱりおかしいぜ。あんなモンスターは俺も見たことがねえ。
どうなってやがるんだ? この鉱山……こいつはもしかするとやべえ鉱山かもしれねえ」
「どういうことだ?」
「イネービュ様の管轄から外れてるってことだ。どこぞの神がここで何かしていやがった
可能性がある。ロキって可能性もあるがよ。それにしちゃ仕掛けがお粗末すぎる。
あいつなら入り口から殺しにかかってくるだろうしよ」
「ロキ……か。確かに。遊びながら混乱している場を楽しむ。そんな奴に見えた」
「ひとまず神の気配はねえ。さっさと片づけて一度戻るか?」
「そういえばまだアメーダが戻って来て無いな。だが先に進まないと、悠長にしてる
時間はないな。全開でいくか」
「バカ言ってんな。おめえが魔を行使して暴れすぎりゃあ、他のモンスターまで
寄って来るかもしれねえだろ。暴れ過ぎず適度に殺れ」
「無茶を言ってくれるな。あれを出来たら封印したいんだよ……」
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