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第四部 主と共鳴せし道 第一章 闇のオーブを求め
第五百十四話 相対せし狐
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大広間の扉付近へ前進する俺たち。当然自動で開くわけはない。
後方から飛び出てキューブンを脱したシーは、急ぎ足で扉の前に赴き開こうとした。
「……速い!」
「キューブンをぶち抜いたであります!」
「く……鍵がかかってる。悪いが鍵を壊すぞ。
マーサルさん、すまない……」
持っていたアイアンソードを叩きつけるように扉の鍵部分へぶつけると、扉の鍵は粉々になり
アイアンソードもひしゃげて使い物にならなくなった。
「やりすぎた……まぁいい。この歪んだアイアンソードを鍵の代わりに置いていこう……」
「普通アイアンソードってそんな風にならないだろ!?」
「どんなバカ力で振るったでありますか!?」
「いや、元からこんな形状だったような……さぁ先を急ごう!」
後から突き進んできたキューブンに飛び乗ると、広間の扉を抜け、伝えた通り右折する。
そこにも数人トループが待ち構えて射撃の姿勢に入っていた……が遅すぎる。
なんなくビーの睡眠弾により寝かせつけられた。
「弾が残り少ない。出口まで持つかな」
「問題ない。もうじき出口……くそ! 気づかれてる。このまま出れば間違いなく遭遇するぞ!」
「どうするでありますか? 引き返すでありますか!?」
「いや、遅い。こちらが遅いというよりあちらが速すぎる!」
右折して直進し、更に扉を開いて抜けた先。外には出られた……ここは捕まった場所とは
違う所のようだ。
木などはなく、街道が敷設されていた。明かりも道々に灯されている。
その明かりに映し出されたのは銀色の長い髪を靡かせ、美しく輝く細長い剣を片手に持つ、狐の仮面を
つけた女性。長身であり、威圧的な姿勢を取っている。
「ほーう。ここまで脱走するものがいるとはな。今宵は特に気分が悪い。極刑に処する」
「銀髪の女狐。捕まった時にも言ったはずだ。俺たちは盗賊じゃない」
「……黙れ。貴様らの乗っていた馬車。あれはコーネリウスの手のものだろう。
貴族街からやって来たのなら私の敵だ!」
「く……あんたも貴族だったんだろう?」
「黙らぬか! もう容赦はせぬ……魔の盟約にして権限を行使。
狐火、狐狼、狐魚の怪。我が意思となりて敵を討て。
狐火フォア、狐狼フォルフ、狐魚フォッシュ、参れ!」
「魔術招来! こいつは厄介だぜ。シー、気を付けて戦え。
あいつは魂抜きの女狐と恐れられてる。どんな術を使うかもよくわからん!」
「火が浮かんでるであります! 変な顔した魚も浮かんでるであります!」
「見ればわかる! 魂抜き……狐火の影響か? こりゃ難敵だな……」
シーを戦闘にエーを中衛、ビーを後衛に配して身構える。
女狐は剣を上段に構え、反対の指で剣の先端を挟むように持っている。
本当に問答無用の相手だ。無法地帯どころか、殺戮地帯じゃないか、これだと。
一体彼女を説得して止めるにはどうしたらいいのか……貴族嫌いにもほどがある。
「ビー、俺とエーがひきつけてる間に、あの女狐を止める方法を考えてくれ。頼む!」
「そう言った事はビーが得意そうであります! お願いするであります!」
「えぇ? 普通に倒して帰るんじゃだめか?」
「それ、絶対後でもめるだろ……出来るだけ穏便にすまそうぜ」
「で、あります!」
「やれやれ、わかったよ。残りの弾数と相談してみるわ。しっかり頼むぜ、エー、シー……
いや、相棒たちよ!」
『おう!』
後方から飛び出てキューブンを脱したシーは、急ぎ足で扉の前に赴き開こうとした。
「……速い!」
「キューブンをぶち抜いたであります!」
「く……鍵がかかってる。悪いが鍵を壊すぞ。
マーサルさん、すまない……」
持っていたアイアンソードを叩きつけるように扉の鍵部分へぶつけると、扉の鍵は粉々になり
アイアンソードもひしゃげて使い物にならなくなった。
「やりすぎた……まぁいい。この歪んだアイアンソードを鍵の代わりに置いていこう……」
「普通アイアンソードってそんな風にならないだろ!?」
「どんなバカ力で振るったでありますか!?」
「いや、元からこんな形状だったような……さぁ先を急ごう!」
後から突き進んできたキューブンに飛び乗ると、広間の扉を抜け、伝えた通り右折する。
そこにも数人トループが待ち構えて射撃の姿勢に入っていた……が遅すぎる。
なんなくビーの睡眠弾により寝かせつけられた。
「弾が残り少ない。出口まで持つかな」
「問題ない。もうじき出口……くそ! 気づかれてる。このまま出れば間違いなく遭遇するぞ!」
「どうするでありますか? 引き返すでありますか!?」
「いや、遅い。こちらが遅いというよりあちらが速すぎる!」
右折して直進し、更に扉を開いて抜けた先。外には出られた……ここは捕まった場所とは
違う所のようだ。
木などはなく、街道が敷設されていた。明かりも道々に灯されている。
その明かりに映し出されたのは銀色の長い髪を靡かせ、美しく輝く細長い剣を片手に持つ、狐の仮面を
つけた女性。長身であり、威圧的な姿勢を取っている。
「ほーう。ここまで脱走するものがいるとはな。今宵は特に気分が悪い。極刑に処する」
「銀髪の女狐。捕まった時にも言ったはずだ。俺たちは盗賊じゃない」
「……黙れ。貴様らの乗っていた馬車。あれはコーネリウスの手のものだろう。
貴族街からやって来たのなら私の敵だ!」
「く……あんたも貴族だったんだろう?」
「黙らぬか! もう容赦はせぬ……魔の盟約にして権限を行使。
狐火、狐狼、狐魚の怪。我が意思となりて敵を討て。
狐火フォア、狐狼フォルフ、狐魚フォッシュ、参れ!」
「魔術招来! こいつは厄介だぜ。シー、気を付けて戦え。
あいつは魂抜きの女狐と恐れられてる。どんな術を使うかもよくわからん!」
「火が浮かんでるであります! 変な顔した魚も浮かんでるであります!」
「見ればわかる! 魂抜き……狐火の影響か? こりゃ難敵だな……」
シーを戦闘にエーを中衛、ビーを後衛に配して身構える。
女狐は剣を上段に構え、反対の指で剣の先端を挟むように持っている。
本当に問答無用の相手だ。無法地帯どころか、殺戮地帯じゃないか、これだと。
一体彼女を説得して止めるにはどうしたらいいのか……貴族嫌いにもほどがある。
「ビー、俺とエーがひきつけてる間に、あの女狐を止める方法を考えてくれ。頼む!」
「そう言った事はビーが得意そうであります! お願いするであります!」
「えぇ? 普通に倒して帰るんじゃだめか?」
「それ、絶対後でもめるだろ……出来るだけ穏便にすまそうぜ」
「で、あります!」
「やれやれ、わかったよ。残りの弾数と相談してみるわ。しっかり頼むぜ、エー、シー……
いや、相棒たちよ!」
『おう!』
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