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第四部 主と共鳴せし道 第一章 闇のオーブを求め
第五百十一話 心ときめく出会い
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保管庫は少し暗いが、十分に見える。
「何か動いたぞ? まさか、虫か!? 俺、虫苦手なんだよ!」
「自分もであります! シー、探してきて欲しいであります!」
「俺も苦手だよ! でも何か変な鳴き声のような音がしたんだよな」
「ぱみゅ!」
「うん? 本当だ変な鳴き声がしたぞ?」
「あ、ああ。ぱ、ぱーみゅるるる……」
「なんだシーの腹の虫か。食あたりでもしたか?」
「大丈夫、収まったみたいだ……」
パモが勝手に喋るってことは何かよっぽどの事だ。俺にちゃんと探せと言っている。
盾が並ぶ場所……散らかってるが、その隙間の辺りだった。
紫色のすすこけた何かがいたきがする。
「動物……か。こんなところに閉じ込めて、可哀そうに」
「きゅううーーー……」
「虫じゃなかったのか……よかった。随分と汚れてるが、アイリスか?」
「アイリス? それって花の名前じゃないのか」
「違う。シフティス大陸に稀に見かける動物だ。こいつはまだ子供だな。
エー。パンがあっただろ。急ぎとってきてくれ」
「わかったであります! その間に自分の武器をお願いするであります!」
「任せておけ。シーはアイアンソードだったか? ここにはもうちょいいい
装備がありそうだぜ」
「いや、アイアンソードでいい。こいつをもらっていいか? その……とても気に入ったんだ」
俺もだが、どちらかというとパモが……だけどな。
このアイリスというのは、シマエナガとリスに似ていてかなり可愛い。
汚れているのは後で洗浄してやろう。
「ははっ。シーは真面目だな。おまえよかったな、俺たちと一緒に脱出しようぜ」
「きゅううー……」
少し怯えながらも出てきたアイリス。全長はに十センチ程だろうか。くりくりした目だが
すばしっこそうだ。
「おっと。脱出に使えそうなものもあるな。仕方ない、シーに倣ってお金を代わりに置いていくか」
「俺が払うよ。ビーにそうさせたのは俺だ。それに脱出するにも準備はしておいたほうがいいし」
「まったくお互い、真面目だ。エーの装備は……これだったな。重っ! あいつ顔のわりにこんなの
軽々と持ってたのか」
「これは合金だな。支給品にしちゃ扱える奴が限られる重量だ。
俺の知合いでもこの重量を扱える奴は多くない」
エーは体格がかなり細いが、これを扱えるということは内臓してる力が相当なものなのか、はたまた
術の影響か、それとも……。
どちらにしろ頼りになる。
「持ってきたであります! あぁ! 自分のベルゼバブを見つけてくれたでありますか!?」
「ベルゼバブっていうのか。舌を噛みそうな名前だな」
「ほら、ごはんだ。食べれそうか?」
「きゅううーー……?」
かなり怯えているが、俺を背中にパモを少しだけのぞかせると、驚いているようだが少し安心
したようで、パンくずを食べ始める。
喋りたいのをぐっとこらえて様子を見たパモ。
再び急ぎしまって、アイリスに優しく手を伸ばすと、信用してもらえたのか、手の上に乗ってくれた。
「よし、脱出しよう。この子は少し布に包んで持っていく。
道中うまく、切り抜けて行こう!」
保管庫を後にして、食堂を抜け、先へ進む。
地下二階の兵士はひとまず見当たらないが、どう考えてもここより上には
それなりの兵士がいるだろう。
うまくやり過ごせればいいが……。
「何か動いたぞ? まさか、虫か!? 俺、虫苦手なんだよ!」
「自分もであります! シー、探してきて欲しいであります!」
「俺も苦手だよ! でも何か変な鳴き声のような音がしたんだよな」
「ぱみゅ!」
「うん? 本当だ変な鳴き声がしたぞ?」
「あ、ああ。ぱ、ぱーみゅるるる……」
「なんだシーの腹の虫か。食あたりでもしたか?」
「大丈夫、収まったみたいだ……」
パモが勝手に喋るってことは何かよっぽどの事だ。俺にちゃんと探せと言っている。
盾が並ぶ場所……散らかってるが、その隙間の辺りだった。
紫色のすすこけた何かがいたきがする。
「動物……か。こんなところに閉じ込めて、可哀そうに」
「きゅううーーー……」
「虫じゃなかったのか……よかった。随分と汚れてるが、アイリスか?」
「アイリス? それって花の名前じゃないのか」
「違う。シフティス大陸に稀に見かける動物だ。こいつはまだ子供だな。
エー。パンがあっただろ。急ぎとってきてくれ」
「わかったであります! その間に自分の武器をお願いするであります!」
「任せておけ。シーはアイアンソードだったか? ここにはもうちょいいい
装備がありそうだぜ」
「いや、アイアンソードでいい。こいつをもらっていいか? その……とても気に入ったんだ」
俺もだが、どちらかというとパモが……だけどな。
このアイリスというのは、シマエナガとリスに似ていてかなり可愛い。
汚れているのは後で洗浄してやろう。
「ははっ。シーは真面目だな。おまえよかったな、俺たちと一緒に脱出しようぜ」
「きゅううー……」
少し怯えながらも出てきたアイリス。全長はに十センチ程だろうか。くりくりした目だが
すばしっこそうだ。
「おっと。脱出に使えそうなものもあるな。仕方ない、シーに倣ってお金を代わりに置いていくか」
「俺が払うよ。ビーにそうさせたのは俺だ。それに脱出するにも準備はしておいたほうがいいし」
「まったくお互い、真面目だ。エーの装備は……これだったな。重っ! あいつ顔のわりにこんなの
軽々と持ってたのか」
「これは合金だな。支給品にしちゃ扱える奴が限られる重量だ。
俺の知合いでもこの重量を扱える奴は多くない」
エーは体格がかなり細いが、これを扱えるということは内臓してる力が相当なものなのか、はたまた
術の影響か、それとも……。
どちらにしろ頼りになる。
「持ってきたであります! あぁ! 自分のベルゼバブを見つけてくれたでありますか!?」
「ベルゼバブっていうのか。舌を噛みそうな名前だな」
「ほら、ごはんだ。食べれそうか?」
「きゅううーー……?」
かなり怯えているが、俺を背中にパモを少しだけのぞかせると、驚いているようだが少し安心
したようで、パンくずを食べ始める。
喋りたいのをぐっとこらえて様子を見たパモ。
再び急ぎしまって、アイリスに優しく手を伸ばすと、信用してもらえたのか、手の上に乗ってくれた。
「よし、脱出しよう。この子は少し布に包んで持っていく。
道中うまく、切り抜けて行こう!」
保管庫を後にして、食堂を抜け、先へ進む。
地下二階の兵士はひとまず見当たらないが、どう考えてもここより上には
それなりの兵士がいるだろう。
うまくやり過ごせればいいが……。
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