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第四部 主と共鳴せし道 第一章 闇のオーブを求め
第五百一話 イネービュに深く関わるもの
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突然現れたブネ。恐らくはイネービュの許へ行っていたのだろう。
表情は相変わらず無表情のままだ。
「それで、話ってなんだ? よくない話?」
「地底へ向かえなくなった事は知っているな。その件についてイネービュ様より呼び出しがあった。
イネービュ様の力をもってしても地底への道が開けなかったのだ。そればかりか
ネウスーフォ様との連絡が取れないようだ」
「……ネウスーフォって絶対神だったよな。絶対神でもどうにもならないっていうのか?」
「そうだ。しかも絶対神でどうにもならなければ、下位神ではどうすることも出来ぬ。
未だ戻らぬエプタたちといい、何かしらの事象が起こっているやもしれぬ。
まぁあちらは案ずる事はない。エプタが死ねばすぐにわかる」
「相変わらず物騒だな。そっちは心配してないよ。何せドーグルとイーファはメンバーの中でも
しっかり者だ。俺みたいにヘマしたりはしない。どちらも割と、自由なタイプだしな」
「話を戻すぞ。イネービュ様より注意喚起だ。いいか、よく聞け」
「続きはこのイネービュより話そう。ブネ」
すーっと上空から美しい女神イネービュが舞い降りてくる。そのまま降りていき……
ルインに飛びついた。
『ちょっと! うちの旦那に何してんのよ!』
「ふふふ、こうすると人の子は喜ぶと聞いてね。やってみたかったんだ」
なぜか怒っているファナとサラを見て、小首を傾げながら二人を見るイネービュ。
この神様、いたずら好きで遊び好きだな……いや、それどころじゃないんだ。
「イネービュ様、お戯れを。こら、貴様も早く離れんか!」
「ぐぎぎぎぎ……って言われてもすげー力で抱擁されててこのままだと窒息死する、助けて!」
「おや、力加減を間違えたかな。ふぅ、海底より暑いねここは」
ゆっくりとルインを解放したイネービュ。
イネービュが指を弾くと、以前加護を受けた者たち全員に水しぶきが舞う。
「これで少し涼しくなったね。さて、地底へ赴けなくなった事や地底での出来事。
これは不測の事態だ。ネウスーフォと連絡がつかなくなったこともね。
彼とタルタロスがどうにかするのだろうけれど、こちらとしても十分警戒している」
「一体何が起こってるんだ? あっちには先生やリル、カノン、フェルドナージュ様もいる。
心配だ」
「干渉している何かがいるのは間違いない。そして、君たちは十分に警戒しなければ
ならない。これから先、原因が解明するまでは、海底へ赴いた者の名を発する事を禁じる。
偽名を使いなさい。海底に向かった事が無い者は、そのままでもいいよ」
「そうすると、今回向かうメンバーでは、アネスタさんとハクレイ、シュイオン先生とスピア、それに
レミニーニか」
「また随分と面白い仲間が増えたね。面白そうだけど、残念ながら彼らと話をしていけない。
こちらに植え替えたっていう桜を見たら直ぐ戻る。本当はもっとゆっくりしていきたいのだけれど」
「なぁ、名前を言ってしまうとどうなるんだ?」
「何かが起こるわけではない。しかし何かが起こるかもしれないね」
「うん? どういう意味だ、一体」
「さて……やっぱりロブロードをレェン君とやってから戻ろうかな。エーナ、準備を」
「マミムメモマミムメモ、ヤ、ユ、ヨ。イネービュ様、彼は相当上手だから、覚悟しておいてね」
「それは楽しみだ。そのまま海底に連れて行こうかな」
そう話しながら、イネービュは神の威光を発しながら、ルーンの安息所へと入っていった。
名前を言うな……か。全員偽名を考えないと。
そういえば昔、俺の事をツインって言ってたな。
ツインか。それも悪くない。
表情は相変わらず無表情のままだ。
「それで、話ってなんだ? よくない話?」
「地底へ向かえなくなった事は知っているな。その件についてイネービュ様より呼び出しがあった。
イネービュ様の力をもってしても地底への道が開けなかったのだ。そればかりか
ネウスーフォ様との連絡が取れないようだ」
「……ネウスーフォって絶対神だったよな。絶対神でもどうにもならないっていうのか?」
「そうだ。しかも絶対神でどうにもならなければ、下位神ではどうすることも出来ぬ。
未だ戻らぬエプタたちといい、何かしらの事象が起こっているやもしれぬ。
まぁあちらは案ずる事はない。エプタが死ねばすぐにわかる」
「相変わらず物騒だな。そっちは心配してないよ。何せドーグルとイーファはメンバーの中でも
しっかり者だ。俺みたいにヘマしたりはしない。どちらも割と、自由なタイプだしな」
「話を戻すぞ。イネービュ様より注意喚起だ。いいか、よく聞け」
「続きはこのイネービュより話そう。ブネ」
すーっと上空から美しい女神イネービュが舞い降りてくる。そのまま降りていき……
ルインに飛びついた。
『ちょっと! うちの旦那に何してんのよ!』
「ふふふ、こうすると人の子は喜ぶと聞いてね。やってみたかったんだ」
なぜか怒っているファナとサラを見て、小首を傾げながら二人を見るイネービュ。
この神様、いたずら好きで遊び好きだな……いや、それどころじゃないんだ。
「イネービュ様、お戯れを。こら、貴様も早く離れんか!」
「ぐぎぎぎぎ……って言われてもすげー力で抱擁されててこのままだと窒息死する、助けて!」
「おや、力加減を間違えたかな。ふぅ、海底より暑いねここは」
ゆっくりとルインを解放したイネービュ。
イネービュが指を弾くと、以前加護を受けた者たち全員に水しぶきが舞う。
「これで少し涼しくなったね。さて、地底へ赴けなくなった事や地底での出来事。
これは不測の事態だ。ネウスーフォと連絡がつかなくなったこともね。
彼とタルタロスがどうにかするのだろうけれど、こちらとしても十分警戒している」
「一体何が起こってるんだ? あっちには先生やリル、カノン、フェルドナージュ様もいる。
心配だ」
「干渉している何かがいるのは間違いない。そして、君たちは十分に警戒しなければ
ならない。これから先、原因が解明するまでは、海底へ赴いた者の名を発する事を禁じる。
偽名を使いなさい。海底に向かった事が無い者は、そのままでもいいよ」
「そうすると、今回向かうメンバーでは、アネスタさんとハクレイ、シュイオン先生とスピア、それに
レミニーニか」
「また随分と面白い仲間が増えたね。面白そうだけど、残念ながら彼らと話をしていけない。
こちらに植え替えたっていう桜を見たら直ぐ戻る。本当はもっとゆっくりしていきたいのだけれど」
「なぁ、名前を言ってしまうとどうなるんだ?」
「何かが起こるわけではない。しかし何かが起こるかもしれないね」
「うん? どういう意味だ、一体」
「さて……やっぱりロブロードをレェン君とやってから戻ろうかな。エーナ、準備を」
「マミムメモマミムメモ、ヤ、ユ、ヨ。イネービュ様、彼は相当上手だから、覚悟しておいてね」
「それは楽しみだ。そのまま海底に連れて行こうかな」
そう話しながら、イネービュは神の威光を発しながら、ルーンの安息所へと入っていった。
名前を言うな……か。全員偽名を考えないと。
そういえば昔、俺の事をツインって言ってたな。
ツインか。それも悪くない。
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