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第四章 メルザの里帰り
間話 シーブル―大陸にて。ベルドとミリルの旅
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ルインたちが里帰りを終えて戻った頃――――。
シーブル―大陸のとある場所にて。
「ベルド、少し休んだほうがいいですわ。ここまでの旅路でずっと、無理をしすぎです」
「ミリル。どうしても急ぎで奴の足取りを追いたいんだ。父上が……あいつが本当に父上の体を乗っ取った
のだとしたら、戻す方法がないか探さないといけない。それに……」
「わたくしなら大丈夫です。随分と皆さんに励まされましたから」
「そうか……俺だけなのか、気持ちに整理がついていないのは」
「そんなはずありませんわ。ベルディアさんだってきっと、お辛いのだと思います。
でもあの方は前向きな姿勢がとにかくお強い。くよくよしている暇があれば、前に進む。
お兄さんのあなたが慎重なだけですわ」
「妹は確かにそうだな。兄として俺がしっかりしないと……むっ。ミリルよ、どうやら少し
悠長にはしていられない。もうじきアルカントの町だろう?」
「ええ。地図によれば。この大陸はかなり魔物が手ごわいはずです。道中見つからなければよいのですが」
「なぁに、新しい力をためすいい機会にもなるだろう」
「わたくし、少し心配ですわ……
「心配的中だ! 地面から来る! 飛べ!」
「くっ……ドラゴニックデルト・インプルーブ! ルー、頼みますわ!」
「ル、ピィーーー!」
上空に飛翔しながらルーと一体化したミリル。地上にいたベルドは距離を既に取り、地中から出てきた
魔物へ警戒態勢をとっている。
ルーと一体化しながら、ルーの顔が鎧の表面上に現れるミリル。
そのルーの口から強烈なブレスが地上へと向けて放出された。
「ギュルルリギイイイーーーー」
「ギュアッギュアーーール」
「ブレスが直撃したのにあまり効いていませんわ! ベルド、気を付けて! やはりこの地の魔物は
かなり手ごわいようです!」
「相手にとって不足なし。未だ修行途中の身。たった二匹の魔物で苦戦するようなら、ライデンなど倒せる
はずもない。今しばらくこの地にて修行をする必要がある……か。いくぞ! ギガ・ネウス」
ベルドの所持するアルキオネウスの腕輪。その効果によりベルドの腕が肥大化し……現在は
武器を所持せず背中にさしたままだった。
地中から現れた謎のトカゲが鎧を身に纏ったような魔物に対して巨大な指を向ける。
「実験で悪いな……巨・燃臥斗」
超巨大な指から、巨大すぎるほどの燃臥斗が魔物をいっきに覆いつくす。
ベルドはコクりと頷き状態を確かめるように手を握ると、再度……「氷臥斗」
今度は巨大な氷の柱が地上から上空へ向けて突きあがるように目の前へ伸び、魔物を串刺しにした。
上空にいたミリルは驚き、地上へ降りてベルドの許へと駆けつける。
「そんなこともできますのね。術そのもの自体が巨大になるなんて。まるでメルザさんの術みたいに」
「彼女の場合は術そのものの精度や濃度が高い。一発一発の威力なら彼女の方が上。僕のこれは覆いつくす
範囲を拡大し、呼吸器を遮断できる。用途違いだな」
「それこそベルドさんらしいた戦い方ですわね。メルザさんはその……頭で考えて戦うのはそんなに得意
じゃありませんし」
「彼女の師匠は切れ者のライラロさんだろう? 案外心得ているかもしれないな。だがそろそろ……彼女は
封印される頃か」
「わたくし、ルインさんがついていれば大丈夫だと信じておりますわ。早くライデンの足取りをつかみ、皆さんの許へ帰りましょう」
「……そうだな。ケリをつけれるに越したことはないんんだが」
二人はシーブル―の町を目指し、再び歩き始めた。
シーブル―大陸のとある場所にて。
「ベルド、少し休んだほうがいいですわ。ここまでの旅路でずっと、無理をしすぎです」
「ミリル。どうしても急ぎで奴の足取りを追いたいんだ。父上が……あいつが本当に父上の体を乗っ取った
のだとしたら、戻す方法がないか探さないといけない。それに……」
「わたくしなら大丈夫です。随分と皆さんに励まされましたから」
「そうか……俺だけなのか、気持ちに整理がついていないのは」
「そんなはずありませんわ。ベルディアさんだってきっと、お辛いのだと思います。
でもあの方は前向きな姿勢がとにかくお強い。くよくよしている暇があれば、前に進む。
お兄さんのあなたが慎重なだけですわ」
「妹は確かにそうだな。兄として俺がしっかりしないと……むっ。ミリルよ、どうやら少し
悠長にはしていられない。もうじきアルカントの町だろう?」
「ええ。地図によれば。この大陸はかなり魔物が手ごわいはずです。道中見つからなければよいのですが」
「なぁに、新しい力をためすいい機会にもなるだろう」
「わたくし、少し心配ですわ……
「心配的中だ! 地面から来る! 飛べ!」
「くっ……ドラゴニックデルト・インプルーブ! ルー、頼みますわ!」
「ル、ピィーーー!」
上空に飛翔しながらルーと一体化したミリル。地上にいたベルドは距離を既に取り、地中から出てきた
魔物へ警戒態勢をとっている。
ルーと一体化しながら、ルーの顔が鎧の表面上に現れるミリル。
そのルーの口から強烈なブレスが地上へと向けて放出された。
「ギュルルリギイイイーーーー」
「ギュアッギュアーーール」
「ブレスが直撃したのにあまり効いていませんわ! ベルド、気を付けて! やはりこの地の魔物は
かなり手ごわいようです!」
「相手にとって不足なし。未だ修行途中の身。たった二匹の魔物で苦戦するようなら、ライデンなど倒せる
はずもない。今しばらくこの地にて修行をする必要がある……か。いくぞ! ギガ・ネウス」
ベルドの所持するアルキオネウスの腕輪。その効果によりベルドの腕が肥大化し……現在は
武器を所持せず背中にさしたままだった。
地中から現れた謎のトカゲが鎧を身に纏ったような魔物に対して巨大な指を向ける。
「実験で悪いな……巨・燃臥斗」
超巨大な指から、巨大すぎるほどの燃臥斗が魔物をいっきに覆いつくす。
ベルドはコクりと頷き状態を確かめるように手を握ると、再度……「氷臥斗」
今度は巨大な氷の柱が地上から上空へ向けて突きあがるように目の前へ伸び、魔物を串刺しにした。
上空にいたミリルは驚き、地上へ降りてベルドの許へと駆けつける。
「そんなこともできますのね。術そのもの自体が巨大になるなんて。まるでメルザさんの術みたいに」
「彼女の場合は術そのものの精度や濃度が高い。一発一発の威力なら彼女の方が上。僕のこれは覆いつくす
範囲を拡大し、呼吸器を遮断できる。用途違いだな」
「それこそベルドさんらしいた戦い方ですわね。メルザさんはその……頭で考えて戦うのはそんなに得意
じゃありませんし」
「彼女の師匠は切れ者のライラロさんだろう? 案外心得ているかもしれないな。だがそろそろ……彼女は
封印される頃か」
「わたくし、ルインさんがついていれば大丈夫だと信じておりますわ。早くライデンの足取りをつかみ、皆さんの許へ帰りましょう」
「……そうだな。ケリをつけれるに越したことはないんんだが」
二人はシーブル―の町を目指し、再び歩き始めた。
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