515 / 1,085
第四章 メルザの里帰り
第四百五十六話 黒衣を纏うサイクロプス 神暗鬼キャットマイルド戦
しおりを挟む
キャットマイルドが巨大化し、そして――――漆黒の衣を身にまとう、巨大なサイクロプスが目の前に現れた。
手には禍々しい剣を携え、暗黒の気配が満ちているそれの表情は黒でそまっていた。
変身した影響か、動きは今のところみられない。
「殿方殿。大丈夫か?」
「ああ。動けそうだ。それよりあいつは元々体術使い。剣は不慣れだと思う。
あの形態からどんな体術を使用するかわからないが……警戒を」
「承知。ラーヴァティンの攻撃を直接受けぬように、お気をつけて」
「大丈夫だ。俺がひきつける。そのすきに攻撃を」
「正気か? 攻撃なら私やジェネストが受けた方が……」
「問題ない。全て……回避してみせる。剣戒! 封剣!」
「パッ! コラちゃん参上ら!」
「にゅいーん。てぃーちゃん参上でごじゃろ」
「……こいつも喋るようになったんだった……まぁいい。今は、対峙する相手が強大だ。どっちも頼むぞ」
「あちしいやなのら!」
「てぃーちゃんも嫌でごじゃろ」
「……剣に嫌われた……」
「別にあちし嫌ったわけじゃないら! 扱い方、もっと学んで欲しいら!」
「てぃーちゃんも同じでごじゃろ。名剣の扱いが悪いでごじゃろ!」
「そういってもなぁ……まぁまずはお前らを頼らず頑張ってみるか。出しとくから勝手に消えないでくれよ」
「あちし、ちゃんと見ておくのら」
「てぃーちゃんは見飽きたでごじゃろ。まだまだでごじゃろ」
「紫電清霜!」
俺の体全身に紫色の電撃のようなものが走る。ルーイズが残してくれたもの。
あの時の感覚……ついに獲得した。待ち望んでいた術系統。雷。
これにより飛躍的進化をするものがいくつかある。
「まず第一……神魔解放!」
神魔解放による電気信号の飛躍化。あらゆる機能がさらに向上する感覚。
身体をほとばしる紫色が濃くなる。
【妖真化・獣化】
真化を経由して更に獣化し、全身を覆う毛が紫色に逆立った。
【真・ベリアール化】
「……あれが殿方殿? あの姿はもはや……」
「魔神、ベリアル。伝承にうたわれるまごうことなき姿ですね。雷炎の貴公子といったところでしょうか」
「それだけではなく殿方殿の本来の形態は海水や氷。まったく、大した方だ」
かつてないほどの高揚感。これが雷を帯びた世界。レピュトの手甲を放出しコラーダを
持たせ、ティソーナを構えながら立つ。獣戦妖魔ルインがキャットマイルドと対峙する。
初手……相手は微動だにしていない。二十メートル程の距離があるが、眼前にいるのと変わらない感覚だ。
「多分こう……か? 紫電脚! ……やべっ!」
獣化の脚力を活かし、一気に間合いをつめるつもりが、とんでもない方向まで突き抜ける。
これはかなり修行しないとコントロールがむずい!
それを見てジェネストとクリムゾンに少し笑われる。無理もない。技に遊ばれてる感じだ。
切り返して一気に近づき、眼前に迫る。いや、黒い……瞳さえも真っ黒。
こいつにはもう、俺は見えていないのだろうか?
「グオオオオオオオオオオオオオオ! ルイン、コロス!」
「理性すら捨てて復讐を果たしたいのか、キャットマイルド! 俺を狙え! トゥルエノ・サルバシオン!」
雷撃をまとう一撃を思い切りお見舞いする。
【求】の字をてぃそーなとコラーダがそれぞれ紫色の光で切り刻んでいくが……
さして効いている感じがしない。並大抵の防御力ではない。
「あちしの攻撃、効いてない!」
「全然だめでごじゃろ。もっと上の固有技を使うでごじゃろ」
「殿方殿、援護を」
「加勢します」
「少し待ってくれ二人とも。この形態、まだまだ扱えていない!」
二人を制止した俺が考えている事。どうしたらこいつを……キャットマイルドを解放して楽にして
やれるかだった。
俺のせいでこうなった以上、その役目を誰かに譲るわけにはいかないんだと。
手には禍々しい剣を携え、暗黒の気配が満ちているそれの表情は黒でそまっていた。
変身した影響か、動きは今のところみられない。
「殿方殿。大丈夫か?」
「ああ。動けそうだ。それよりあいつは元々体術使い。剣は不慣れだと思う。
あの形態からどんな体術を使用するかわからないが……警戒を」
「承知。ラーヴァティンの攻撃を直接受けぬように、お気をつけて」
「大丈夫だ。俺がひきつける。そのすきに攻撃を」
「正気か? 攻撃なら私やジェネストが受けた方が……」
「問題ない。全て……回避してみせる。剣戒! 封剣!」
「パッ! コラちゃん参上ら!」
「にゅいーん。てぃーちゃん参上でごじゃろ」
「……こいつも喋るようになったんだった……まぁいい。今は、対峙する相手が強大だ。どっちも頼むぞ」
「あちしいやなのら!」
「てぃーちゃんも嫌でごじゃろ」
「……剣に嫌われた……」
「別にあちし嫌ったわけじゃないら! 扱い方、もっと学んで欲しいら!」
「てぃーちゃんも同じでごじゃろ。名剣の扱いが悪いでごじゃろ!」
「そういってもなぁ……まぁまずはお前らを頼らず頑張ってみるか。出しとくから勝手に消えないでくれよ」
「あちし、ちゃんと見ておくのら」
「てぃーちゃんは見飽きたでごじゃろ。まだまだでごじゃろ」
「紫電清霜!」
俺の体全身に紫色の電撃のようなものが走る。ルーイズが残してくれたもの。
あの時の感覚……ついに獲得した。待ち望んでいた術系統。雷。
これにより飛躍的進化をするものがいくつかある。
「まず第一……神魔解放!」
神魔解放による電気信号の飛躍化。あらゆる機能がさらに向上する感覚。
身体をほとばしる紫色が濃くなる。
【妖真化・獣化】
真化を経由して更に獣化し、全身を覆う毛が紫色に逆立った。
【真・ベリアール化】
「……あれが殿方殿? あの姿はもはや……」
「魔神、ベリアル。伝承にうたわれるまごうことなき姿ですね。雷炎の貴公子といったところでしょうか」
「それだけではなく殿方殿の本来の形態は海水や氷。まったく、大した方だ」
かつてないほどの高揚感。これが雷を帯びた世界。レピュトの手甲を放出しコラーダを
持たせ、ティソーナを構えながら立つ。獣戦妖魔ルインがキャットマイルドと対峙する。
初手……相手は微動だにしていない。二十メートル程の距離があるが、眼前にいるのと変わらない感覚だ。
「多分こう……か? 紫電脚! ……やべっ!」
獣化の脚力を活かし、一気に間合いをつめるつもりが、とんでもない方向まで突き抜ける。
これはかなり修行しないとコントロールがむずい!
それを見てジェネストとクリムゾンに少し笑われる。無理もない。技に遊ばれてる感じだ。
切り返して一気に近づき、眼前に迫る。いや、黒い……瞳さえも真っ黒。
こいつにはもう、俺は見えていないのだろうか?
「グオオオオオオオオオオオオオオ! ルイン、コロス!」
「理性すら捨てて復讐を果たしたいのか、キャットマイルド! 俺を狙え! トゥルエノ・サルバシオン!」
雷撃をまとう一撃を思い切りお見舞いする。
【求】の字をてぃそーなとコラーダがそれぞれ紫色の光で切り刻んでいくが……
さして効いている感じがしない。並大抵の防御力ではない。
「あちしの攻撃、効いてない!」
「全然だめでごじゃろ。もっと上の固有技を使うでごじゃろ」
「殿方殿、援護を」
「加勢します」
「少し待ってくれ二人とも。この形態、まだまだ扱えていない!」
二人を制止した俺が考えている事。どうしたらこいつを……キャットマイルドを解放して楽にして
やれるかだった。
俺のせいでこうなった以上、その役目を誰かに譲るわけにはいかないんだと。
0
お気に入りに追加
98
あなたにおすすめの小説
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
実はスライムって最強なんだよ?初期ステータスが低すぎてレベルアップが出来ないだけ…
小桃
ファンタジー
商業高校へ通う女子高校生一条 遥は通学時に仔犬が車に轢かれそうになった所を助けようとして車に轢かれ死亡する。この行動に獣の神は心を打たれ、彼女を転生させようとする。遥は獣の神より転生を打診され5つの希望を叶えると言われたので、希望を伝える。
1.最強になれる種族
2.無限収納
3.変幻自在
4.並列思考
5.スキルコピー
5つの希望を叶えられ遥は新たな世界へ転生する、その姿はスライムだった…最強になる種族で転生したはずなのにスライムに…遥はスライムとしてどう生きていくのか?スライムに転生した少女の物語が始まるのであった。
豪華地下室チートで異世界救済!〜僕の地下室がみんなの憩いの場になるまで〜
自来也
ファンタジー
カクヨム、なろうで150万PV達成!
理想の家の完成を目前に異世界に転移してしまったごく普通のサラリーマンの翔(しょう)。転移先で手にしたスキルは、なんと「地下室作成」!? 戦闘スキルでも、魔法の才能でもないただの「地下室作り」
これが翔の望んだ力だった。
スキルが成長するにつれて移動可能、豪華な浴室、ナイトプール、釣り堀、ゴーカート、ゲーセンなどなどあらゆる物の配置が可能に!?
ある時は瀕死の冒険者を助け、ある時は獣人を招待し、翔の理想の地下室はいつのまにか隠れた憩いの場になっていく。
※この作品は小説家になろう、カクヨムにも投稿しております。
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
貞操逆転世界に無職20歳男で転生したので自由に生きます!
やまいし
ファンタジー
自分が書きたいことを詰めこみました。掲示板あり
目覚めると20歳無職だった主人公。
転生したのは男女の貞操観念が逆転&男女比が1:100の可笑しな世界だった。
”好きなことをしよう”と思ったは良いものの無一文。
これではまともな生活ができない。
――そうだ!えちえち自撮りでお金を稼ごう!
こうして彼の転生生活が幕を開けた。
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
無限初回ログインボーナスを貰い続けて三年 ~辺境伯となり辺境領地生活~
桜井正宗
ファンタジー
元恋人に騙され、捨てられたケイオス帝国出身の少年・アビスは絶望していた。資産を奪われ、何もかも失ったからだ。
仕方なく、冒険者を志すが道半ばで死にかける。そこで大聖女のローザと出会う。幼少の頃、彼女から『無限初回ログインボーナス』を授かっていた事実が発覚。アビスは、三年間もの間に多くのログインボーナスを受け取っていた。今まで気づかず生活を送っていたのだ。
気づけばSSS級の武具アイテムであふれかえっていた。最強となったアビスは、アイテムの受け取りを拒絶――!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる