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第四章 メルザの里帰り
第三百九十八話 発熱
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グルグルと回転したせいでだいぶ気持ち悪かったが、ようやく落ち着いてきた。
エレギー。なんて恐ろしい技を……しかも兄弟合体ってなんだ。
あれをジーキとソウゴは受け入れてやっているのか。なんて仲のいい兄弟なんだろう。
できれば俺は御免こうむりたい。
「だいじょぶか? 二人とも」
「ああ、どうにか……これなら新魔解放して一気に行った方がましだったか。
なぁエレギー。これから後どれくらいで着くんだ?」
「まだまだかかるぞ弟よ! ここは海底を抜ける洞窟だ。ドラディニア大陸、三つの入り口へと
道が分かれるのだが、わての向かう予定である町に、本当に向かってよいのか?」
「構わないよ。そこからはセーレで移動できればどうにでもなる。ドラディニア大陸ってドラゴンが
沢山飛んでるよな? だからあいつが飛んでもそうは目立たないだろ」
「あの飛んでいた馬の事か!? あれは目立つぞ! だが問題なかろう。わても欲しいくらいだ!」
「それはそうと、目的地の名前は?」
「ふうむ、弟はどうやらドラディニア大陸に詳しくないようだ。これから目指す町を含めて教えてやろう!」
エレギーの話によると、洞窟を抜けた方面によってまるで違う場所に出るらしい。
これから向かうのは中央出口。バルバロッサの町があるらしい。
街中の建物が全て赤で統一されてるとか。社会性の強い国なのだろう。
東にはアレドリア湖というのがあり、その付近に出るらしい。
西に出ると大きな穴が開いており、鉱石などが取れる地域のようだ。
「そのバルバロッサって国は、俺らのような者でも入れるのか?」
「入国税を払えば当然入れるぞ! 弟よ、金は持っているな?」
「うぐっ……あまり多くはないが、金貨数枚ならある」
「十分たりるであろう。あの国の物価は比較的高めだが質はいい物が多く売っている。
着いたら色々と案内してやろう!」
「そいつは楽しみだな。あれ……メルザ。どうした?」
「はぁ……はぁ。何でもねぇ、だいじょぶだ……よ」
明らかに様子がおかしい。まさか……おでこに手をあてると酷い熱だ。
「ばか野郎、なんで黙ってた。妖雪造形術 コウテイ!」
「ウェーイ!」
「メルザを頼む。バルバロッサまでどのくらいだ?」
「ここからでは引き返しても進んでも同じくらい時間がかかるかもしれん。ましてや引き返せば
モンスター共に襲われるだろう。ここは煤んdな方がいいぞ、弟よ!」
「ジェネスト! レウスさん! すまない、協力してくれ。レウスさんはエレギーを。
ジェネスト、メルザを……」
「それはあなたの役目でしょう。道は私が切り開きます。さぁ、行きますよ!」
「俺に任せろ。こいつももう友達だ。な?」
「なんと! 浮いたぞ。このわてが! これならもうしびれる事もあるまい!」
「メルザ、しっかりしろ。直ぐ休めるとこに連れてくからな!」
「はぁ……ごめんよ、ルイン……」
「エレギー、その状態で俺につかまれ! 神魔解放! 獣化……」
「いきます! 幻神魔解放」
先頭を凄まじい速度で駆け抜けるジェネスト。後をコウテイが追いかけ、その背後を俺が守る形で
洞窟の奥へと進んでいく。メルザが倒れたため、明かりはない。
しかしどちらも既に神魔解放状態。信じられないような速度でキンキドゥ洞窟を進んでいく。
「なんという奴らだ。わては驚いたぞ! 弟よ!」
「喋るなって。舌噛むぞ! しっかしエレギー、少し瘦せようぜ……浮かせてるのに重たそうだぞ
レウスさんが」
「ルインが引っ張ってなきゃとっくに落としてるぞ? な?」
「すまない弟よ! もう少し進んだら恐らく……大きな広間にでるはずだ! 気をつけろ、そこは……」
「ん? 何だって? よく聞こえないぞ!」
エレギー。なんて恐ろしい技を……しかも兄弟合体ってなんだ。
あれをジーキとソウゴは受け入れてやっているのか。なんて仲のいい兄弟なんだろう。
できれば俺は御免こうむりたい。
「だいじょぶか? 二人とも」
「ああ、どうにか……これなら新魔解放して一気に行った方がましだったか。
なぁエレギー。これから後どれくらいで着くんだ?」
「まだまだかかるぞ弟よ! ここは海底を抜ける洞窟だ。ドラディニア大陸、三つの入り口へと
道が分かれるのだが、わての向かう予定である町に、本当に向かってよいのか?」
「構わないよ。そこからはセーレで移動できればどうにでもなる。ドラディニア大陸ってドラゴンが
沢山飛んでるよな? だからあいつが飛んでもそうは目立たないだろ」
「あの飛んでいた馬の事か!? あれは目立つぞ! だが問題なかろう。わても欲しいくらいだ!」
「それはそうと、目的地の名前は?」
「ふうむ、弟はどうやらドラディニア大陸に詳しくないようだ。これから目指す町を含めて教えてやろう!」
エレギーの話によると、洞窟を抜けた方面によってまるで違う場所に出るらしい。
これから向かうのは中央出口。バルバロッサの町があるらしい。
街中の建物が全て赤で統一されてるとか。社会性の強い国なのだろう。
東にはアレドリア湖というのがあり、その付近に出るらしい。
西に出ると大きな穴が開いており、鉱石などが取れる地域のようだ。
「そのバルバロッサって国は、俺らのような者でも入れるのか?」
「入国税を払えば当然入れるぞ! 弟よ、金は持っているな?」
「うぐっ……あまり多くはないが、金貨数枚ならある」
「十分たりるであろう。あの国の物価は比較的高めだが質はいい物が多く売っている。
着いたら色々と案内してやろう!」
「そいつは楽しみだな。あれ……メルザ。どうした?」
「はぁ……はぁ。何でもねぇ、だいじょぶだ……よ」
明らかに様子がおかしい。まさか……おでこに手をあてると酷い熱だ。
「ばか野郎、なんで黙ってた。妖雪造形術 コウテイ!」
「ウェーイ!」
「メルザを頼む。バルバロッサまでどのくらいだ?」
「ここからでは引き返しても進んでも同じくらい時間がかかるかもしれん。ましてや引き返せば
モンスター共に襲われるだろう。ここは煤んdな方がいいぞ、弟よ!」
「ジェネスト! レウスさん! すまない、協力してくれ。レウスさんはエレギーを。
ジェネスト、メルザを……」
「それはあなたの役目でしょう。道は私が切り開きます。さぁ、行きますよ!」
「俺に任せろ。こいつももう友達だ。な?」
「なんと! 浮いたぞ。このわてが! これならもうしびれる事もあるまい!」
「メルザ、しっかりしろ。直ぐ休めるとこに連れてくからな!」
「はぁ……ごめんよ、ルイン……」
「エレギー、その状態で俺につかまれ! 神魔解放! 獣化……」
「いきます! 幻神魔解放」
先頭を凄まじい速度で駆け抜けるジェネスト。後をコウテイが追いかけ、その背後を俺が守る形で
洞窟の奥へと進んでいく。メルザが倒れたため、明かりはない。
しかしどちらも既に神魔解放状態。信じられないような速度でキンキドゥ洞窟を進んでいく。
「なんという奴らだ。わては驚いたぞ! 弟よ!」
「喋るなって。舌噛むぞ! しっかしエレギー、少し瘦せようぜ……浮かせてるのに重たそうだぞ
レウスさんが」
「ルインが引っ張ってなきゃとっくに落としてるぞ? な?」
「すまない弟よ! もう少し進んだら恐らく……大きな広間にでるはずだ! 気をつけろ、そこは……」
「ん? 何だって? よく聞こえないぞ!」
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