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第四章 メルザの里帰り
第三百九十二話 失敗する連携
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愉快な三人組と対峙する我らが愉快担当たち。いやいやそうじゃなかった。
元スライムにして王、イーファに元から骨、レウスさん。最高に頼りになる土偶族のドーグル。
……あれおかしいな。やっぱり愉快な仲間たちじゃないか?
俺の封印の中は割とみんな愉快か……カノンとリルくらいなのかな。極めて真面目なのは。
ジェネストもつついてみたら愉快側に流れ込むかもしれない。
そんなことを考えつつ動きを見る。
イーファは欠伸をし、ドーグルは体をとんでもなく真横に回転させ、レウスさんは
ずっとふわふわしている。対するデンジー三兄弟は、準備が出来ていないのか、身を寄せ合い何
か話している。隙だらけだ……。
「そろそろ始めてよいか?」
「待てーい! せっかちな奴らめ! 戦いの前には入念な準備が必要! 戦士であるならそれ位
心得ているだろう! わかったらもう少し待てーい!」
「戦いを挑まれて、なぜ挑んだ方が待てを要求するのだ?」
「もう戦っていいか? いいだろ? な?」
「もう少しだけ待ってあげよう。辺りに人の気配はないが、一応用心しておこう。
まぁルインがいるならこの大陸じゃ何の心配もないけどね」
「そうだな。上位ドラゴンが出ても渡り合えるくらい彼は強くなったであろうし」
「俺も戦うぞドラゴン! まだ必殺技使ってないしな! だっはっはっは!」
「ふっふっふ。待たせたな! 新フォーメーション! 行くぞ! エレキ充電完了! エレギー!」
「兄者ぁー! いきやすぜ! 磁力充電完了! ジーキ!」
「ゲー、ゲケッ」
「……相互作用充電完了。ソウゴーー!」
『三身一体! 電力発生!」
「っ! これは……」
「むぅ、なかなかの雷術を放とうとしているようだ」
ほう。こいつらは電気を操れる技術があるのか? ということはマクスウェルの方程式やらも
理解しているのだろうか。かなり専門分野な内容になるのだが……俺もあまり得意なジャンルじゃない。
「いけーい、弟よ!」
「シビビビビビ」
「どうした、弟よ!}
「シビビビビビ」
「……痺れてないか?」
こいつら! 雰囲気でやってんのか! 下手すりゃ死ぬぞ!
どんな遠距離攻撃をするのかと思ってたら、武器を出して突撃するとは……司令を出す
兄も兄だな。
「バカ野郎! すぐ電力流すのを止めろ! 死んじまうぞ! 氷塊のツララ! ドーグル!」
「わかっている。ちみはいつも行動が素早くて助かる! 念動力、氷塊のツララ!」
無数の氷塊のツララをジーキとソウゴの前方地面に打ち付け電力の流れを阻害。イーファもスライム化してジーキとソウゴ
の前を肉体で遮断する形をとっている。人体が持つ抵抗力はおおよそ五百オーム程。
五十ミリアンペア以上流せば死ぬ確率は跳ね上がる。
「せっかくいい技持ってるのに、宝の持ち腐れだぞ、それは。電気の力ってのは生活を
便利にするためのものだ。戦いに使うなら相当な知識が必要。電流くらいちゃんと調整しろ!」
「弟よーー! ぐう。我らの完敗だ。煮るなり焼くなり好きにするがいい。覚悟はできている」
「いや、俺たち何もしてないんだけど。さっきも言ったように情報が欲しい。それとお前ら、電磁の力を
もっとうまく使いたくないか?」
「なにぃ? いくら研究をしても訳がわからないこの力を、貴様は欲するというのか!?」
「俺が欲しいわけじゃなくてだな。まぁいいや、その辺の説明は後だ後。しかし酷いな。内部で血管が
いくつか破裂している。一度カノンがいるところまで戻るぞ」
「貴様……一体どこへ連れていこうというのだ? いや、弟を救ってくれるというのだ。長兄たるわてが
信じないでどうする。行こう! どこへでも連れていくがいい!」
「いや、別に待っててもいいぞ、お前は」
「行こう! どこへでも連れていくがいい!」
「……わかったよ。連れてく、連れてくから! ただしその中では俺の言う事を聞くことが
絶対条件だぞ」
「うむ! このエレギー。約素kは守る男だ!」
はぁ。なんかまた、変な奴らを受け入れちゃったけど、こいつらは顔なじみだ。
メルザは覚えていないだろうが、許してくれるだろう。
このまま放っておくと命に係わるしな。
しかし……仕組みはある程度わかっていても、使えないとは。
電撃系の術、俺にも扱えたらなぁ。
元スライムにして王、イーファに元から骨、レウスさん。最高に頼りになる土偶族のドーグル。
……あれおかしいな。やっぱり愉快な仲間たちじゃないか?
俺の封印の中は割とみんな愉快か……カノンとリルくらいなのかな。極めて真面目なのは。
ジェネストもつついてみたら愉快側に流れ込むかもしれない。
そんなことを考えつつ動きを見る。
イーファは欠伸をし、ドーグルは体をとんでもなく真横に回転させ、レウスさんは
ずっとふわふわしている。対するデンジー三兄弟は、準備が出来ていないのか、身を寄せ合い何
か話している。隙だらけだ……。
「そろそろ始めてよいか?」
「待てーい! せっかちな奴らめ! 戦いの前には入念な準備が必要! 戦士であるならそれ位
心得ているだろう! わかったらもう少し待てーい!」
「戦いを挑まれて、なぜ挑んだ方が待てを要求するのだ?」
「もう戦っていいか? いいだろ? な?」
「もう少しだけ待ってあげよう。辺りに人の気配はないが、一応用心しておこう。
まぁルインがいるならこの大陸じゃ何の心配もないけどね」
「そうだな。上位ドラゴンが出ても渡り合えるくらい彼は強くなったであろうし」
「俺も戦うぞドラゴン! まだ必殺技使ってないしな! だっはっはっは!」
「ふっふっふ。待たせたな! 新フォーメーション! 行くぞ! エレキ充電完了! エレギー!」
「兄者ぁー! いきやすぜ! 磁力充電完了! ジーキ!」
「ゲー、ゲケッ」
「……相互作用充電完了。ソウゴーー!」
『三身一体! 電力発生!」
「っ! これは……」
「むぅ、なかなかの雷術を放とうとしているようだ」
ほう。こいつらは電気を操れる技術があるのか? ということはマクスウェルの方程式やらも
理解しているのだろうか。かなり専門分野な内容になるのだが……俺もあまり得意なジャンルじゃない。
「いけーい、弟よ!」
「シビビビビビ」
「どうした、弟よ!}
「シビビビビビ」
「……痺れてないか?」
こいつら! 雰囲気でやってんのか! 下手すりゃ死ぬぞ!
どんな遠距離攻撃をするのかと思ってたら、武器を出して突撃するとは……司令を出す
兄も兄だな。
「バカ野郎! すぐ電力流すのを止めろ! 死んじまうぞ! 氷塊のツララ! ドーグル!」
「わかっている。ちみはいつも行動が素早くて助かる! 念動力、氷塊のツララ!」
無数の氷塊のツララをジーキとソウゴの前方地面に打ち付け電力の流れを阻害。イーファもスライム化してジーキとソウゴ
の前を肉体で遮断する形をとっている。人体が持つ抵抗力はおおよそ五百オーム程。
五十ミリアンペア以上流せば死ぬ確率は跳ね上がる。
「せっかくいい技持ってるのに、宝の持ち腐れだぞ、それは。電気の力ってのは生活を
便利にするためのものだ。戦いに使うなら相当な知識が必要。電流くらいちゃんと調整しろ!」
「弟よーー! ぐう。我らの完敗だ。煮るなり焼くなり好きにするがいい。覚悟はできている」
「いや、俺たち何もしてないんだけど。さっきも言ったように情報が欲しい。それとお前ら、電磁の力を
もっとうまく使いたくないか?」
「なにぃ? いくら研究をしても訳がわからないこの力を、貴様は欲するというのか!?」
「俺が欲しいわけじゃなくてだな。まぁいいや、その辺の説明は後だ後。しかし酷いな。内部で血管が
いくつか破裂している。一度カノンがいるところまで戻るぞ」
「貴様……一体どこへ連れていこうというのだ? いや、弟を救ってくれるというのだ。長兄たるわてが
信じないでどうする。行こう! どこへでも連れていくがいい!」
「いや、別に待っててもいいぞ、お前は」
「行こう! どこへでも連れていくがいい!」
「……わかったよ。連れてく、連れてくから! ただしその中では俺の言う事を聞くことが
絶対条件だぞ」
「うむ! このエレギー。約素kは守る男だ!」
はぁ。なんかまた、変な奴らを受け入れちゃったけど、こいつらは顔なじみだ。
メルザは覚えていないだろうが、許してくれるだろう。
このまま放っておくと命に係わるしな。
しかし……仕組みはある程度わかっていても、使えないとは。
電撃系の術、俺にも扱えたらなぁ。
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