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第三章 舞踏会と武闘会

第三百六十九話 第三第四試合混合 バトルロイヤル リルの考え 衝突寸前の三戦士

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「もう少しレヴィアタンの戦いを見れると思ったんだが、術者はまだ未覚醒のユニカ族だね。
でも楽しめたよ。後で彼女にも褒美をあげようかな」

 そうつぶやくと、イネービュは再びパチリと指をはじき、舞台を戻していく。

 試合を見ていたリルを見て、サラとカノンが困惑している。

「お兄ちゃん。戦いたくてうずうずしてるって顔だよ?」
「え? そう見えるかい? 僕は少し落ち着かなくてね。早くフェルドナージュ様の許へ
向かいたいけど、優勝すると神話級アーティファクトがもらえるんだろう? フェルドナージュ様
へ献上したら喜ばれるかなって」
「それで早めに試合を済ませたいのね……でも、本当はルインと戦いたいんじゃない?」
「リルさんはいつも、ルインさんを一番近くで見てきた男性だよね。
誰よりも長く」
「……そうだね。模倣で神格化みたいなのもやってはみたけど、うまくはできていない。
彼と戦い彼の話を聞いて、そして彼を感じれば僕も強くなる。
けれど彼は本当にいいやつだから、あの子を助けに動き出す。この後はきっと、別行動になる。
だから僕は……彼と戦わないといけないんだ」
「わかってるわ。妻としてお兄ちゃんの代わりにちゃんと務めてくるから!」
「あれ? サラはフェルドナージュ様のところへ行かないのかい?」
「だってルインについていかないと、あいつらファナとベルディア絶対いやらしい事計画するわよ」
「サラ……」
「サラお義姉さま……」
「カノンちゃん、今なんて!? もう一回、もう一回お願い!」
「サラお義姉さま……?」
「はうっ! いい響きだわ……」
「君らあんまり年変わらないよね?」
「お兄ちゃんは黙ってなさい! じゃないとリルカーンって呼ぶわよ!」
「困った妹だなぁ……後で僕らも三対三対三をお願いしてみようか。時間が惜しい」
「そうね。あの神様楽しんでるから、許してくれるんじゃないの?」
「どうかな……僕はあの神を恐ろしく思うよ。次元が違いすぎる存在だ」
「二人とも、試合が動きそうよ。さっきまで協力していたけど三つ巴になってるわ」

 三人が話終えると、ライラロを抱えたベルディス、ジェネスト、ルインが三角形をかたどる形で
お互いに向き合って何かを話している。

「ひとまずライラロさんを場外へ卸してあげましょう」
「うかつに動かせねえんだよ。あれを解いた後全身に激痛が走るらしい」
「困りましたね。かといって降りるわけにはいかないし」
「おい、セーレ! こっちきてライラロさん預かってくれ! なるべく優しくな」
「ヒヒン! 久しぶりの登場なのに扱いそれだけって酷いよね。酷いねー。もっと遊ばせてよ! 
ヒヒン!」
「はいはい、地上に戻ったらいっぱい構ってやるから! 今はとにかくライラロさんを頼むよ」
「ヒヒン! しょうがないな。君のいう事だし聞いてあげるよ」
「おいおいルイン。なんだその言葉は。おめぇこいつと喋れるのか?」
「そうか、師匠にはよくわからないんですよね。多分俺が封印したジェネストならわかるだろ?」
「ええ。奇怪な喋り方をする珍獣ですね」
「ヒヒン! この人苦手! 嫌い!」
「光栄ですね」

 どうにもトゲトゲしい奴が少しばかり増えてしまったようだ。まぁ仲は後で取り持つとして……これで
ようやく始められるな。

「それじゃ、始めようか。三人とも」
「ああ、やっとか。小僧……いや、ルインとやりあうのは久しぶりだな」
「私にもう負けはありません、覚悟しなさい。ディーン様は私のものです」
「おっかないねぇ。相手にとって不足無し。最初から全開でいくぞ! 剣戒、驚、懼。封剣!」
【真化】【神魔解放】【獣化】【レピュトの手甲】
「ならば私も」
【幻神魔解放】
「はぁ。よってたかって変身たぁよ。そんじゃ俺も久々に全開でいくかね」
「えっ?」
【野生化!】
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