401 / 1,085
第三章 舞踏会と武闘会
第三百四十八話 第二試合 負けない!
しおりを挟む
「これはまずいわね。圧倒的に不利じゃない! 三対七よ三対七!」
「ちみは落ち着きがたりないな。確かに竜は脅威だが、あれは幻影竜に見えるぞ」
「幻影竜? 招来術とは少し違うわね……あれは術の類ではないの?」
「実態する存在の一部の力を借りて利用する儀式のようなものと、聞いたことがある。
竜種としての幻影は見るのが初めてだが」
「……あんた意外と物知りなのね。私でもしらないこと知っているなんて」
「ちみよりは長く生きているからな」
「ほう。人の子の知識の中に語り継がれているものがあるとは。そう、これは
ドラディニア大陸、シフティス大陸、キゾナ大陸、シーブルー大陸にいる伝説の竜種の幻影。
力はおおよそ二十分の一程度といったところだ」
「……伝説の竜の二十分の一の強さだっていうのかい。それが四匹も同時に……」
「おいおい、これじゃ話にならないぜ。俺の楽しみを奪うなよ」
「エプタ。いつも足並みを乱しすぎるぞ。控えろ」
「……正面の女は俺の獲物だ。後ろの二人は好きにしな」
展開があわただしくなってきた。あの竜三匹だけでも相当やばかったのに、ボロボロとはいえ最後の
戦った一体。あのトパージオとかいう竜。あのブレスが一番効いた。
「何ぼさっとしてるの! やられちゃうわよ!」
「司会が援護に回ってどうするのだ。だがかなり劣勢のようだな」
どう見ても不利に決まっている。竜を呼び出した本体たちは攻撃にこそ転じていないが
どんな能力かは不明。
さらにミリルは両肩を矢で貫かれたまま。
ベルドもシュウも巨大な竜四匹を眼前にたじろいでいるままに見えた。
見えたのだが……違った!
「強大な相手にも決して臆することなかれ」
「心を静め和を乱すな。恐れるな、立ち向かえ!」
ベルドとシュウは息を合わせて手を合わせる。
『盛者必衰!』
二人が重ねた手から巨大なエネルギーが放出され、それは二匹の竜を貫き消滅させた。
あの技……確かフーがケルベロスを消滅させていた技だ! 何時の間にあんな技を!
「諦める理由なんて」
「俺たちにはない!」
「ほう。君たちも有資格者に見えるな」
「人の子よ。見事残りの竜も退けて見せるがいい」
残ったのはルービックにトパージオ。
赤竜と土竜の二匹は凶悪なブレスを放出する構えに入っている。
「土臥斗!」
「土遁、土重ね櫓伏せ!」
両者が土の術で防御しようとしている。だが、あのブレス。そうそう防げるもんじゃない!
おまけにルービックのブレスまで重なったら耐えられるわけがない!
「二人ともだめだ! どうにか回避しろ!」
俺は思わず叫んでした。
「はぁ……はぁ……ドラゴニックデルト、解除……お願いルー。私の代わりに!」
「ルイー! ルイルイー!」
「る、ぴいいいいいいー----!」
二匹の竜からブレスが放たれた瞬間だった。突如ミリルから分かれた黒い何かが
そのブレスへ向けて、同じくブレスを吐き、一つを相殺して逃げ道を作った。
あれはルーか? まさか同化したまま参戦していたとは。大きくなったなぁ……。
ミリルには矢が突き刺さったままで、身動きが取れない分ルーを動かしたのか。
あいつら、本当にいい仲間の動きになってる。
俺がいない間、幻妖団メルもたくましく成長したもんだ。到底負けてられないな!
「おいティソーナ。見てみろあれが俺の幻妖団メルのメンバーだぞ」
「なんでごじゃろ。麿は眠いでごじゃろ」
「お前な……出番がないからってちょっとは能力の事とか教えてくれよ……」
「甘えるなでごじゃろ。自分でつかんでこその力でごじゃろ?」
「ぐう……そりゃまそうなんだけど。ちゃんと使いこなせるようになるのか? ティソーナもコラーダ
も」
「選ばれたものなら大丈夫でごじゃろ。ふむ、人の子は劣勢でごじゃろ」
「何言ってる。あの竜をたおし……」
だが、劣勢の意味がわかった。ミリルはその間に首に手をかけられ、吊るされていた――――。
「ちみは落ち着きがたりないな。確かに竜は脅威だが、あれは幻影竜に見えるぞ」
「幻影竜? 招来術とは少し違うわね……あれは術の類ではないの?」
「実態する存在の一部の力を借りて利用する儀式のようなものと、聞いたことがある。
竜種としての幻影は見るのが初めてだが」
「……あんた意外と物知りなのね。私でもしらないこと知っているなんて」
「ちみよりは長く生きているからな」
「ほう。人の子の知識の中に語り継がれているものがあるとは。そう、これは
ドラディニア大陸、シフティス大陸、キゾナ大陸、シーブルー大陸にいる伝説の竜種の幻影。
力はおおよそ二十分の一程度といったところだ」
「……伝説の竜の二十分の一の強さだっていうのかい。それが四匹も同時に……」
「おいおい、これじゃ話にならないぜ。俺の楽しみを奪うなよ」
「エプタ。いつも足並みを乱しすぎるぞ。控えろ」
「……正面の女は俺の獲物だ。後ろの二人は好きにしな」
展開があわただしくなってきた。あの竜三匹だけでも相当やばかったのに、ボロボロとはいえ最後の
戦った一体。あのトパージオとかいう竜。あのブレスが一番効いた。
「何ぼさっとしてるの! やられちゃうわよ!」
「司会が援護に回ってどうするのだ。だがかなり劣勢のようだな」
どう見ても不利に決まっている。竜を呼び出した本体たちは攻撃にこそ転じていないが
どんな能力かは不明。
さらにミリルは両肩を矢で貫かれたまま。
ベルドもシュウも巨大な竜四匹を眼前にたじろいでいるままに見えた。
見えたのだが……違った!
「強大な相手にも決して臆することなかれ」
「心を静め和を乱すな。恐れるな、立ち向かえ!」
ベルドとシュウは息を合わせて手を合わせる。
『盛者必衰!』
二人が重ねた手から巨大なエネルギーが放出され、それは二匹の竜を貫き消滅させた。
あの技……確かフーがケルベロスを消滅させていた技だ! 何時の間にあんな技を!
「諦める理由なんて」
「俺たちにはない!」
「ほう。君たちも有資格者に見えるな」
「人の子よ。見事残りの竜も退けて見せるがいい」
残ったのはルービックにトパージオ。
赤竜と土竜の二匹は凶悪なブレスを放出する構えに入っている。
「土臥斗!」
「土遁、土重ね櫓伏せ!」
両者が土の術で防御しようとしている。だが、あのブレス。そうそう防げるもんじゃない!
おまけにルービックのブレスまで重なったら耐えられるわけがない!
「二人ともだめだ! どうにか回避しろ!」
俺は思わず叫んでした。
「はぁ……はぁ……ドラゴニックデルト、解除……お願いルー。私の代わりに!」
「ルイー! ルイルイー!」
「る、ぴいいいいいいー----!」
二匹の竜からブレスが放たれた瞬間だった。突如ミリルから分かれた黒い何かが
そのブレスへ向けて、同じくブレスを吐き、一つを相殺して逃げ道を作った。
あれはルーか? まさか同化したまま参戦していたとは。大きくなったなぁ……。
ミリルには矢が突き刺さったままで、身動きが取れない分ルーを動かしたのか。
あいつら、本当にいい仲間の動きになってる。
俺がいない間、幻妖団メルもたくましく成長したもんだ。到底負けてられないな!
「おいティソーナ。見てみろあれが俺の幻妖団メルのメンバーだぞ」
「なんでごじゃろ。麿は眠いでごじゃろ」
「お前な……出番がないからってちょっとは能力の事とか教えてくれよ……」
「甘えるなでごじゃろ。自分でつかんでこその力でごじゃろ?」
「ぐう……そりゃまそうなんだけど。ちゃんと使いこなせるようになるのか? ティソーナもコラーダ
も」
「選ばれたものなら大丈夫でごじゃろ。ふむ、人の子は劣勢でごじゃろ」
「何言ってる。あの竜をたおし……」
だが、劣勢の意味がわかった。ミリルはその間に首に手をかけられ、吊るされていた――――。
0
お気に入りに追加
98
あなたにおすすめの小説
進化転生 転生したら召喚獣ウルフィでした ~召喚獣が召喚の力を執行する~
紫電のチュウニー
ファンタジー
【サブ連載、土曜日二本更新中】
シロと二人、パン屋を営みながらゆったりと過ごしていた白井 杏珠。
シロのふわふわを感じながら寝ていたら、謎の進化する白い生物
ウルフィに転生してしまう。
その世界でルビニーラという召喚術士に突如契約され、従魔となる。
彼は召喚獣なのに奇妙な召喚術を使える異能者だった。
ウルフィを手にした彼女の夢は、召喚士としての頂点である紫電の召喚士。
成長と冒険の旅が始まろうとしていた。
オリジナル世界観で描くローファンタジーなストーリー
をお楽しみ頂ければ幸いです。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
実はスライムって最強なんだよ?初期ステータスが低すぎてレベルアップが出来ないだけ…
小桃
ファンタジー
商業高校へ通う女子高校生一条 遥は通学時に仔犬が車に轢かれそうになった所を助けようとして車に轢かれ死亡する。この行動に獣の神は心を打たれ、彼女を転生させようとする。遥は獣の神より転生を打診され5つの希望を叶えると言われたので、希望を伝える。
1.最強になれる種族
2.無限収納
3.変幻自在
4.並列思考
5.スキルコピー
5つの希望を叶えられ遥は新たな世界へ転生する、その姿はスライムだった…最強になる種族で転生したはずなのにスライムに…遥はスライムとしてどう生きていくのか?スライムに転生した少女の物語が始まるのであった。
豪華地下室チートで異世界救済!〜僕の地下室がみんなの憩いの場になるまで〜
自来也
ファンタジー
カクヨム、なろうで150万PV達成!
理想の家の完成を目前に異世界に転移してしまったごく普通のサラリーマンの翔(しょう)。転移先で手にしたスキルは、なんと「地下室作成」!? 戦闘スキルでも、魔法の才能でもないただの「地下室作り」
これが翔の望んだ力だった。
スキルが成長するにつれて移動可能、豪華な浴室、ナイトプール、釣り堀、ゴーカート、ゲーセンなどなどあらゆる物の配置が可能に!?
ある時は瀕死の冒険者を助け、ある時は獣人を招待し、翔の理想の地下室はいつのまにか隠れた憩いの場になっていく。
※この作品は小説家になろう、カクヨムにも投稿しております。
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!
マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。
今後ともよろしくお願いいたします!
トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕!
タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。
男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】
そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】
アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です!
コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】
*****************************
***毎日更新しています。よろしくお願いいたします。***
*****************************
マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。
見てください。
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる