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第三章 舞踏会と武闘会
第三百三十六話 武闘大会のメンバー発表
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この取り決めを行えば、なんとなくもめるのはわかっていたんdな……。
散々悩んだ結果、俺が発表した組み合わせはこうだ。
――――――――
Aチーム ルイン、メルザ、ファナ
Bチーム リル、サラ、カノン
Cチーム イーファ、ベルディア、ジェネスト
Dチーム ハーヴァル、イビン、シーザー師匠
Eチーム ベルド、シュウ、ミリル
否参加表明 ライラロさん、セフィアさん、ルシアさん、パモ、ドーグル、レウスさんなど。
神の遣いチーム
Fチーム エーナ、ディオ、トゥリス
Gチーム テーセラ、ペンデ、エークシ
Hチーム エプタ、オクト、エンネア
――――――――
以上がみなの話を若干聞きつつサラサラとガラスペンで書いた内容だった。
全員顔を合わせて見る。真っ先につっかかったのはサラである。
「なんで私じゃないわけ? おかしいでしょ、この組み合わせ!」
「落ち着けって。ちゃんと理由があるんだ」
「私がお兄ちゃんと一緒の方が連携しやすいからっていうなら、違うわよ!」
「そうじゃない。これはサラとまだ出会ってない頃の話で……」
「出会ってない頃の話なんて、持ちだされても私にはわからない、わからないわよ……」
あ、やばい。サラが泣きそうだ……仕方ない、ちょっと別のところで落ち着かせよう。
メルザたちに少し待ってもらうようにいって、サラを別の場所へ連れて行った。
ものすごく落ち込んでいるように見える。
「あのな、サラ。武闘会で三人一組。この状況、前にもあったんだ」
「だからそれは、私には関係ないじゃない。どうして私を選んでくれないの? どうして一緒に
戦ってくれないの? いつも、いつもルインは私と戦ってくれない」
「約束するよ。この大会が終わったらちゃんとサラとも戦うって。この組み合わせは
ファナとメルザ、双方にとって、とても重要な組み合わせなんだ。
ファナが足を失った事の話は聞いたか?」
「うん。女子会したときに色々聞いたわ。それが関係あるの?」
「俺とメルザとファナはさ。パモが呪いを受けた時に治療するため、以前デイスペルって国で闘技大会に
参加したんだ。でも事件に巻き込まれてしまって、ファナは参加出来なかった。
代わりにミリルがメンバーに入ったんだけど、ファナはきっと今でも引きずっている」
「じゃあそれは、ファナのためなのね……」
「ファナだけじゃない。メルザのためでもある。あいつは誰よりも優しい。特にファナは俺とパモについで
ずっとメルザと一緒だったからさ」
「……やっぱりルインはとにかく主ちゃんが第一なのね。でも……」
サラにつかまれ、キスをされた。
「いいわ。そういうところも含めて。私は全て受け入れる。今回はあいつに譲るけど、次回は
絶対私だからね!」
「ああ、勿論だ。お前の強さは良く知っている。大事な兄貴と義理の姉になる人と一緒に
戦って来い!」
「うん! そういえばカノンちゃんがお姉ちゃんになるのかぁ……複雑な気分ね」
「いや待てよ……そうすると俺はリルの事をお兄さんと呼ぶのか? いやいやいや……」
二人して小首をかしげながら悩む。そして目が合い笑いあった。
みなの所に戻ると、ファナが少し心配そうな顔をしていた。
「フン、おあいにく様ね。お先にご馳走もらったから譲ってあげるわ」
「ちょっと何言ってんのあんた。ご馳走って一体何したわけ?」
「チュー」
「はぁ? なな、何であんた何もしてないのにそんなことしてるわけ? それなら私が譲って
そっちのご馳走もらうわよ!」
「もう遅いわよ。それに一緒に戦える方が何倍もいいじゃないの。ふん!」
「なぁなぁルイン。四人とかで戦っちゃだめなのか? サラも一緒に戦いてーんだろ?」
「メルザ。ルールはルールだからな。それにサラの方も納得してくれたし、盛り上がると思うぞ」
ようやく落ち着いたサラの肩に手を当てると、メルザは頬を膨らませて、ぷいっと横を向いてしまった。
みんなと家族になったことを納得してはいても、やきもち焼きな所は相変わらずだな。
そんなメルザを見て、サラとファナはくすくすと笑いあうのであった。
散々悩んだ結果、俺が発表した組み合わせはこうだ。
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Aチーム ルイン、メルザ、ファナ
Bチーム リル、サラ、カノン
Cチーム イーファ、ベルディア、ジェネスト
Dチーム ハーヴァル、イビン、シーザー師匠
Eチーム ベルド、シュウ、ミリル
否参加表明 ライラロさん、セフィアさん、ルシアさん、パモ、ドーグル、レウスさんなど。
神の遣いチーム
Fチーム エーナ、ディオ、トゥリス
Gチーム テーセラ、ペンデ、エークシ
Hチーム エプタ、オクト、エンネア
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以上がみなの話を若干聞きつつサラサラとガラスペンで書いた内容だった。
全員顔を合わせて見る。真っ先につっかかったのはサラである。
「なんで私じゃないわけ? おかしいでしょ、この組み合わせ!」
「落ち着けって。ちゃんと理由があるんだ」
「私がお兄ちゃんと一緒の方が連携しやすいからっていうなら、違うわよ!」
「そうじゃない。これはサラとまだ出会ってない頃の話で……」
「出会ってない頃の話なんて、持ちだされても私にはわからない、わからないわよ……」
あ、やばい。サラが泣きそうだ……仕方ない、ちょっと別のところで落ち着かせよう。
メルザたちに少し待ってもらうようにいって、サラを別の場所へ連れて行った。
ものすごく落ち込んでいるように見える。
「あのな、サラ。武闘会で三人一組。この状況、前にもあったんだ」
「だからそれは、私には関係ないじゃない。どうして私を選んでくれないの? どうして一緒に
戦ってくれないの? いつも、いつもルインは私と戦ってくれない」
「約束するよ。この大会が終わったらちゃんとサラとも戦うって。この組み合わせは
ファナとメルザ、双方にとって、とても重要な組み合わせなんだ。
ファナが足を失った事の話は聞いたか?」
「うん。女子会したときに色々聞いたわ。それが関係あるの?」
「俺とメルザとファナはさ。パモが呪いを受けた時に治療するため、以前デイスペルって国で闘技大会に
参加したんだ。でも事件に巻き込まれてしまって、ファナは参加出来なかった。
代わりにミリルがメンバーに入ったんだけど、ファナはきっと今でも引きずっている」
「じゃあそれは、ファナのためなのね……」
「ファナだけじゃない。メルザのためでもある。あいつは誰よりも優しい。特にファナは俺とパモについで
ずっとメルザと一緒だったからさ」
「……やっぱりルインはとにかく主ちゃんが第一なのね。でも……」
サラにつかまれ、キスをされた。
「いいわ。そういうところも含めて。私は全て受け入れる。今回はあいつに譲るけど、次回は
絶対私だからね!」
「ああ、勿論だ。お前の強さは良く知っている。大事な兄貴と義理の姉になる人と一緒に
戦って来い!」
「うん! そういえばカノンちゃんがお姉ちゃんになるのかぁ……複雑な気分ね」
「いや待てよ……そうすると俺はリルの事をお兄さんと呼ぶのか? いやいやいや……」
二人して小首をかしげながら悩む。そして目が合い笑いあった。
みなの所に戻ると、ファナが少し心配そうな顔をしていた。
「フン、おあいにく様ね。お先にご馳走もらったから譲ってあげるわ」
「ちょっと何言ってんのあんた。ご馳走って一体何したわけ?」
「チュー」
「はぁ? なな、何であんた何もしてないのにそんなことしてるわけ? それなら私が譲って
そっちのご馳走もらうわよ!」
「もう遅いわよ。それに一緒に戦える方が何倍もいいじゃないの。ふん!」
「なぁなぁルイン。四人とかで戦っちゃだめなのか? サラも一緒に戦いてーんだろ?」
「メルザ。ルールはルールだからな。それにサラの方も納得してくれたし、盛り上がると思うぞ」
ようやく落ち着いたサラの肩に手を当てると、メルザは頬を膨らませて、ぷいっと横を向いてしまった。
みんなと家族になったことを納得してはいても、やきもち焼きな所は相変わらずだな。
そんなメルザを見て、サラとファナはくすくすと笑いあうのであった。
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