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第三章 舞踏会と武闘会
第三百三十話 絶対神イネービュ
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「銀河系第三惑星、地球。その星より生まれ出でた者。ルインよ」
声が鳴り響いた。ここにいる全ての者に聞こえるように。
神の遣いは全員膝をついて平伏している。
他の者も見様見真似で一人、また一人と平伏していった。
俺はそんな気分になれない。一言どーーしてももの申したかった。
「一度君と同化したことがある。覚えているかな?」
「ベルーシンとやりあったときだろ。なぜ邪魔したんだ」
「すまないね。君の力ではマガツヒとまともに戦えないと判断した。かといって
私が直接手を下すわけにもいかないんだ」
「姿、見せてくれないのか」
「今、見せよう」
テーブルの一つが激しく光り出し、何者かを映し出した。
それは女神の姿。美しい衣をまとい、両腕に渦巻く海水を纏う。
目は青く光を放ち美しい蒼色の髪をした女性だった。
「イネービュ様! またそのような場所から!」
「今日は勘弁してくれないか、ブネ。あまり威厳を放ってばかりいたら、この子らに本当に嫌われて
しまう」
「しかし……いえ、わかりました」
「ありがとう。ブネ。さて、ルイン。やっと会えたね。君は一度だけここにある私の庵を訪ねた。
覚えているかい?」
「ああ。女神だったとは知らなかった。直接会わなくてよかったよ。恐ろしい程の美貌だ」
「おや? ここには私に負けず劣らずの美しい女神のような女性陣が多くいるけどね」
「表現するならそれしか思いうkばなかったってだけだ……悪く言えばとんでもない化け物だな」
「それは勘弁してもらいたいね」
「色々と聞きたいことがある。ありすぎて困る位にだ」
「それはそうだろうね。でもその前に……君の持ってきたメロンパイ、美味しかったよ。
それでってわけじゃないけどね。君が用意した十二の指輪。それぞれを永久永氷で固めてあげた。
安心して。身に着けていても冷たくはない。ほんの気持ちだよ。そして十三番目の指輪。君のものだ」
「……これは、俺が造ったものなんか遥かに凌ぐ程の代物じゃないか」
「そうでもない。それには思いがない。君の創造した指輪には強い思いが込められている。
それに比べたら君に渡した指輪には魂がない。君なら入れられるだろうけどね。
ここまで言えば、わかるかい」
「魂の、器ってことか」
にこkりとほほ笑むイネービュ。聞く前から色々見透かされている用で寒気がはしる。
「さて、色々な質問に答えたい……とは思うんだけど、どこまでこたえられるかは舞踏会で決めようか。
そしてその後に武闘会を行おう。こちらには人の子が喜ぶ賞品も出そう」
「神ってのは余興好きなのかい?」
「人のように努力して変われる生き物じゃないんだ。我々神は成長しない。
君はどんどん成長する。見ていて楽しいよ。すごくね。試練の最中も君はずっとずっと成長していた」
「だからってあんな、残酷な結末をなぜ用意するんだ」
「運命を変える力」
「運命を……変える力?」
「そう。一つ君に問おう。運命というのは変えられると思うかい? 明日命を落とす人を救う事は?
明日世界が滅びるとしたら? 明日神々がいなくなるとしたら? その運命、どう思う?」
「変えられるように、考える。そして変えられるよう全力でつき進む」
「神にはそれが無い。定めに対して案を出し合い実行するだけだ。全力でつき進むとは、その過程で成長
あってこそ生じる考え。人が持つ最大の武器。これは神をも凌駕する」
「神を凌駕する……力?」
「だからこそ神は人を試したくなる。運命を変えようとするその力を、見てみたくなる。
それが人の子にとってどんな残酷な事であってもだよ」
「俺たちは所詮、神の手のひらの上ってことかい」
「いいや違うよ。全てをどのように選択してもいい。君たち人の子らは、神と違い自由なのだから」
神には自由がない……のか。ここは確かに海底。こんなところで暮らさないといけないのか。
旅にも出れないし好きな物を食べたりも、きっとできないんだろう。
そして神にはそれぞれに役割がある。その役割を全うするって意味では人と同じだ。
だが人は選択できる。その選択権が神には無い……か。
「誤解が解けたみたいで嬉しいよ。舞踏会は私も参加する。君と、踊ってみたいからね。
そちらのお嬢さん方とも」
「本当にイネービュ様の気紛れにも困ったものだ。まずは食事を済ませよ。
片付いたら準備を行う。舞踏会の説明はエーナ、貴様がしろ」
「マミムメモマミムメモヤ、ユ、よろしくね、みんな」
第一の試練エーナ。こいつも女性神か。ブネも合わせてイネービュの分体だったよな。
いつのまにか俺の傍らに現れ、話しかけてきた。
声が鳴り響いた。ここにいる全ての者に聞こえるように。
神の遣いは全員膝をついて平伏している。
他の者も見様見真似で一人、また一人と平伏していった。
俺はそんな気分になれない。一言どーーしてももの申したかった。
「一度君と同化したことがある。覚えているかな?」
「ベルーシンとやりあったときだろ。なぜ邪魔したんだ」
「すまないね。君の力ではマガツヒとまともに戦えないと判断した。かといって
私が直接手を下すわけにもいかないんだ」
「姿、見せてくれないのか」
「今、見せよう」
テーブルの一つが激しく光り出し、何者かを映し出した。
それは女神の姿。美しい衣をまとい、両腕に渦巻く海水を纏う。
目は青く光を放ち美しい蒼色の髪をした女性だった。
「イネービュ様! またそのような場所から!」
「今日は勘弁してくれないか、ブネ。あまり威厳を放ってばかりいたら、この子らに本当に嫌われて
しまう」
「しかし……いえ、わかりました」
「ありがとう。ブネ。さて、ルイン。やっと会えたね。君は一度だけここにある私の庵を訪ねた。
覚えているかい?」
「ああ。女神だったとは知らなかった。直接会わなくてよかったよ。恐ろしい程の美貌だ」
「おや? ここには私に負けず劣らずの美しい女神のような女性陣が多くいるけどね」
「表現するならそれしか思いうkばなかったってだけだ……悪く言えばとんでもない化け物だな」
「それは勘弁してもらいたいね」
「色々と聞きたいことがある。ありすぎて困る位にだ」
「それはそうだろうね。でもその前に……君の持ってきたメロンパイ、美味しかったよ。
それでってわけじゃないけどね。君が用意した十二の指輪。それぞれを永久永氷で固めてあげた。
安心して。身に着けていても冷たくはない。ほんの気持ちだよ。そして十三番目の指輪。君のものだ」
「……これは、俺が造ったものなんか遥かに凌ぐ程の代物じゃないか」
「そうでもない。それには思いがない。君の創造した指輪には強い思いが込められている。
それに比べたら君に渡した指輪には魂がない。君なら入れられるだろうけどね。
ここまで言えば、わかるかい」
「魂の、器ってことか」
にこkりとほほ笑むイネービュ。聞く前から色々見透かされている用で寒気がはしる。
「さて、色々な質問に答えたい……とは思うんだけど、どこまでこたえられるかは舞踏会で決めようか。
そしてその後に武闘会を行おう。こちらには人の子が喜ぶ賞品も出そう」
「神ってのは余興好きなのかい?」
「人のように努力して変われる生き物じゃないんだ。我々神は成長しない。
君はどんどん成長する。見ていて楽しいよ。すごくね。試練の最中も君はずっとずっと成長していた」
「だからってあんな、残酷な結末をなぜ用意するんだ」
「運命を変える力」
「運命を……変える力?」
「そう。一つ君に問おう。運命というのは変えられると思うかい? 明日命を落とす人を救う事は?
明日世界が滅びるとしたら? 明日神々がいなくなるとしたら? その運命、どう思う?」
「変えられるように、考える。そして変えられるよう全力でつき進む」
「神にはそれが無い。定めに対して案を出し合い実行するだけだ。全力でつき進むとは、その過程で成長
あってこそ生じる考え。人が持つ最大の武器。これは神をも凌駕する」
「神を凌駕する……力?」
「だからこそ神は人を試したくなる。運命を変えようとするその力を、見てみたくなる。
それが人の子にとってどんな残酷な事であってもだよ」
「俺たちは所詮、神の手のひらの上ってことかい」
「いいや違うよ。全てをどのように選択してもいい。君たち人の子らは、神と違い自由なのだから」
神には自由がない……のか。ここは確かに海底。こんなところで暮らさないといけないのか。
旅にも出れないし好きな物を食べたりも、きっとできないんだろう。
そして神にはそれぞれに役割がある。その役割を全うするって意味では人と同じだ。
だが人は選択できる。その選択権が神には無い……か。
「誤解が解けたみたいで嬉しいよ。舞踏会は私も参加する。君と、踊ってみたいからね。
そちらのお嬢さん方とも」
「本当にイネービュ様の気紛れにも困ったものだ。まずは食事を済ませよ。
片付いたら準備を行う。舞踏会の説明はエーナ、貴様がしろ」
「マミムメモマミムメモヤ、ユ、よろしくね、みんな」
第一の試練エーナ。こいつも女性神か。ブネも合わせてイネービュの分体だったよな。
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