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三部 主と突き進む道 第一章 海底の世界へ向けて
間話 ルーンの町とジャンカ村
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泉からルーンの町へと久しぶりに戻ったメルザたち。町に何か起こっていないか不安だったが、美しい
町はそのままだった。温和な空気に包まれている。
「俺様の町! 久しぶりだ! ……俺様、腹減ったよー-」
「はいはい。まずはルーンの安息所へ行きましょ」
「ううん。俺様、カカシにこれ渡さないと。枯れたら大変だ!」
「あら、綺麗な花ね。主ちゃんそれどうしたの?」
「えへへ。ルインがこれ、くれたんだ。俺様にぴったりの花なんだって。
洞庭藍? とかいうらしーんだけどよ」
「何ですって? 洞庭藍? 伝説の花じゃない。そんなもの、本当にあったの?」
「神を祭る神殿で手に入れたんだよね。あっても不思議じゃないんじゃないかな」
全員呆れている。そして一人しょげている奴がいた。いや犬である。
「まずいっす。あっしの役目はブレディーを守ることなのに、一緒に連れてってもらえなかったっす」
「何いってるのよ。ルインが一緒でしょ」
「あんな色男に任せてられないっすよ! でもこの流れは、あっしと美女だけの流れ……悪くないっす!」
「いや、僕やドーグルもいるんだけどね」
「ちみのような珍妙な生き物に忘れられるとはな」
「それよりニンファはどこだろう? 気になってよく眠れなかったんだが」
「王様、爆睡してたよね。封印の中で」
みんな元気いっぱいに喋り出すが、リルやカノン、サラは少し妖魔国の事を考え、不安になっていた。
メルザとそれを運ぶレウスさん以外はルーンの安息所へ行く。
「みんな!? ど、どこから来たの? ジャンカ村にみんながきたら合図してくれるよう言ってたのに!」
「あら? あんた。少したくましくなったっしょ?」
「へぇ……イビン。ちょっといい男になったじゃない。その頬の傷とか。戦士らしくて素敵ね」
「ルインに比べたらまだまだだけどね。頑張りなさいよ」
「それよりニンファは? ニンファはどこ?」
「誰も僕の質問に答えてくれないなぁ……ニンファちゃんはフェルス皇国で王政をしてるよ。凄いんだ」
「へ? 王政?」
「うん。王政。凄いんだ!」
「それにジャンカ村って何よ。あそこは森でしょ?」
「森を開拓して村にしたんだ。この中に入れない人たちも沢山いたから」
「凄いね。君らでやったのかい?」
「うん! この町のみんな総出でやったんだよ! それよりルインは? ルインはどこ?」
「それが、まだ海底なんだ。凄いものを取りに行ってる。でも必ず戻ってくるから」
「あのー、さっきからそっちの凄い怖そうな顔のお姉さんは……」
「ふう。まさかこんなものを造りあげているとは。人の子の創造力は恐ろしいものだな」
「ひっ……怖いよー-! きっと人じゃないよー-!」
「ええいやかましい! 海星に沈めるぞ! さっさと仕立て屋の場所へ案内しろ!」
「うひぃ!? セフィアさん並みに怖い……」
「そーいやセフィアさんとハーヴァルさんは?」
「外で駆けずり回ってるよ。ライラロさんたちと一緒に。ところで仕立て屋さんて?」
「ああ。フォニーに洋服を作ってもらいたいんだ。神様の遣いの」
「ええええええええー---!? かかか、神様の遣い? ももももしかして、そちらのお方は……へへー-っ」
平服して後ずさりするイビン。びびりまくっている。
ブネは無表情のまま案内するよう指示をする。
この後イビンと同じ光景を数度繰り返し、フォニーの許へと赴いたのだった。
町はそのままだった。温和な空気に包まれている。
「俺様の町! 久しぶりだ! ……俺様、腹減ったよー-」
「はいはい。まずはルーンの安息所へ行きましょ」
「ううん。俺様、カカシにこれ渡さないと。枯れたら大変だ!」
「あら、綺麗な花ね。主ちゃんそれどうしたの?」
「えへへ。ルインがこれ、くれたんだ。俺様にぴったりの花なんだって。
洞庭藍? とかいうらしーんだけどよ」
「何ですって? 洞庭藍? 伝説の花じゃない。そんなもの、本当にあったの?」
「神を祭る神殿で手に入れたんだよね。あっても不思議じゃないんじゃないかな」
全員呆れている。そして一人しょげている奴がいた。いや犬である。
「まずいっす。あっしの役目はブレディーを守ることなのに、一緒に連れてってもらえなかったっす」
「何いってるのよ。ルインが一緒でしょ」
「あんな色男に任せてられないっすよ! でもこの流れは、あっしと美女だけの流れ……悪くないっす!」
「いや、僕やドーグルもいるんだけどね」
「ちみのような珍妙な生き物に忘れられるとはな」
「それよりニンファはどこだろう? 気になってよく眠れなかったんだが」
「王様、爆睡してたよね。封印の中で」
みんな元気いっぱいに喋り出すが、リルやカノン、サラは少し妖魔国の事を考え、不安になっていた。
メルザとそれを運ぶレウスさん以外はルーンの安息所へ行く。
「みんな!? ど、どこから来たの? ジャンカ村にみんながきたら合図してくれるよう言ってたのに!」
「あら? あんた。少したくましくなったっしょ?」
「へぇ……イビン。ちょっといい男になったじゃない。その頬の傷とか。戦士らしくて素敵ね」
「ルインに比べたらまだまだだけどね。頑張りなさいよ」
「それよりニンファは? ニンファはどこ?」
「誰も僕の質問に答えてくれないなぁ……ニンファちゃんはフェルス皇国で王政をしてるよ。凄いんだ」
「へ? 王政?」
「うん。王政。凄いんだ!」
「それにジャンカ村って何よ。あそこは森でしょ?」
「森を開拓して村にしたんだ。この中に入れない人たちも沢山いたから」
「凄いね。君らでやったのかい?」
「うん! この町のみんな総出でやったんだよ! それよりルインは? ルインはどこ?」
「それが、まだ海底なんだ。凄いものを取りに行ってる。でも必ず戻ってくるから」
「あのー、さっきからそっちの凄い怖そうな顔のお姉さんは……」
「ふう。まさかこんなものを造りあげているとは。人の子の創造力は恐ろしいものだな」
「ひっ……怖いよー-! きっと人じゃないよー-!」
「ええいやかましい! 海星に沈めるぞ! さっさと仕立て屋の場所へ案内しろ!」
「うひぃ!? セフィアさん並みに怖い……」
「そーいやセフィアさんとハーヴァルさんは?」
「外で駆けずり回ってるよ。ライラロさんたちと一緒に。ところで仕立て屋さんて?」
「ああ。フォニーに洋服を作ってもらいたいんだ。神様の遣いの」
「ええええええええー---!? かかか、神様の遣い? ももももしかして、そちらのお方は……へへー-っ」
平服して後ずさりするイビン。びびりまくっている。
ブネは無表情のまま案内するよう指示をする。
この後イビンと同じ光景を数度繰り返し、フォニーの許へと赴いたのだった。
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