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第二部 主と働く道 第一章 地上の妖魔
間話 先に着いてしまいましたわ
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ミリルはミディにルーを託すと、一足先にキゾナ大陸に
着いていた。
船で到着した港はあまり賑わっていない。
ここはキゾナ大陸の鈴鈴港。
「皆さんはここにまだ到着しておりませんわね。傭兵団のお話ですと、ロッドの港町
で活動中とか……このままロッドの港町へ向かうのは、お金がもったいない
ですわね。すれ違いになってもいけませんし」
ミリルは思案して古代樹の図書館方面へ先に向かう事にした。
鈴鈴の港町に賑わいは見えないが、傭兵斡旋所レンズも
あるし、美味しそうな食事処もある。
少しお腹が空いていたミリルは、お食事処魚群……という店に入った。
「お、いらっしゃい。綺麗な人だねー。この町は初めてかな?」
「いえ、以前父と一緒に伺った事がありますわ。ただこうして一人で来るのは
初めてで、少々心細くはありますの。これから古代樹の図書館へ向かう途中ですわ」
「ほう、一人旅か。若いのに大したもんだな。ここからは馬車が出てる。
場所は食事が終わったら教えてやるよ。宿屋もな。
俺の名前を出せば少し安くなるだろう。あっちに着いたらネットに聞いたって言いな」
「まぁ、有難うございます。ではお食事は少し奮発して……こちらのギョルギョルのソテーを。
飲み物は、このミゾルテ? 甘味のある飲み物かしら」
「ああ、ミゾーンっていうこの辺で取れる果実のジュースだ。
酸味があって美味いぜ」
「まぁ、楽しみですわね。お願いします」
しばらくして食事が運ばれる。どれもミリルの口に大変良くあった。
ミリルはドラディニア大陸にあるミディ竜騎士団団長、ミディの娘。
かなりの箱入りお嬢様である。メルザ達と行動を共にするようになるまで
世間を知らず、父や竜騎士団と行動する事が殆どだった。
新しくルーを従えてからは幻妖団メルとして少しずつ活動を始めるようになり
毎日がとても楽しかった。
皆が旅立ってからしばらくは領域で過ごしたが、寂しくなり結局連れてこれない
ルーを預けて、メルザ達が目指していたキゾナ大陸に向かう事にしたのだ。
ドラディニア大陸からキゾナ大陸は比較的近くにある。
メルザ達より先に着いてしまうのも仕方がないし、かなり後に来るかも知れない。
レンズに寄り、先に向かうと連絡しておこう。
「ご馳走様でした。とても美味しかったですわ、ネットさん」
「おう、こっちこそありがとよ、お嬢さん。
そう言えば古代樹の図書館へ向かうってことは
円陣の都に行くんだろう? 知令由学園への入学者かい?」
「いえ、そういった予定ではなく、調べものをしたかったのですが」
「学園の関係者か招待者以外は古代樹の図書館へ入れないぜ。知らなかったのかい?」
ミリルは少し困惑する。ライラロさんの話だったが、何せライラロさんだ。
「ご丁寧に教えて頂きありがとうございます。まずは現地へ赴いて参りますわ」
「おう、馬車は……ここだ。道中気を付けていきなよ。よかったらまた来てくれ」
ミリルは一言礼を伝えると、外に出て、レンズへ寄り
馬車へと乗り込んだ。
馬車に揺られながら最後に聞いた話を考え悩んでいた。
着いていた。
船で到着した港はあまり賑わっていない。
ここはキゾナ大陸の鈴鈴港。
「皆さんはここにまだ到着しておりませんわね。傭兵団のお話ですと、ロッドの港町
で活動中とか……このままロッドの港町へ向かうのは、お金がもったいない
ですわね。すれ違いになってもいけませんし」
ミリルは思案して古代樹の図書館方面へ先に向かう事にした。
鈴鈴の港町に賑わいは見えないが、傭兵斡旋所レンズも
あるし、美味しそうな食事処もある。
少しお腹が空いていたミリルは、お食事処魚群……という店に入った。
「お、いらっしゃい。綺麗な人だねー。この町は初めてかな?」
「いえ、以前父と一緒に伺った事がありますわ。ただこうして一人で来るのは
初めてで、少々心細くはありますの。これから古代樹の図書館へ向かう途中ですわ」
「ほう、一人旅か。若いのに大したもんだな。ここからは馬車が出てる。
場所は食事が終わったら教えてやるよ。宿屋もな。
俺の名前を出せば少し安くなるだろう。あっちに着いたらネットに聞いたって言いな」
「まぁ、有難うございます。ではお食事は少し奮発して……こちらのギョルギョルのソテーを。
飲み物は、このミゾルテ? 甘味のある飲み物かしら」
「ああ、ミゾーンっていうこの辺で取れる果実のジュースだ。
酸味があって美味いぜ」
「まぁ、楽しみですわね。お願いします」
しばらくして食事が運ばれる。どれもミリルの口に大変良くあった。
ミリルはドラディニア大陸にあるミディ竜騎士団団長、ミディの娘。
かなりの箱入りお嬢様である。メルザ達と行動を共にするようになるまで
世間を知らず、父や竜騎士団と行動する事が殆どだった。
新しくルーを従えてからは幻妖団メルとして少しずつ活動を始めるようになり
毎日がとても楽しかった。
皆が旅立ってからしばらくは領域で過ごしたが、寂しくなり結局連れてこれない
ルーを預けて、メルザ達が目指していたキゾナ大陸に向かう事にしたのだ。
ドラディニア大陸からキゾナ大陸は比較的近くにある。
メルザ達より先に着いてしまうのも仕方がないし、かなり後に来るかも知れない。
レンズに寄り、先に向かうと連絡しておこう。
「ご馳走様でした。とても美味しかったですわ、ネットさん」
「おう、こっちこそありがとよ、お嬢さん。
そう言えば古代樹の図書館へ向かうってことは
円陣の都に行くんだろう? 知令由学園への入学者かい?」
「いえ、そういった予定ではなく、調べものをしたかったのですが」
「学園の関係者か招待者以外は古代樹の図書館へ入れないぜ。知らなかったのかい?」
ミリルは少し困惑する。ライラロさんの話だったが、何せライラロさんだ。
「ご丁寧に教えて頂きありがとうございます。まずは現地へ赴いて参りますわ」
「おう、馬車は……ここだ。道中気を付けていきなよ。よかったらまた来てくれ」
ミリルは一言礼を伝えると、外に出て、レンズへ寄り
馬車へと乗り込んだ。
馬車に揺られながら最後に聞いた話を考え悩んでいた。
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