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第二部 主と働く道 第一章 地上の妖魔

第百六十四話 半妖半幻のルイン

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 砂カバにいいようにしてやられた俺は、自分の力を把握しきれていない事に気づいた。
 体がボロボロになったおかげで休める機会が出来た今、宿屋の受付の人から
紙とペンを購入して書き出してみる事にした。
 俺自身を見る鑑定とか、やっぱほしい! 
 だが無いからこそ自らを見つめる事はできるのだ。

 ルイン・ラインバウト。年齢不詳。俺はいくつなんだ? 
 性別は男。妖魔だが幻魔が半分混じったんだとか。
 半幻半妖らしい。

 職業は現在特級ソードアイ。
 前職に剣闘士中級IIと幻剣士初級I、舞踏剣士中級Iを持つ。これらの能力は
コンバートにより継承される。

 職業の能力として新たにターゲットを得た。
 視点で捉えずとも敵対対象を補足出来る。
 同時に何体可能かは不明。
 他にもソードアイの能力はあるようだが不明な点が多い。

 得意武器は剣……主に曲刀と盾、格闘武器と暗器だ。
 幻術は適性はあるが媒体が無いと使えず不便。
 戦闘中頼っていて壊れたら詰みだ。
 使用可能な術は妖術、秘術に分類される妖赤星術の二種類。
 魔術などの別術については詳しく知らないので不明。
 妖術で使用可能なのは妖陽炎術こと妖楼術。
 近接攻撃を回避可能だが貫通攻撃、遠距離攻撃は受ける。
 赤星術は現在赤星の突、赤星の針、赤星の小星が使用可能。
 まだ未知数でとにかく修行が必要だ。



 タッグ攻撃としては、メルザがそれなりに近くに居る時限定で、目の力が使える。
 メルザとの距離が近い程威力を上げる自傷技で、自分へダメージもデカい。
 使用可能な技名は、赤い斬撃を飛ばすオペラモーヴ。
 衝撃を与えるピアニーインパルス。
 対象を簡易で調べるアナライズだ。

 ここまでが俺の半妖半幻としての力。
 
 妖魔としての力は、武具にモンスターを取り込みその技を使用可能。
 封印したモンスターにより身体能力の向上及び熟練するとそのモンスターを
 呼べる他の妖魔にはない使用方法を持つ。

 全てのモンスターを呼べるかは不明。
 今の俺が呼べる最大クラスはドラゴントウマだ。
 他に喋れるモンスターや妖魔までは封印出来る事が判明している。
 俺から呼び出しているのはリルカーン、サラカーン、ファナ、バシレウスオストー
の四人。

 彼らは呼び出して自由に行動してくれるが、俺が呼び出した他のモンスターは
 攻撃を開始しないと動いてくれない。

 ここまでが俺の保有するスキルだろう。
 装備の主力はアルカーン製作とフェルドナージュ様から頂いた蛇籠手の合作。
 通称アドレスと言う盾籠手剣だ。
 剣部はプログレスウェポンという成長する剣。
 指定されたモンスターをその場所に封印して戦闘を重ねる事により、能力が永続的に
 向上する。
 現在の指定モンスターは未入手でどこにいるかは不明だが
 こちらは後の楽しみとしよう。
 
 それ以外の装備としての力でフェルドナージュ様の蛇籠手が蛇に変わり
対象を飲み込む。
 飲み込んだ相手の体力を吸い、自分の体力を回復出来る。
 この能力は刃物に弱いが、アーティファクトなので破壊されても修復される。
 同じく蛇佩楯も頂き物だが、こちらは跳躍能力が向上する。
 アイドスキュエネイはヘッドバンドで自分の姿を一時的に消す事ができる。
 再使用までの時間と発動までのタイムラグがあり、多様は出来ない。
 青銀蛇リングからはミドーという巨大蛇を出す事が出来て
乗り物にもなり
 一緒に戦わせる事が出来る。

 改めて考えると、妖魔の国に行って俺は化け物じみた能力をかなり手に入れた。
 本来は妖魔ならばそれに準じた戦い方をもっと学ぶ必要がある。
 ベルローゼさんにもっと教えを請わないといけないが、まずは古代樹の図書館へ
赴き、情報を仕入れるのが先決だろう。
 最も気になるのが幻魔の宝玉の情報だ。
 ライラロさんの話では、あそこに行けばその情報が判るはずだ。
 身体を治して早く向かいたい。

 自分の能力を書きまとめて考えにふけっているとメルザがやってきた。
「何してるんだ、ルイン? また無理してるのか? 身体まともに動かすのは
まだはえーって」
「ああ、わかってるよ。もう少ししたらちゃんと休むから」
「おー、なんか難しい事書いてあるな。俺様にはよくわからねー!」
 
 あー、メルザにもこういったまとめたのを書くべきだが、本人が理解出来ないんじゃ
しょうがないよな……と思いつつ、俺は筆を置き休む事にした。
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