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第六章 強くなる
第百四話 旅のための支度を
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俺達はリルとサラの元へ向かうため、輸送隊としての命をフェルドナージュ様より
拝命し、フェルドナージュ様の部下、ベルローゼと共に向かう事になった。
目的地は残虐のベルータスが住まう地、ベレッタ。
準備期間はたったの二日だ。
まずは早速武器防具屋、フォモルコデックスへと舞い戻った。
「これはこれは、ようこそいらっしゃいました。リル様とサラ様には
お会いできましたので?」
「いえ、これから輸送の任務でベレッタまでベルローゼさんと
向かう事になりました。そこで二人にどうにか落ち合いたくて」
「ひえ、妖貴戦の黒星ベルローゼ様ですと!?」
やっぱりやばい妖魔さんだよね。あの方って。
「それでお金を頂戴したので装備を変えたいのですが……
妖魔の装備以外もあったりしますか?」
「うちは妖魔装備専門なんで、それはちょっと。
妖兵用の装備以外で購入されるってことであってますかい?」
「ああ、特に投擲系、遠距離武器か遠距離攻撃できるような
防具はないですか?」
店主は思案する。
「本来はダメなんですがね。リル様とサラ様に会いに行くってことは
お二人は良くない状態ってことか。
あのお二人には世話になってるんで、こいつを使ってくだせぇ」
「これは?」
小さい剣が六本装飾でついている腕輪だ。
「あのわら人形に向けて 手を翳して剣展開と。攻撃するイメージを持ってみてくだせぇ」
俺は言われた通りにわらに向けて唱えた。
「剣展開」
すると……腕輪の剣が脱却されて藁人形に突き刺さった!
まさに俺が求めるような装備だ。だがこれは……かなりいいものだ。
「本当にいいんですか、これ」
「ええ、使ってやってくだせぇ。リル様とサラ様の元気なお姿が
見れなければ、フェルドナージュ様も気を落としてしまわれる。
俺らにとって出来る事は陰ながら支えるだけでさぁ。
あとはそちらのお金で装備を一新しときやす」
「ありがとうございます。とても助かります」
俺は装備を一新してひとまずルーンの領域へ戻ることにした。
「ただいま。二人とも」
「おかえり。話していた二人には会えたのかしら?」
俺は町で何があったのかを説明した。
「まさか、妖魔の国で戦争が? 地上も地底も大変なのね」
「ああ、それで俺たちはリルとサラに会うために、補給係として
敵国まで行く予定だ。潜入もすると思う。かなり、危険だ」
「俺様は絶対行く。もう二度とルインと離れたくねぇ」
「あら、お熱いわね。私もそうしたいんだけどなぁ……」
メルザからボンっと湯気があがる。
「べ、別に違、ちがわねぇけどよ。もう嫌なんだよ。あんな苦しいのは」
「ああ、分かってる。この二日で念入りに準備しよう。
それとファナの足だが、ちょっと試してみたいことがある」
「えっ? この義足でもかなり凄いのに何かあるの?」
「ファナは変身できるよな。もしかしたらファナも
この籠手に封印できないか……って思ってさ」
「そうすると、もしかして私でも役にたてる……?」
「ああ、この封印に関してもいろいろ試してみたいんだ」
「わかった。先にお風呂? に入ってもいいかしら」
「あ、ああ。メルザも連れて行ってくれ」
そう言うと二人とも温泉に向かっていった。俺も後で入ろう。
その前に……「ニーメ、これが妖魔鉄鉱。こっちがフェルス霊銀。
それからこれがナージ鉱石だ。扱い方の本はこれだが
読めるか?」
「うん、ありがとう。研究してみるね。落ち着いたらr
この辺りの採取場所にも行ってみたいな」
「勿論だ、一緒に行こう。ごめんな、外に出してやれなくて」
「ううん、ここにはカカシもマーナもいるから」
「そうだな。さぁ俺達も風呂に入りにいくぞ!」
ああ、ついに念願の温泉が俺を待っている!
「なんで湯舟が一つなんですかね」
「最初からこうだったわよ。ちゃんと布を巻いているから、
気にしないで」
「ちょっと恥ずかしいけど、みんなでこうして入るのも楽しーな!」
「あーーーー、なんで混浴しかないんだーーー!」
仕方なく混浴風呂に入り、俺たちは全身を温めた。
さて、ここからは入手したアイテムの確認をしないとな……妖魔装備はとりあえずいいとして、レウスさんに渡されたものを
アナライズしてみる。
冷気凝縮キューブ【アーティファクト】
物体を凍結して保管するためのアイテム。
特定のものを九つまで凍らせて保管ができる。
入れた物は劣化しないうえ、時間も経過しない。
アーティファクトのため壊れることがない
スカーサハのナイフ(武芸の心得付与、豊富な経験付与、指導付与)【レジェンダリーウェポン】
伝説の武芸者が身に着けていたとされるナイフ
切れ味としては申し分ないが
指導目的で使用されたとされる
扱いが悪いと壊れる可能性がある
プロセフィーリング(祈りの癒し付与、知識上昇付与)【モアユニークアイテム】
神への祈りを成就させるためにつくられたとされる指輪
内側に綺麗に装飾されており職人の腕が光る
扱いが悪いと壊れることがある
メインズの腰布(燃斗付与II、燃臥斗付与I幻水耐性付与II)【マジックアイテム】
腰からぶらさげる短い腰布
使用者は細身のものにかぎられるが
火の扱いが上手になると言われている
扱いが悪いと壊れる
……以上の物がレウスさんから渡された物だった。
レウスさん、全然はずれじゃありませんけど?
特に冷気凝縮キューブなんて、師匠がパモを動かす時に
貸してくれたものの
上位互換っぽいものじゃないか。しかも回復できそうな指輪まであるし。
分配はあとにしてファナを牧場で待つとしよう。
拝命し、フェルドナージュ様の部下、ベルローゼと共に向かう事になった。
目的地は残虐のベルータスが住まう地、ベレッタ。
準備期間はたったの二日だ。
まずは早速武器防具屋、フォモルコデックスへと舞い戻った。
「これはこれは、ようこそいらっしゃいました。リル様とサラ様には
お会いできましたので?」
「いえ、これから輸送の任務でベレッタまでベルローゼさんと
向かう事になりました。そこで二人にどうにか落ち合いたくて」
「ひえ、妖貴戦の黒星ベルローゼ様ですと!?」
やっぱりやばい妖魔さんだよね。あの方って。
「それでお金を頂戴したので装備を変えたいのですが……
妖魔の装備以外もあったりしますか?」
「うちは妖魔装備専門なんで、それはちょっと。
妖兵用の装備以外で購入されるってことであってますかい?」
「ああ、特に投擲系、遠距離武器か遠距離攻撃できるような
防具はないですか?」
店主は思案する。
「本来はダメなんですがね。リル様とサラ様に会いに行くってことは
お二人は良くない状態ってことか。
あのお二人には世話になってるんで、こいつを使ってくだせぇ」
「これは?」
小さい剣が六本装飾でついている腕輪だ。
「あのわら人形に向けて 手を翳して剣展開と。攻撃するイメージを持ってみてくだせぇ」
俺は言われた通りにわらに向けて唱えた。
「剣展開」
すると……腕輪の剣が脱却されて藁人形に突き刺さった!
まさに俺が求めるような装備だ。だがこれは……かなりいいものだ。
「本当にいいんですか、これ」
「ええ、使ってやってくだせぇ。リル様とサラ様の元気なお姿が
見れなければ、フェルドナージュ様も気を落としてしまわれる。
俺らにとって出来る事は陰ながら支えるだけでさぁ。
あとはそちらのお金で装備を一新しときやす」
「ありがとうございます。とても助かります」
俺は装備を一新してひとまずルーンの領域へ戻ることにした。
「ただいま。二人とも」
「おかえり。話していた二人には会えたのかしら?」
俺は町で何があったのかを説明した。
「まさか、妖魔の国で戦争が? 地上も地底も大変なのね」
「ああ、それで俺たちはリルとサラに会うために、補給係として
敵国まで行く予定だ。潜入もすると思う。かなり、危険だ」
「俺様は絶対行く。もう二度とルインと離れたくねぇ」
「あら、お熱いわね。私もそうしたいんだけどなぁ……」
メルザからボンっと湯気があがる。
「べ、別に違、ちがわねぇけどよ。もう嫌なんだよ。あんな苦しいのは」
「ああ、分かってる。この二日で念入りに準備しよう。
それとファナの足だが、ちょっと試してみたいことがある」
「えっ? この義足でもかなり凄いのに何かあるの?」
「ファナは変身できるよな。もしかしたらファナも
この籠手に封印できないか……って思ってさ」
「そうすると、もしかして私でも役にたてる……?」
「ああ、この封印に関してもいろいろ試してみたいんだ」
「わかった。先にお風呂? に入ってもいいかしら」
「あ、ああ。メルザも連れて行ってくれ」
そう言うと二人とも温泉に向かっていった。俺も後で入ろう。
その前に……「ニーメ、これが妖魔鉄鉱。こっちがフェルス霊銀。
それからこれがナージ鉱石だ。扱い方の本はこれだが
読めるか?」
「うん、ありがとう。研究してみるね。落ち着いたらr
この辺りの採取場所にも行ってみたいな」
「勿論だ、一緒に行こう。ごめんな、外に出してやれなくて」
「ううん、ここにはカカシもマーナもいるから」
「そうだな。さぁ俺達も風呂に入りにいくぞ!」
ああ、ついに念願の温泉が俺を待っている!
「なんで湯舟が一つなんですかね」
「最初からこうだったわよ。ちゃんと布を巻いているから、
気にしないで」
「ちょっと恥ずかしいけど、みんなでこうして入るのも楽しーな!」
「あーーーー、なんで混浴しかないんだーーー!」
仕方なく混浴風呂に入り、俺たちは全身を温めた。
さて、ここからは入手したアイテムの確認をしないとな……妖魔装備はとりあえずいいとして、レウスさんに渡されたものを
アナライズしてみる。
冷気凝縮キューブ【アーティファクト】
物体を凍結して保管するためのアイテム。
特定のものを九つまで凍らせて保管ができる。
入れた物は劣化しないうえ、時間も経過しない。
アーティファクトのため壊れることがない
スカーサハのナイフ(武芸の心得付与、豊富な経験付与、指導付与)【レジェンダリーウェポン】
伝説の武芸者が身に着けていたとされるナイフ
切れ味としては申し分ないが
指導目的で使用されたとされる
扱いが悪いと壊れる可能性がある
プロセフィーリング(祈りの癒し付与、知識上昇付与)【モアユニークアイテム】
神への祈りを成就させるためにつくられたとされる指輪
内側に綺麗に装飾されており職人の腕が光る
扱いが悪いと壊れることがある
メインズの腰布(燃斗付与II、燃臥斗付与I幻水耐性付与II)【マジックアイテム】
腰からぶらさげる短い腰布
使用者は細身のものにかぎられるが
火の扱いが上手になると言われている
扱いが悪いと壊れる
……以上の物がレウスさんから渡された物だった。
レウスさん、全然はずれじゃありませんけど?
特に冷気凝縮キューブなんて、師匠がパモを動かす時に
貸してくれたものの
上位互換っぽいものじゃないか。しかも回復できそうな指輪まであるし。
分配はあとにしてファナを牧場で待つとしよう。
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