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第五章 求むるは何を欲するものなり

第九十四話 ドラゴントウマ戦

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「よう。トウマ俺だって。久しぶり。バシちゃんだぞ。
聞こえてるか? 
相変わらず死んでんなおい!」

 どう見ても会話が通じる相手じゃないだろ。にしても何て巨体だよ。

 ギルドグマも相当でかかったが

 横方面にあいつより段違いででかい。まともに戦える相手とは思えないな。

 どうする。考えろ。あいつをスルーして奥にいくか? 

「おいこら無視すんなトウマ! 行け、死神の使い!
「ふわー」

 そうか、いいことを思いついた! そう思った瞬間、トウマが巨体の尻尾で俺を薙ぎ払う。

「妖楼!」

 あぶなっ! とんでもない速さだ。早く作戦を。

「おいトウマ、お前今あいつ攻撃したろ。許せん、許せんぞ。
ルインが死ぬと俺も浄化するだろ! もう許せん。
焼き尽くす」

 そう言うとレウスさんは俺とは反対方向に飛んでいき奴に炎を放つ。

「ギイイイイイイイイイイイイイイイ」

 そういえば死体って言ってたから炎が良く効くのか? 
死んでるなら通常の
竜より遥かに柔らかいはず。

 先ほど考えていた作戦より別の作戦が浮かんだ。

 封印する箇所を籠手にして、俺も参戦する。
 勝てる見込みはある! 

トウマは今レウスさんに気を取られている。

 俺は試しに奴の尻尾にスライムの消化液をはきかけてみた。

 急いで元の場所まで戻る。

 かけられた消化液は奴の尻尾を少し溶かす。封印値は勿論一だ。

 レウスさんの攻撃が十だった。まだ合計たったの十一。

 トウマはレウスさんが呼び出した死神の使いが気に入らないのか
あれにかなりご執心だ。

 死んでて死神の使いだから因果関係でもあるのかもしれないな。

 チャンスは続いている。

 ブロードソードでも試し切りをしてみるが、こちらでも一。
 レウスさんが攻撃をさらに二回入れてようやく三十二になった。

 試すしかない。これ以上こいつを怒らせるとどんなやばい攻撃をしてくるかわからない。

「っ! 妖楼」

 俺は再度振るった尻尾を回避して遠くへ行く。
 あと一発使ったら妖楼でも倒れるか……なら覚悟を決めよう。

「どうせ倒れるならこれでどうだ! レウスさん。あとたのみます!」

 使えないわけじゃないけど、使えば倒れる。

 それなら一撃で倒せるダメージさえ与えればそれでよかった。

 フィリスドラゴンに意識を集中させる。俺は拳を前に突き出しながら叫んだ。




「プラネットフューリー! いけええええ!」

 奴を覆えるほどの巨大な燃える岩石がドラゴントウマを押しつぶす。
 惑星が衝突するような衝撃が奴を襲う。
「ギイイイイイイイイイイイイイイ!」

 どしーんとでかい音がして、奴が倒れる音が聞こえる。

 刹那封印値が百になり、俺の蛇籠手に封印された。

 俺はその場にぱたりと倒れて動けなくなった。

「一階でこれは、きつすぎるわ……」
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