上 下
50 / 1,085
第二章 闘技大会編 前編

第四十五話 闘技大会受付と闘技大会内容

しおりを挟む
 デイスペル国に到着した俺たちは、早速宿を取る。
 宿の場所はライラロさんおすすめの場所にした。

 値段は張るが、会場まで近いうえ、綺麗で料理も美味しいらしい。
 シュウさん達はもう少し安いところにするようだ。

「それじゃここで、道中楽しかったよ、シュウさん」
「ああ、俺もだ。うちのメンバーは寡黙な奴が多いからな」
「……すまん」
「別にせめてないさ。それじゃまたな!」

 俺たちは別れを告げると目的の宿屋を目指す。

 
 しばらく歩くと、宿屋インフィニティ闘技場覇者ご用達、と書かれた看板があった。
 
 宿に入ると丸っとした女性が出迎える。

「まぁライラロちゃん。待ってたわ! そちらがお弟子さん?」
「マリーン、会いたかったわぁ! そうそう、こっちの赤いのが不肖の弟子。
こ憎ったらしいけど可愛いのよねぇ……それでそっちが彼氏のルイン。
大きいのがファナって子。そっちの坊やがニーメ君よ」
「か、か、彼氏じゃねーし! こいつらは俺様の子分だし!」
「私の印象ってそれだけかぁ……」
「僕、坊やって年齢じゃないんだけどなぁ」

 三者三様の嘆きである。

「まぁまぁ、遠い所からよくきたわね。今部屋に案内するわ!」

 マリーンさんはさらっと話を流すと俺たちを案内してくれた。
 ライラロさんのことはよくわかってらっしゃる。



 部屋に案内され荷物を置いて一息つく。
 今日はもう遅いので明日闘技大会の受付に行こう。


 翌朝マリーンさんの作ってくれた美味しい朝食を頂いてから全員で闘技大会付近へ。

「まだ大会前なのに相当賑わってるわね」

 既に闘技大会会場前は店が立ち並び、大混雑している。
 これからしばらく毎日がこのお祭り騒ぎのようだ。

「受付はあっちね。団体戦は反対側よ。
さて、私の役目もこれで終わりね。あんたたちとの旅
なかなか楽しかったわ! これでやっとベルディスにお礼を……うふふっ」

 最後に不吉な笑いを残してライラロさんはどこかに行ってしまった。

「んじゃ俺たちも行くか」

 ニーメは参加しないが一緒について行くようだ。
 四人で『おー!』と個人戦の受付へ向かう。

 



「個人戦参加希望の方ですね。ルールや参加形式はご存じでしょうか?」
「いえ、詳しく教えて頂けますか?」
「承知いたしました。ではまず……」

 受付の人に詳しい話を聞いた。
 個人戦ではまず三つのパートに分かれてエントリーするらしい。

 近接戦術飛び道具禁止パート、遠距離戦術のみパート。
 それからなんでもアリパート。

 より楽しんでもらうための趣向らしい。
 一度に複数のパートに申し込みも可能で日付が違うようだ。
 団体戦でも同じパートがある。
 世界中の猛者が参加するのは何でもアリパートらしい。

 俺は個人で近接パートと何でもありを。
 メルザは遠距離パートを。
 ファナは近接戦パートと何でもありパートを選んだ。

 団体戦はもちろん何でもあり一択だ。

 いよいよ受付も終わり、大会まで日数もせまってきた。
 大会まではより連携を深めるべく近隣を見て回るつもりだ。

 パモを助けるべく俺たちの闘技大会開始がせまりつある。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

実はスライムって最強なんだよ?初期ステータスが低すぎてレベルアップが出来ないだけ…

小桃
ファンタジー
 商業高校へ通う女子高校生一条 遥は通学時に仔犬が車に轢かれそうになった所を助けようとして車に轢かれ死亡する。この行動に獣の神は心を打たれ、彼女を転生させようとする。遥は獣の神より転生を打診され5つの希望を叶えると言われたので、希望を伝える。 1.最強になれる種族 2.無限収納 3.変幻自在 4.並列思考 5.スキルコピー  5つの希望を叶えられ遥は新たな世界へ転生する、その姿はスライムだった…最強になる種族で転生したはずなのにスライムに…遥はスライムとしてどう生きていくのか?スライムに転生した少女の物語が始まるのであった。

豪華地下室チートで異世界救済!〜僕の地下室がみんなの憩いの場になるまで〜

自来也
ファンタジー
カクヨム、なろうで150万PV達成! 理想の家の完成を目前に異世界に転移してしまったごく普通のサラリーマンの翔(しょう)。転移先で手にしたスキルは、なんと「地下室作成」!? 戦闘スキルでも、魔法の才能でもないただの「地下室作り」 これが翔の望んだ力だった。 スキルが成長するにつれて移動可能、豪華な浴室、ナイトプール、釣り堀、ゴーカート、ゲーセンなどなどあらゆる物の配置が可能に!? ある時は瀕死の冒険者を助け、ある時は獣人を招待し、翔の理想の地下室はいつのまにか隠れた憩いの場になっていく。 ※この作品は小説家になろう、カクヨムにも投稿しております。

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

貞操逆転世界に無職20歳男で転生したので自由に生きます!

やまいし
ファンタジー
自分が書きたいことを詰めこみました。掲示板あり 目覚めると20歳無職だった主人公。 転生したのは男女の貞操観念が逆転&男女比が1:100の可笑しな世界だった。 ”好きなことをしよう”と思ったは良いものの無一文。 これではまともな生活ができない。 ――そうだ!えちえち自撮りでお金を稼ごう! こうして彼の転生生活が幕を開けた。

大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。 ※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。

無限初回ログインボーナスを貰い続けて三年 ~辺境伯となり辺境領地生活~

桜井正宗
ファンタジー
 元恋人に騙され、捨てられたケイオス帝国出身の少年・アビスは絶望していた。資産を奪われ、何もかも失ったからだ。  仕方なく、冒険者を志すが道半ばで死にかける。そこで大聖女のローザと出会う。幼少の頃、彼女から『無限初回ログインボーナス』を授かっていた事実が発覚。アビスは、三年間もの間に多くのログインボーナスを受け取っていた。今まで気づかず生活を送っていたのだ。  気づけばSSS級の武具アイテムであふれかえっていた。最強となったアビスは、アイテムの受け取りを拒絶――!?

処理中です...