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第二章 闘技大会編 前編
第二十八話 ドーナツ部屋の攻防
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装備を一通り確かめると、俺たちは奥へ行く。
途中お腹が空いたらしく、メルザがさっきの虫食べれないかというので
俺は全否定しておいた。それを喰うなんてとんでもない!
ポーチからしまっておいたパンを出してメルザに渡そうとすると
メルザは俺の指事喰おうとした。
前回もあったなこの流れ。
メルザはパンを半分残して俺に渡してくれた。
「俺様が先に喰い、子分はその後食べるのだ! にはは!」と笑っているが、どう見ても
こっちのパンの方が大きいよ親分。
俺はもうちょいちぎってメルザの口に黙って放り込んでやった。
メルザに水を出してもらい飲む。
燃斗と氷斗を使わず普通に水を出しているので、特訓の成果がでているようだ。
閑話休題
俺たちは二つ目の金色のマークを目指す。
「今度は数が多いな……部屋もそれなりの広さだ。
種類もさっきのに似てるがここからじゃわからないか。
真ん中のでかい柱の左側に六匹 右側に三匹で部屋はドーナツ型かな」
「ドーナツってなんだ?」
「円で中が空洞の食べ物だ、この場合は逆の形だが」
「うまいのか!? 食べたい!」
「いや、そーじゃなくてな……」
「左側のやつに気づかれてリンクしないように
右側のやつを片付けよう。二匹を奇襲して仕留めて見せる。
その間に二人は残る一匹を頼むよ」
「わかった!」
「任せておけぃ」
俺は目配せしてタイミングを見る。右のやつはさっきの
フライ三匹だな。不規則に飛んでるから一定範囲に入れば気付かれる。
俺はトントンと軽く飛んで確かめながら足に風が行くようなイメージで風斗を使った。
師匠から何度か武具を借りて使ったことはある。感覚でいうならすごい風の
強い日に、体を持ってかれるイメージだ。
速い! とてつもなく速い!
俺は一瞬で距離を間近まで詰めて、モンスターに
シールドレイピアを突き刺していた。
ゴールデンアキアカネ一匹は絶命。
手前位で暗器を投げる予定だったが、これならと二匹目に暗器を投げる……が回避される。
一匹はまだ反応していない。暗器を投げた個体は俺に尾で攻撃してきた。
シールド部で尾の攻撃をいなす。この靴の影響もあってか衝撃を微塵も感じない。
そのまま時計回りに一回転しながら地面に落ちた暗器を拾いつつ、蹴りで吹き飛ばす。
三匹目も気付いたが、そいつに電撃が襲う。
吹き飛ばした二匹目に暗器を投げて刺し、近づきレイピアで串刺しにした。
これで二匹。
三匹目に向き合うと、メルザの業火が三匹目を灰燼に帰していた。
なんて威力だよ! あんなの食らったらひとたまりもないぞ。
俺はドーナツ型の奥に敵がいない事をすぐに確認して
反対側の敵も確認する。
問題なさそうだ。
師匠に「とにかく状況を把握しろ! 周囲を警戒しろ! いつなん時
襲われてもいいようにしろ!」と口を酸っぱくして言われた。
そうでなければ大切な物は簡単に失うとも。
わかっていてもこれが本当に難しい。
注意しつつ反対側の様子を見る。一匹別の個体がいるな。
アナライズしよう。
ゴールデンマンティス
カマキリ科
非常に獰猛で左右の鎌はとにかく切れ味がするどい
風斗を使うが射程はそれほどでもない
動きは遅い
群れで行動しやすい
あれ、あいつは群れで行動しやすいのに単独か。
他の個体と争っているわけじゃないからどの群れとも混同するのか。
動きが遅いならあいつから狙いたいところだが、俺の奇襲じゃ
せいぜい二匹を仕留める程度。
ここはメルザとカカシに任せよう。
「メルザ、カカシ。あの六匹が直線で重なるようになったら
奇襲を頼めるか? 外したやつは俺が対処する」
「わかった、やってみる。俺様の燃斗系の方が速度は遅いから
先に打っていいか?」
「わしは主に合わせるとしよう。いつでもいいぞい」
メルザは遠方から攻撃する。
敵に向け標準を合わせて攻撃を放った。
「燃臥斗!」
先ほど見たとてつもないでかさの炎が直線上に飛んでいく……やべぇなこれ。
「我が命と引き換えに敵を撃て! 雷撃の章!」
カカシはとても危険な詠唱をしている。幻術じゃないのか!? 魔術?
カカシのカボチャ目から電撃が走る。そこから出てたの!?
おっと気を取られずに俺は敵を見据えてメルザ達とは柱を隔てて
反対側に疾走して様子を見る。
四匹仕留めて残りは二匹。あのカマキリ状のやつにはあたってない。
俺は敵の背後を取って、もう一匹残った蝶を一気に貫く。
そしてそのまま暗器をカマキリに投げつけたが、カマキリの鎌ではじかれる。
あれを交わすとは……しかも奴は柱を背にして双方を警戒しているようだ。
だが……メルザは俺の足元に土斗で足場を作っていた。
そこから跳躍して奴の上から攻撃する。
刹那カカシの雷撃を交わした奴の頭上に来た。
そのまま落下に合わせてレイピアを突き刺す。
絶命しなかった奴は渾身の力で鎌を振りかざす。
奴から剣を引き抜いてさっと回避する。
少しかすったか。
だがもう終わりだ。焦土と化す炎が奴を焼き払った。
あの火球はまじでやべぇ。
途中お腹が空いたらしく、メルザがさっきの虫食べれないかというので
俺は全否定しておいた。それを喰うなんてとんでもない!
ポーチからしまっておいたパンを出してメルザに渡そうとすると
メルザは俺の指事喰おうとした。
前回もあったなこの流れ。
メルザはパンを半分残して俺に渡してくれた。
「俺様が先に喰い、子分はその後食べるのだ! にはは!」と笑っているが、どう見ても
こっちのパンの方が大きいよ親分。
俺はもうちょいちぎってメルザの口に黙って放り込んでやった。
メルザに水を出してもらい飲む。
燃斗と氷斗を使わず普通に水を出しているので、特訓の成果がでているようだ。
閑話休題
俺たちは二つ目の金色のマークを目指す。
「今度は数が多いな……部屋もそれなりの広さだ。
種類もさっきのに似てるがここからじゃわからないか。
真ん中のでかい柱の左側に六匹 右側に三匹で部屋はドーナツ型かな」
「ドーナツってなんだ?」
「円で中が空洞の食べ物だ、この場合は逆の形だが」
「うまいのか!? 食べたい!」
「いや、そーじゃなくてな……」
「左側のやつに気づかれてリンクしないように
右側のやつを片付けよう。二匹を奇襲して仕留めて見せる。
その間に二人は残る一匹を頼むよ」
「わかった!」
「任せておけぃ」
俺は目配せしてタイミングを見る。右のやつはさっきの
フライ三匹だな。不規則に飛んでるから一定範囲に入れば気付かれる。
俺はトントンと軽く飛んで確かめながら足に風が行くようなイメージで風斗を使った。
師匠から何度か武具を借りて使ったことはある。感覚でいうならすごい風の
強い日に、体を持ってかれるイメージだ。
速い! とてつもなく速い!
俺は一瞬で距離を間近まで詰めて、モンスターに
シールドレイピアを突き刺していた。
ゴールデンアキアカネ一匹は絶命。
手前位で暗器を投げる予定だったが、これならと二匹目に暗器を投げる……が回避される。
一匹はまだ反応していない。暗器を投げた個体は俺に尾で攻撃してきた。
シールド部で尾の攻撃をいなす。この靴の影響もあってか衝撃を微塵も感じない。
そのまま時計回りに一回転しながら地面に落ちた暗器を拾いつつ、蹴りで吹き飛ばす。
三匹目も気付いたが、そいつに電撃が襲う。
吹き飛ばした二匹目に暗器を投げて刺し、近づきレイピアで串刺しにした。
これで二匹。
三匹目に向き合うと、メルザの業火が三匹目を灰燼に帰していた。
なんて威力だよ! あんなの食らったらひとたまりもないぞ。
俺はドーナツ型の奥に敵がいない事をすぐに確認して
反対側の敵も確認する。
問題なさそうだ。
師匠に「とにかく状況を把握しろ! 周囲を警戒しろ! いつなん時
襲われてもいいようにしろ!」と口を酸っぱくして言われた。
そうでなければ大切な物は簡単に失うとも。
わかっていてもこれが本当に難しい。
注意しつつ反対側の様子を見る。一匹別の個体がいるな。
アナライズしよう。
ゴールデンマンティス
カマキリ科
非常に獰猛で左右の鎌はとにかく切れ味がするどい
風斗を使うが射程はそれほどでもない
動きは遅い
群れで行動しやすい
あれ、あいつは群れで行動しやすいのに単独か。
他の個体と争っているわけじゃないからどの群れとも混同するのか。
動きが遅いならあいつから狙いたいところだが、俺の奇襲じゃ
せいぜい二匹を仕留める程度。
ここはメルザとカカシに任せよう。
「メルザ、カカシ。あの六匹が直線で重なるようになったら
奇襲を頼めるか? 外したやつは俺が対処する」
「わかった、やってみる。俺様の燃斗系の方が速度は遅いから
先に打っていいか?」
「わしは主に合わせるとしよう。いつでもいいぞい」
メルザは遠方から攻撃する。
敵に向け標準を合わせて攻撃を放った。
「燃臥斗!」
先ほど見たとてつもないでかさの炎が直線上に飛んでいく……やべぇなこれ。
「我が命と引き換えに敵を撃て! 雷撃の章!」
カカシはとても危険な詠唱をしている。幻術じゃないのか!? 魔術?
カカシのカボチャ目から電撃が走る。そこから出てたの!?
おっと気を取られずに俺は敵を見据えてメルザ達とは柱を隔てて
反対側に疾走して様子を見る。
四匹仕留めて残りは二匹。あのカマキリ状のやつにはあたってない。
俺は敵の背後を取って、もう一匹残った蝶を一気に貫く。
そしてそのまま暗器をカマキリに投げつけたが、カマキリの鎌ではじかれる。
あれを交わすとは……しかも奴は柱を背にして双方を警戒しているようだ。
だが……メルザは俺の足元に土斗で足場を作っていた。
そこから跳躍して奴の上から攻撃する。
刹那カカシの雷撃を交わした奴の頭上に来た。
そのまま落下に合わせてレイピアを突き刺す。
絶命しなかった奴は渾身の力で鎌を振りかざす。
奴から剣を引き抜いてさっと回避する。
少しかすったか。
だがもう終わりだ。焦土と化す炎が奴を焼き払った。
あの火球はまじでやべぇ。
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