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凱が京をトイレに連れて行った後、嶺は3杯目であるカールスバーグを空けるとテーブルの上の真新しい磨かれた空のグラスを取った。
「ねー、五色叔父さんすごいね。ほんと言った通りになった」
五色は無言で赤ワインのボトルを手に取ると嶺のグラスに注ぐ。
「はー、一週間我慢した甲斐あった。京、えろ」
嶺が切れ長の美しい目尻を下げると自然と口の端が綻んだ。
「今日は約束通り、京と一緒に寝るからね」
「まだ禁欲かー、うう、長い。はやく京に襲ってもらいたいわ」
嶺はぐったりとソファに体を持たせかける。
「明日、京のそばにいてそっけない態度でいてごらん。今日でもかなりその気だろう」
嶺はまだ同性とのセックスに抵抗があり受け身な京をもっと積極的にさせ、さらには望んでいる女性との性交渉も諦めさせて、自分たち以外の人間には振り向かないようにしたがった。
五色が不在の一年半で京もずいぶん身体を許し、男に抱かれる快感を知るようになったが、京は二人の求めに応じるだけだった。それなのに、五色が帰ってきた途端、日中も身を寄せてくることが増え、この間は凱を自ら誘ったりしていた。嶺は京の方から誘われたいと、もっと求めて欲しいと思い、簡単に京を翻弄できる五色に知恵を借りた。
「京と思う存分楽しめたら、その夜は私に譲ってくれよ」
「五色叔父さんの見立てだと明日には京、落ちるんでしょ?じゃあ、今夜と明日の夜は叔父さんのもの?」
「ああ。そうなるね」
五色が京を手酷く扱って日本を離れたあと、慰めつつ、褒めて、甘やかすように凱と嶺に助言したのも五色だった。その通り、京はその後も大した抵抗もなく二人に抱かれ続けた。
ちなみに凱が嫌がる京にあーんを繰り返すのも自分の作ったトラウマを凱に上書きしてほしいとの五色の発言があってだ。
凱は恋人のように京と過ごすのを好み、今のままでもよかったが、前に京にさせた五色から教わった口淫の際のおねだりは悪くなく、嶺の望みに対しても興味があったし、なにより嶺と気持ちを同じにして嫌がったのは、自分たち以外の誰かに京が感心を持つことだった。
「けど、なんで店で京は発情してるわけ?」
「‥おおかた食事中に私のことを見てセックスのことでも思い出したんだろう」
そういうスイッチを作ったのは五色だ。彼は顔色ひとつ変えずに自分のグラスにもワインを注いだ。
「五色叔父さんって見た目、上品だけど中身全然違うよね」
「そうかな」
「自覚ないの。歪んでるー」
嶺はニヤつきながら前髪を両手で撫でつけるように掻き上げた。どこか瞳は冷静だ。
「そろそろ京をお迎えに行かないと。凱を我慢させないと計画がムダになるよ」
五色はうっすら微笑むと話を切り上げ、腕時計を見た。
「はいはい、今日は叔父さんの日だからね」
嶺はグラスのワインを飲み干すと席を立った。
「ねー、五色叔父さんすごいね。ほんと言った通りになった」
五色は無言で赤ワインのボトルを手に取ると嶺のグラスに注ぐ。
「はー、一週間我慢した甲斐あった。京、えろ」
嶺が切れ長の美しい目尻を下げると自然と口の端が綻んだ。
「今日は約束通り、京と一緒に寝るからね」
「まだ禁欲かー、うう、長い。はやく京に襲ってもらいたいわ」
嶺はぐったりとソファに体を持たせかける。
「明日、京のそばにいてそっけない態度でいてごらん。今日でもかなりその気だろう」
嶺はまだ同性とのセックスに抵抗があり受け身な京をもっと積極的にさせ、さらには望んでいる女性との性交渉も諦めさせて、自分たち以外の人間には振り向かないようにしたがった。
五色が不在の一年半で京もずいぶん身体を許し、男に抱かれる快感を知るようになったが、京は二人の求めに応じるだけだった。それなのに、五色が帰ってきた途端、日中も身を寄せてくることが増え、この間は凱を自ら誘ったりしていた。嶺は京の方から誘われたいと、もっと求めて欲しいと思い、簡単に京を翻弄できる五色に知恵を借りた。
「京と思う存分楽しめたら、その夜は私に譲ってくれよ」
「五色叔父さんの見立てだと明日には京、落ちるんでしょ?じゃあ、今夜と明日の夜は叔父さんのもの?」
「ああ。そうなるね」
五色が京を手酷く扱って日本を離れたあと、慰めつつ、褒めて、甘やかすように凱と嶺に助言したのも五色だった。その通り、京はその後も大した抵抗もなく二人に抱かれ続けた。
ちなみに凱が嫌がる京にあーんを繰り返すのも自分の作ったトラウマを凱に上書きしてほしいとの五色の発言があってだ。
凱は恋人のように京と過ごすのを好み、今のままでもよかったが、前に京にさせた五色から教わった口淫の際のおねだりは悪くなく、嶺の望みに対しても興味があったし、なにより嶺と気持ちを同じにして嫌がったのは、自分たち以外の誰かに京が感心を持つことだった。
「けど、なんで店で京は発情してるわけ?」
「‥おおかた食事中に私のことを見てセックスのことでも思い出したんだろう」
そういうスイッチを作ったのは五色だ。彼は顔色ひとつ変えずに自分のグラスにもワインを注いだ。
「五色叔父さんって見た目、上品だけど中身全然違うよね」
「そうかな」
「自覚ないの。歪んでるー」
嶺はニヤつきながら前髪を両手で撫でつけるように掻き上げた。どこか瞳は冷静だ。
「そろそろ京をお迎えに行かないと。凱を我慢させないと計画がムダになるよ」
五色はうっすら微笑むと話を切り上げ、腕時計を見た。
「はいはい、今日は叔父さんの日だからね」
嶺はグラスのワインを飲み干すと席を立った。
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