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学校から帰り部屋にカバンを置いてTシャツとハーフパンツに着替える。


高層マンションの25畳のリビング。広く街が見渡せる天井から床まで一面の大きな窓からまだまだ強い日差しが照りつけている。
クーラーが効いている部屋で嶺にいちゃんがギネス片手にソファでくつろいでいた。

リビングに入ってきた俺に気づくと嬉しそうにおいでおいでをする。精悍で逞しい嶺にいちゃんの屈託のない笑顔が強い日差しに照らされて眩しい。


凱にいちゃんと嶺にいちゃんはそっくりなかっこいい双子。細くて小さい俺とはまったく似てないけど正真正銘の兄弟。俺もにいちゃんたちも父親の血が濃くて、俺は父さん似、にいちゃんたちは父さんの父さん、つまりじいちゃんの血が強い。
たぶん絶対大学でもモテてる。だって中学の時も高校の時もすごかったもん。バレンタインとか、誕生日とか。クリスマスも卒業式もなんかもらってた気がする。家とかまでプレゼント持ってくる子もいた。


ソファに近づくと腰を持たれ、向き合う形で抱きしめられた。凛とした顔が近づく。ちゅう。

「おかえり」

嶺にいちゃんはさらに舌を絡めてくる。ギネスの香りのほんのり苦いキス。

俺は嶺にいちゃんの唇から離れると舌だけちろっと出した。嶺にいちゃんも合わせて分厚い舌の先端だけだして、ちろちろと舐め合う。俺これ好き。

俺がうっとりしながら舌先を遊ばせていると、やがて嶺にいちゃんは俺の舌に吸い付いてきた。先っちょを唇で挟んで舌でコロコロ転がす。なんかちくび舐めてる時みたい。えちい。

「嶺にいちゃん‥。きもちい‥」

「んー。おれも」

見つめあって軽くキス。
俺の勃起ちんこがちょっと膨らんだ嶺にいちゃんの股間と布越しにふれあう。俺は腰をむずむずさせちゃう。


「嶺にいちゃん、ちんこさわってぇ」

「ん?ここ?」

ハーフパンツをずらしてお尻の穴をつんつんしてくる。

「ちがう。ちんちんー」

もどかしくって甘えた声だしてねだる。

嶺にいちゃんは愛おしそうに俺の唇を舌でなぞった。

「そろそろ、ちんちんさわんなくてもイけるようにしたい」


「やだ。絶対やだ」

なんだよ。それ。俺、ほんとにどんどん変態になっちゃうじゃん。

「俺、女の子とやりたいもん。これ以上、変なことしないでよ」

俺の言葉でお尻の穴をいじっていた嶺にいちゃんの手が止まった。

「嶺にいちゃん?」

嶺にいちゃんは片手で俺をがっちり掴んだまま、テーブルに置いておいたスマホを手に取った。

「凱?買いもんまだ?早く帰ってこいよ。‥京が色気づいてる。女とやりたいんだって」

声があからさまに不機嫌だ。二、三話すと電話を切った。

「何?何で凱にいちゃん呼ぶの」
ちょっとあせる。なんで?

「んー」
嶺にいちゃんは答えず首にキスしてくる。

「俺いいこにしてたじゃん」

ちょっと口調が強くなってしまった。

だってさ、ほんとはやりたくないよ。毎日えっち、えっち、えっち。

でも、しょうがないじゃん。

にいちゃんたちがいなきゃ、それこそ‥。


俺はどうしていいのか分からずされるがままにたくさんキスを受けているとすぐに玄関の方から音がして、買い物したバックを下げた凱にいちゃんが帰ってきた。

広いキッチンカウンターに荷物を置いて手を洗う。

「おまたせ。ここじゃ狭いよ。ベッド行こう。嶺」



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