ゴーストライター

ジャメヴ

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衝撃的な再開 1

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「じゃあ、行ってきます」
「行ってらっしゃい!  拓也!  気を付けるのよ!」
母さんは普段より強めの口調で俺を送り出した。

  昨日、隣街で変質者が出たと母さんから聞いた。俺も、もう中3だし、そこまで気にしないけど、女子や小さな子供を持つ親にとっては気が気じゃないだろう。母さんも少なからず気にしているようだ。

  俺が外に出ると、地上に出てくるのが遅れたのか、季節外れの蝉が1匹だけミンミンと煩く鳴いている。
  今日は土曜日。昼食を済ませた後、幼馴染みの萩野大樹はぎのだいき白木しらき白木駅で待ち合わせをしている。彼の事は小さい頃からダーキと呼んでいて、ダーキは子供の頃から、とにかく頭が良い。成績はクラスでずっとトップで勉強以外の知識も豊富。昔はよく遊んでいたけど、俺の成績が標準以下だという事も影響しているのか、中学生になってからはあまり遊んだりしていない。友達と呼んで良いのか疑問な関係になっていると思っていたから、ダーキから2人で金宮きんのみやに行こうと誘われた時はビックリした。

  久しぶりに電車に乗る為、改札の雰囲気が昔と違うような気がする。ダーキは、まだ来ていないようだ。俺は金宮までの切符の値段を確認する。770円のようだ。1時間程度掛かる場所なのに意外と安いなと感じた。

「拓也」
俺はダーキが来たんだなと声のする方を振り向いた。
「悪いな付き合わせちゃって」
ダーキはイケメンの表情を崩さず言った。
「いやいや、俺も1度金宮へ行ってみたかったから」
俺はショルダーバッグから財布を取り出し、小銭を探す。
「電車賃は俺が出すから」
ダーキは表情を変えずに言った。
「え?  良いの?」
「ああ、気にしないでくれ」
「でも、占い代も出してくれるんだろ?」
「まあ、付き合わせてるからな。それぐらいは出すよ」
「ありがとう」

  ダーキは親が会社を経営しているので金持ちだ。お小遣いとかは無く、必要な額を貰えると言っていた。
  今日、当たると評判の占い師に占ってもらう為に、俺達は金宮へ行く。全くと言って良い程、俺は占いに興味が無かったけど、良く当たると聞くし、お金も出してくれるならという事でダーキについて行く事にした。思春期の学生が1番気になるのは恋愛運に決まっている。折角だから幼馴染みの夏菜との恋愛運でも見てもらおうと思う。夏菜は容姿端麗、頭脳明晰でバスケ部のエース。俺なんかとは釣り合いが取れないけど、一応昔から仲は良い。
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