ゴーストライター

ジャメヴ

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悪魔の殺し方 12

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コンコンコン
「我部君!  入るよ!」
ドアを開け部屋に入ると、我部君は既に眠っているというか止まっていた。学生服のまま横になっている。汗をかいたりもしないのだろう。ベッドはあるのだけど、地べたで寝ていた。
「我部君!」
僕は我部の両肩を持ち、強く揺する。
「我部君!  いや、これマジで起きないな」
どうやっても起きそうにない。我部君本人も言っていたけど、眠っていると言うより停止している感じだ。
  今だったら刺し殺せそうだけどね。でも多分、血とかも出ないんだろう。ノコギリとかで真っ2つにしたらどうなるんだろうか?  別々に動き出すような、気持ち悪い映像を見せられそうだな……。まあ、恨みも無いし、殺せるとしても殺さないけどね。

  僕はこれまでの状況から完全に天使の存在を信じていた。いや、天使かどうかは分からないけど、今までの状況を考えると、我部君が人間じゃないのは間違いないだろう。そうなると、他の転入生も悪魔かどうかは別にして、人間じゃ無いのは間違い無い。
  僕は台所へ戻り、カレーを温めなおし、お皿にご飯とカレーをよそう。カツカレーにするのを忘れていたので、カツを電子レンジで温める。温まったカツを包丁で切る。一応料理研究部だ、包丁は使える。テーブルに水の入ったコップとカツカレーを持っていき、食べながら考える。
  さて、どうするか……。我部君の言う通り、オモチャの拳銃で殺すのが1番だろう……。ただ、8発で仕留められなかった時の心配より、この拳銃が機能しない可能性もゼロじゃない。そもそも、我部君は悪魔に使用した事があるんだろうか?  我部君も初使用なんじゃないかな?  このオモチャを信用し過ぎて、死ななかった場合、俺は殺されてしまう……。ん?  包丁?  我部君は、アイツら悪魔が人間の身体を乗っ取っているから、絞め殺したり、刺し殺したりする事も出来るって言っていた。何とかしてバレないように殺せないか?

  僕は考えに集中し過ぎて、食べるのが疎かになっていた。少し冷めたカツカレーを口に入れ、再び考える。
  6人も殺してバレないようにってのは、考えが甘過ぎる……。推理小説とかでも完全犯罪が成立するのは2人程度だろう……。やっぱりオモチャの拳銃を信用するしかないか……。

  妙案を思い付けず、時間だけが過ぎていく……。本当に転入生達が悪魔なら、直ぐにでも殺した方が良い。ただ、悪魔じゃない場合、殺せば逮捕されるし、オモチャの拳銃も効かず殺されかねない。
  僕は今日の現実離れした出来事を朝から思い返してみた。

 7人もの転入生
 我部君のテレパシー
 神、天使、悪魔の存在
 クラス中の喧嘩

  ん?  喧嘩の原因って、皆が悪魔と長時間過ごした為に、欲望を満たそうとやり過ぎてしまう行動が増幅させられたからだよな……。しかも、悪魔達は人間の身体を乗っ取っている為に、自分の能力が抑えきれず、表面化してしまっている。そうか!
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