ゴーストライター

ジャメヴ

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悪魔の殺し方 4

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  僕は下鵜瀬望愛しもうぜのあ、中3の男子。僕が住んでいる、この小さな島は田舎で娯楽が少なく、若者には好まれないものの、漁業と農業が中心の平和な村だ。僕の通う松花まっか中学校は全校生徒20人。学力や運動能力は全国平均からやや劣るものの、皆、幸せな青春時代を過ごしている。


◆殺人事件当日◆
金曜日の朝
松花中学、3年生の教室前

「下鵜瀬君、鍵お願いね」
「了解」

  僕の学年は全員で7人。小学校からずっと同じクラスだ。男子5名に女子2名。
  この学校は人が少ない為、部活動を生徒達が決める。僕の学年は話し合いの結果、料理研究部となった。特に料理好きが集まっている訳でも無いんだけど、放課後の少し小腹が空いた頃に、軽食やお菓子を食べられるから、という邪な理由だ。月曜日から木曜日まで料理研究部の活動があり、金曜日はスポーツや勉強に充てる為、料理研究部は休みになっている。金曜日の朝に、その週の戸締まり担当が、翌週の戸締まり担当に鍵を渡すルールになっている。来週は僕が戸締まり担当だ。
  僕が教室に入ると、どこから情報を仕入れたのか、今日、3年生のクラスに転校生が来るという噂が流れていた。今朝はその話で持ちきりだ。

「楽しみだな。本当に転校生来るのかな?」
「そりゃ、来るだろ。この無駄に並べられた机と椅子は何だって言うんだよ」

  教室には、昨日は無かった机と椅子が置かれている。どうやら、噂は本当らしい。ただ、7セットも用意されていて、急に教室が狭くなったような錯覚を感じていた。僕は、何かゲームでもするのかなと疑問に思っていた。

「帰国子女の転校生とかが良いな」
「良いな~。頭が良くて英語ペラペラでスタイル抜群の美女希望します」
「賛成~!」

  男性陣は妄想で盛り上がっている。水を差すようだけど、頭の悪い短足の男性でも、海外から帰ってくれば帰国子女だ。

ガラガラガラ、パシッ
  担任の先生が教室に入って来た。天然パーマの短髪で、牛乳瓶の底のような、時代遅れの大きな黒縁メガネを掛けている。年齢は48歳。グレーのスーツをよく着ているのだけど、お腹はぽっこりと出ていて格好良いという感じでは無い。その割には生徒からソコソコ人気がある。

「今日は転校生が7人来ています」
「7人?!」「ははは」
クラス中のほとんどが驚いた。転校生が来る噂は流れていたけど、こんな小さな島に7人も同級生が転校して来る訳が無い。皆は冗談だと思って笑っている。手の凝った冗談だ。わざわざ、机を7セットも用意しているのだから。
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