未来からの降霊

ジャメヴ

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「え~っと、お姉さんはウチに内定が決まっているって言っていたよね?  双子のお姉さんとは仲が良いのかな?」
彼女の姉が、不法侵入者は私だ、という事を知っているのか確認したい一心で遠回りに聞く。何とかあの一件の話を聞き出したい。普段から話をする仲であれば相談している可能性は高い。
「そうですね。まさに今日なんですけど、就職祝として、一緒にドライヤーを買いに行ったんですよ」
「そうなんだ、仲良いんだね。一緒に住んでるの?」
「はい。大学も2人とも実家から通っています」
「そうなんだね。どんな会話するのかな?」
「そうですね……。結構多いのが、似てない双子あるあるですね。私達が双子って知った人からは、絶対と言って良い程、全然似てないねって言われるんですよ。まあ実際、見た目は全然似てないんですけど……」
「そうだね。実際、私も信じられないって感じだから」
「ですよね。でも、実は性格はそっくりなんですけどね……」
「最近した会話とかあるかな?」
「何か姉の話ばっかりですね。志望動機とか聞かれないんですか?」
失敗!  露骨に聞き過ぎて違和感を持たれている。何とか誤魔化さないと……。
「ああ、だって、不合格者が納得いかないって自分から連絡してきているんだよ?  やる気があるのは分かっているからさ。動機とかよりもあなたの人間性が知りたい」
「なるほど……そうですね」
何とか信用してもらえたようだ。しかし、この子は度胸がある。普通、面接官にそんな指摘は出来ない筈なのに……。落選はおかしいって乗り込んできただけの事はある。
「まあ、家族の話でも何でも良いけど、あなたの人となりが分かる話をしてもらえないかな?」
「家族の話……そうですねえ……」
その時、店員がランチを持ってきた。
「日替わりランチ2つです」
手際良くランチを置くと、会計票に書き込み去っていった。
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