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カランコロンカラン
「?!」
ウエイトレスの女性が対応する。
「いらっしゃいませ、1名様ですか?」
「はい」
「御案内します」
「あっ、外が見える席ありますか?」
「空いていますよ、御案内します」
美女が何故かこの店に入ってきた。しかも、自分の後ろの席に座るようだ。訳の分からない緊張を感じる。私はゴルゴサーティーンのように背後をとられるのが嫌いな上に、それが美女となると無駄なストレスが掛かる。窓際を希望したという事は、待ち合わせの人物があまりに遅いので店の中で待つことにしたのだろう。
「御注文はお決まりですか?」
「アイスカフェオレをお願いします」
「かしこまりました」
下村さんが来ない事よりも、後ろの美女の方が気になってきている。昼時というのにランチを頼まないという事は、当然、誰かを待っているのだろう。
「アイスカフェオレです。ごゆっくりどうぞ」
もう12時20分……。下村さんは道に迷ったのか全然来ない。もう、下村さんよりも後ろの美女の方に興味がある。「誰かをお待ちなんですか? 私も人を待っているのですが、全然来ないんですよ。もし、宜しかったら御一緒しても良いですか?」と、20年前なら言えたかも知れないが、もう無理だ。20代の美女をナンパする度胸は無い。
……ああ、時間を戻したい……。
ただ、付き合う事は出来なくても声を掛ける勇気も出なくなってしまった事に、男性として終わったというショックで肩を落としていた。
「すみません」
右後ろを振り向くと、何と、その美女から声を掛けてきたようだ。
「はい?」
「もしかして、どなたかをお待ちですか?」
「そうなんですよ。全然来なくて……。あなたも誰かをお待ちのようですね。良かったらこちらで話でもしながら一緒に待ちませんか?」
「?!」
ウエイトレスの女性が対応する。
「いらっしゃいませ、1名様ですか?」
「はい」
「御案内します」
「あっ、外が見える席ありますか?」
「空いていますよ、御案内します」
美女が何故かこの店に入ってきた。しかも、自分の後ろの席に座るようだ。訳の分からない緊張を感じる。私はゴルゴサーティーンのように背後をとられるのが嫌いな上に、それが美女となると無駄なストレスが掛かる。窓際を希望したという事は、待ち合わせの人物があまりに遅いので店の中で待つことにしたのだろう。
「御注文はお決まりですか?」
「アイスカフェオレをお願いします」
「かしこまりました」
下村さんが来ない事よりも、後ろの美女の方が気になってきている。昼時というのにランチを頼まないという事は、当然、誰かを待っているのだろう。
「アイスカフェオレです。ごゆっくりどうぞ」
もう12時20分……。下村さんは道に迷ったのか全然来ない。もう、下村さんよりも後ろの美女の方に興味がある。「誰かをお待ちなんですか? 私も人を待っているのですが、全然来ないんですよ。もし、宜しかったら御一緒しても良いですか?」と、20年前なら言えたかも知れないが、もう無理だ。20代の美女をナンパする度胸は無い。
……ああ、時間を戻したい……。
ただ、付き合う事は出来なくても声を掛ける勇気も出なくなってしまった事に、男性として終わったというショックで肩を落としていた。
「すみません」
右後ろを振り向くと、何と、その美女から声を掛けてきたようだ。
「はい?」
「もしかして、どなたかをお待ちですか?」
「そうなんですよ。全然来なくて……。あなたも誰かをお待ちのようですね。良かったらこちらで話でもしながら一緒に待ちませんか?」
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