未来からの降霊

ジャメヴ

文字の大きさ
上 下
28 / 43

4-7

しおりを挟む
  月日は流れ、遂に面接当日が来た。私は前髪をおろし、黒縁の伊達眼鏡を掛けた。社員に見られると「どうしたんですか?」とか「イメチェンですか?」等と聞かれそうだが、面接が終われば、眼鏡も外すし髪もセットする。マスクもしようか悩んだが、やり過ぎ感があったので自重した。下村さんは意図せず最後の面接となった。高学歴の男性四人と先に面接したのだが、ピンとくる人物はいなかった。無理に入社させる必要も無いので全員落とそうかとも考えたが、最も高学歴な人物を合格にしようと決めた。これなら誰も文句は言わないだろう。
  そして、遂に下村さんとの面接が始まる。
「次の方どうぞー!」
コンコンコン
「どうぞ!」
「失礼します!」
ガチャ……バタン
「宜しくお願いします」
ドアを閉めて一礼をし、こちらへ歩いてくる女性の顔は、間違い無く隣棟のマンション、308号室のベランダに居て目が合った女性だった。履歴書の写真では、他人だという可能性も含んでいたのだが、実際に会って、本人だと確信した。こちらは眼鏡を掛けているし髪型も違う。私は堂々と面接を行なった。
  面接中、彼女が気付いている様子は無い。彼女は面接慣れしているのか、肝が座っているのか、緊張している様子は無く、ハキハキと質問に答える。元々、彼女を合格にするつもりだったが、そのような事情が無くとも合格だったかもしれない。
  何事も無く、面接は終了した。私と下村さんは椅子から立ち、一礼をする。
「ありがとうございました」「ありがとうございました」
その時!  彼女は「あっ!」という表情をした!  私は面接を終えたのと、バレなかったのとで、緊張の糸が切れた瞬間だった為、心臓が止まるかと思う程ビックリさせられた。彼女は少し考えたような間の後、
「ありがとうございました」
と再度一礼をして部屋を出た。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

夫に隠し子がいました〜彼が選んだのは私じゃなかった〜

白山さくら
恋愛
「ずっと黙っていたが、俺には子供が2人いるんだ。上の子が病気でどうしても支えてあげたいから君とは別れたい」

結婚して四年、夫は私を裏切った。

杉本凪咲
恋愛
パーティー会場を静かに去った夫。 後をつけてみると、彼は見知らぬ女性と不倫をしていた。

夫は魅了されてしまったようです

杉本凪咲
恋愛
パーティー会場で唐突に叫ばれた離婚宣言。 どうやら私の夫は、華やかな男爵令嬢に魅了されてしまったらしい。 散々私を侮辱する二人に返したのは、淡々とした言葉。 本当に離婚でよろしいのですね?

完結 そんなにその方が大切ならば身を引きます、さようなら。

音爽(ネソウ)
恋愛
相思相愛で結ばれたクリステルとジョルジュ。 だが、新婚初夜は泥酔してお預けに、その後も余所余所しい態度で一向に寝室に現れない。不審に思った彼女は眠れない日々を送る。 そして、ある晩に玄関ドアが開く音に気が付いた。使われていない離れに彼は通っていたのだ。 そこには匿われていた美少年が棲んでいて……

十年目の離婚

杉本凪咲
恋愛
結婚十年目。 夫は離婚を切り出しました。 愛人と、その子供と、一緒に暮らしたいからと。

婚約者に忘れられていた私

稲垣桜
恋愛
「やっぱり帰ってきてた」  「そのようだね。あれが問題の彼女?アシュリーの方が綺麗なのにな」  私は夜会の会場で、間違うことなく自身の婚約者が、栗毛の令嬢を愛しそうな瞳で見つめながら腰を抱き寄せて、それはそれは親しそうに見つめ合ってダンスをする姿を視線の先にとらえていた。  エスコートを申し出てくれた令息は私の横に立って、そんな冗談を口にしながら二人に視線を向けていた。  ここはベイモント侯爵家の夜会の会場。  私はとある方から国境の騎士団に所属している婚約者が『もう二か月前に帰ってきてる』という話を聞いて、ちょっとは驚いたけど「やっぱりか」と思った。  あれだけ出し続けた手紙の返事がないんだもん。そう思っても仕方ないよでしょ?    まあ、帰ってきているのはいいけど、女も一緒?  誰?  あれ?  せめて婚約者の私に『もうすぐ戻れる』とか、『もう帰ってきた』の一言ぐらいあってもいいんじゃない?  もうあなたなんてポイよポイッ。  ※ゆる~い設定です。  ※ご都合主義です。そんなものかと思ってください。  ※視点が一話一話変わる場面もあります。

【完結】選ばれなかった王女は、手紙を残して消えることにした。

曽根原ツタ
恋愛
「お姉様、私はヴィンス様と愛し合っているの。だから邪魔者は――消えてくれない?」 「分かったわ」 「えっ……」 男が生まれない王家の第一王女ノルティマは、次の女王になるべく全てを犠牲にして教育を受けていた。 毎日奴隷のように働かされた挙句、将来王配として彼女を支えるはずだった婚約者ヴィンスは──妹と想いあっていた。 裏切りを知ったノルティマは、手紙を残して王宮を去ることに。 何もかも諦めて、崖から湖に飛び降りたとき──救いの手を差し伸べる男が現れて……? ★小説家になろう様で先行更新中

処理中です...